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独身女性はたくましい

独身女性はたくましい

原 彰宏

製薬会社、旅行社の勤務を経て独立。異業種経験から総合的に経済、企業をウォッチし、金融出身でないことを武器にわかりやすく解説しています。CFPR認定者、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。大阪府出身。

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 「アラサー」という言葉、ご存知ですよね。30歳代周辺の人たちのことですよね。

 丸の内周辺の「アラサー」の独身女性を中心に投資セミナーを行うと、結構集まるそうですよ。彼女たちはキャリアウーマンと呼ばれ、結婚にはそんなに固執していないそうです。決してみんながみんなそうだというわけではないですよ。

 ただ共通しているのは、自分たちの将来を、真剣に不安視しているようです。女性ならではの感覚なのでしょうか。年を取っていくことの魅力もあるでしょうが、逆に、年を取ることの恐ろしさもよく知っているようです。 

 それは美容の話でもなく、健康の話でもない、収入の話です。今はいいけど、会社の中のポジションは、年齢と ともに微妙になっていくことを感じているよです。役職にもよります。業務内容にもよります。しかし、まだまだ日本の社会は、完全に男女平等とは言えないと ころがあります。

 また、国の年金制度を全く信用していません。自分たちは年金はもらえないと、真剣に考えているようです。それゆえ、自分で自分の老後は何とかしなければという、強い思いがあるようです。

 ここのところが、同じ男性サラリーマンと決定的に違うところです。世の男どもは、お金のことをあれこれ言うことを美徳としていないところが根強くあり、仕事ができることを誇りとし、現実から目を背けることを慣習としています。

 国を信じ、会社を信じ、制度を信じているのは、日本社会を構成している大多数のサラリーマン家庭です。独身女性は強いですよ。

 東急東横線横浜駅改札口出たところに、三菱東京UFJ銀行の外貨交換所があります。列をなして、日本円を外貨に交換している人、そのほとんどが若い女性です。

 若者の年金に対する不信感は、永田町や霞が関には全然わかっていないのでしょうね。

 いや、彼らこそ、よくわかっているのです。

 ある厚生労働省30代のお役人、せっせと資産運用をしているそうです。ちらっと本音を言っていました。「年金制度はいつ破綻するかわからないから、自分でお金を貯めている、運用している」だそうです。制度を作り運営している側の非との発言です。

 また、運用に関して、日本円などの通貨に対しての不信を証明しているような話もあります。

 ある日銀出身者(OB)の話ですが「自分は散々、現役時代に輪転機で日本円を刷ってきた。だからわかるのですが、今金(Gold)を買っておいた方がいいですか。どのタイミングで買った方がいいですか」ですって。背筋がぞくっとする話です。

 これは有名な話です。前米FRB議長のアラン・グリーンスパン氏。世界各国を講演して回っていますが、その報酬を受け取る際の話です。

 主催者側が気を利かせて「報酬は、ドルにしますか、ユーロにしますか」と尋ねた時の、元通貨の番人であったグリーンスパンの答えが「金(Gold)にしてください」だそです。どういうことですか。

何億とため込んでおるお金持ち、いわゆる資産家、必ずと言っていいほど海外口座を持っています。ドクターの間では、海外口座に資金を移動するのがはやっています。

 みなさん、これが現実です。

 国を信じ、会社を信じ、制度を疑わず、自分だけは何とかなると思っているのは、一般サラリーマン家庭の方々だけかもしれませんよ...