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芸術家は、評価され儲けすぎると叩かれる?

芸術家は、評価され儲けすぎると叩かれる?

猪口 真

広告制作会社、人材開発コンサルティング会社を経て、2004年株式会社パトス設立。現在同社代表 マーケティング・コンサルタント。

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大学界や旧世代の芸術作家、(尊敬されるはずの?)オタク文化の発信者など、さまざまな方面からの批判を受けながらも、精力的に活動を続ける村上隆氏。

本来ならば、ベルサイユ宮殿で作品展を行うほどの快挙を成し遂げ、日本アートの救世主と崇められても不思議はないのだが、なぜか喝采と冒涜と両極端な評価を受け続ける。

行き過ぎた市場原理主義だ言うことは簡単だが、ビジネスの世界と共通項は多い。

「商業主義に乗っているだけ」「盗作?」などと騒ぐ人たちに共通すると思われるのは、経済的な成功に対する妬みか。あるいは平穏に見える既得権益を守ろうとする力か。

ビジネスにおいても、1円でも多く稼ごうとする姿勢よりも「あるべき論」はかっこよく響く。

数値目標だけが先行し、知恵なき実行を繰り返すしか能のない我々を含めたビジネスマンに対し、閉鎖的と言われる日本の芸術界の中においても「未来を創造するには実践するしかない」と語る村上氏の言葉は重くのしかかる。

我々ビジネスにおいても、「べき」論を振りかざし、公然と経営陣や上層部、あるいは業界への批判を繰り返す行為だけ繰り返してもなんの意味もない。

評価されるのは、顧客の購入(もしくはそこに導かれる可能性を持つ)という結果だけだ。

我々も戦略を持って実際に行動を起こし、結果を出さなければ、何の評価も受けることができないし、存在も危うい。


村上氏の活動は、商業ベースの活動だけではなく、アーティストたちへの門戸も広い。

村上隆氏が率いる「カイカイキキ」と「ピクシブ」が共同で「pixkiki アナログ展覧会」を来年2月10日から3月1日まで、東京・中野ブロードウェイ内の会場3カ所で展示されることが決まっている。

12月22日に作品募集は締め切られたが、業界内外の注目は熱い。