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株価は上昇、ドルは売られる、しかし、これからは...

株価は上昇、ドルは売られる、しかし、これからは...

原 彰宏

製薬会社、旅行社の勤務を経て独立。異業種経験から総合的に経済、企業をウォッチし、金融出身でないことを武器にわかりやすく解説しています。CFPR認定者、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。大阪府出身。

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 発表される経済指標の善し悪しと、発表される企業業績、今は、この両方は相殺されているような感じです。前者が悪くて、後者が良い状況です。

 ところが、全社が悪くても、特に、雇用関係の指標が悪いことで、市場は、追加の緩和期待が働き、むしろ好感する形となっています。つまり、前者が悪くても、後者が良いので、相殺どころか相乗となっている感じです。

 それだけ、市場は、量的緩和を待ち望んでいるのでしょう。FRBは、前回はツイストオペの年内延長を決めただけです。証券化商品の買い付け、さらなる国債の買取などを、上下院の証言で、バーナンキFRB議長は、におわすような発言を残しました。ここに市場が反応したようです。その布石があって、新規失業 保険申請件数の悪化があり、これは量的緩和に舵を切るのではとの期待感が増したようです。

 それだけ雇用の改善は、今の政権には、是が非でも解決しなければならない命題なのです。オバマ政権の支持の土台は、今失業している若者層です。彼らの将来を引き受ける姿勢を見せない限り、再選はあり得ないですからね。

 為替は、経済指標に反応しています。ドル売りです。株価は相殺、相乗でも、為替は、やはり、経済指標をネガティブにとらえているようです。

 ただ、株価の上昇は、景気敏感要素の強いオーストラリアドルには好材料のようで、中国の景気減速に歯止めがつきそうな観測からも、買いシグナルとなったようです。

 株価は上昇の要素満載で、為替は、今は円高でも、米株式市場の好転から、いずれドル買いに流れます。アメリカへの投資は、(株にしても債券にしても)ドルを買うことですから、世界的な流れは、ドル買いとなりそうな予感です。

 ドル円では、金利差が働いて、どうしても円高になっていますが、アメリカ利上げ観測が働けば、円は対ドルでも売られる局面が待っています。すべて株高が誘発するものです。

 そうなると、安値で拾うのが鉄則です。投資スタンスが「買い」であるなら、仕掛け時と判断しても良いような気がします。ただ し、まだまだ、短期的には大きく揺れ動く可能性は大いにあるので、レバレッジをうんと落として、できれば現物で投資するのが望ましいでしょう。

 確定拠出年金では、投資信託への投資ですから、毎月積立のドルコスト平均法による、リスク分散手法での株式投資が、最も効率的と考えます。