「コンパクトカーの女性ユーザーを見てみた」シリーズも3回目となりました。（興味ある方は、「コンパクトカーの女性ユーザーを見てみた」「フィットなミセスってどんな人」をご参照ください。）今回ピックアップするのは、トヨタの「ヴィッツ（Vitz）」です。「ヴィッツ」は1999年に登場し、日本の新しいコンパクトカーブームの引き金を引きました。

　ギリシャ人のデザイナー、ソティリス・コヴォス氏によるデザインは、それまでのコンパクトカーにはない、新しい価値を提供しました。「ヴィッツ」が登場したことで、ホンダや日産が「フィット」や「マーチ」といった対抗車の投入を急ぎ、この市場が活性化したという意味では、日本の小型車を変えた存在だと言えるでしょう。

　「クラウド型消費者分析ツール『ぺるそね』」のデータから見てみますと、今回比較する4車種（Fit、Vitz、March、Cube）の中では「フィット」に次いで平均年齢が高いのですが、既婚率は下から二番目で、年齢層の割には既婚率が低いということになります。

　職業は会社員、公務員、自営業など、有職者が全体と比較し高くなっていますが、どちらかと言えば正社員が多く、派遣社員、パートアルバイトなどは低くなっています。平均世帯年収は、全体と比較しやや低くなっています。

　コンパクトカー、女性ユーザーのマッピング

　趣味は「料理」「ペット」「ドライブ」などが全体と比較し高くなっています。絶対数こそ多くありませんが、「華道・茶道」が全体と比較し1.9倍選択されているのが目を引きます。「ペット」は「小型犬」が1.4倍、「中型犬」が1.6倍と、犬好きです。興味関心事では、「健康・医療」「習い事」「ペット」「語学」などが全体と比較し高くなっています。健康意識が高いためか、スポーツも「ジョギング」「ウォーキング」などを行っている人が多く、これも絶対数こそ多くありませんが、「登山」を選択している人が全体と比較し2倍ほどいらっしゃいます。

　情報源として「ラジオ」を聴いている人が全体の1.4倍となっています。これは、通勤等にクルマを利用している人が多いのではないかと考えられます。全体的には新聞、チラシなどのアナログメディアがやや高めな傾向です。

　情報源

　消費行動としては、外食チェーンの利用率が高めです。「ケンタッキーフライドチキン」「モスバーガー」「丸亀製麺」「吉野屋」「CoCo壱番屋」「リンガーハット」などが、全体と比較し1.4〜1.5倍利用されています。ショッピングは「イオンモール」「三井アウトレットパーク」などの利用率が高く、この辺りを総合してみてみると、ここでもクルマで移動している人の特徴が出ているようです。

　外食チェーンの利用率

　好きなブランドは「組曲」や「アンタイトル」などのOLに人気の高いコンサバなブランドが好まれており、「ルイヴィトン」「プラダ」等の高級ブランドのバッグの所有率も高くなっています。ファッションへの興味は人並みですが、「an・an」「美的」「AneCan」などのファッション誌が、全体と比較し2倍程度読まれているのも特徴的です。いつものように「ペルソナ・イラスト」をアップしておきますので、ご参照ください。

　ペルソナ・イラスト

　「売れ筋ランキングを参考にして買い物をすることが多い」「新商品の情報はまめにチェックしている」という価値観から考えると、モノ選びにおいて失敗したくない人達と言えます。目指しているセルフイメージは「誠実な...」「暖かさ・人間味がある」「責任感が強い」などが比較的高くなっており、会社員の比率等も高いことから職場で信頼されている「おね〜さん」というイメージが浮かんできます。

　また、好きな男性タレントで目立つのは「佐々木蔵之介」「堤 真一」が全体と比較し1.3〜1.4倍。女性タレントは「江角マキコ」「山口智子」が同じく1.3〜1.4倍となっており、自分自身と同世代のタレントへの共感が高いようです。ちなみに「くまのプーさん」「トトロ」が好きで、ちょっと丸めの癒し系キャラが好みのようです。

　ヴィッツを所有している女性ユーザーの特徴は、比較的郊外に住んでいる、アラサーからアラフォーの女性会社員の方達で、移動はクルマ中心。まじめで身の丈にあった堅実なライフスタイルの方達という印象でした。

　というわけで、「ヴィッツなね〜さん」について見て参りましたが、いかがでしたでしょうか？次回は日産の「マーチ」（March）の女性ユーザーを取り上げてみたいと思いますのでお楽しみに...

*データは「ぺるそね」調べ。2012年6月 n=31,444

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