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火のないところに煙をたてろ!

火のないところに煙をたてろ!

倉澤 コイ

40代、仕事を持った腐女子。 某ジャンルにハマり09年夏に初めてコミケという場所に赴く。 さらに同人デビューを画策、悪戦苦闘の日々。

当ブログ「腐女子という市場(マーケット)」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/kurasawa/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


腐女子市場を成立し難くさせている原因のひとつに、
「腐女子の本能」とでもいうべきものがあると思う。

 

昨年の大河ドラマ「天地人」は
かなり「狙った」作りになっていた。
「殿と従者でどうぞ萌えてください♪
 カップリングは殿攻の従者受です。
 配役は北○妻○木です、ね、こういうのお好きでしょ?」
という...なんとなーくおしつけがましい匂い。
公式にコミカライズされるというニュースで見た
キャラデザインはやおい系の絵師が描いたと思われる
「いかにも」な感じ。
はたしてその時、
天下のN○Kは解っていただろうか?
腐女子狙いの大河ドラマより、
ちょっと前に放送して好評だった
社会派経済ドラマ「ハゲタカ」のほうが
腐女子に根強い人気があることを。


キャンプファイヤー状態で
「腐女子の皆さんいらっしゃい♪」とばかりに
火を囲んでギターに歌、という状況で待っていても
腐女子は遠巻きにするくらいで、
そうカンタンに集まってはこないのだ。
釣り針は大きければいい、というものではない。

腐女子回路は
「いえいえ、そんなつもりは毛頭ありませんよ...」
という佇まいの作品やキャラにでも
やおいの香りをかぎつける。

まったく火の気配のないようなところに
煙をたてることこそ、腐女子の本懐

なのである。


その腐女子を相手にするのなら、
火など熾してはいけないのだ。
微かに、仄かに煙の匂いをまとわせる程度が良い。

仄かに香る煙の匂いをかぎつけさせる、
そのさじ加減は相当に難しい。
腐女子というのは、実に天邪鬼なものなのだから。