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いかにも日本的な大手の電子出版協業タッグ

いかにも日本的な大手の電子出版協業タッグ

猪口 真

広告制作会社、人材開発コンサルティング会社を経て、2004年株式会社パトス設立。現在同社代表 マーケティング・コンサルタント。

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ソニー、KDDI、凸版印刷、朝日新聞の4社によってで電子書籍化に向けた協業タッグが発表された。

業界でイノベーションが起こる場合、総じて欧米においては、新たなプレイヤーが出現し(しかも単独で)、業界の中で暴れまくり、やがてそこで新しいルールやモデルができていくのに対し、日本ではプレイヤーがさほど変わることなく、業態が変化していくことが多い。

かつてPC業界でデルが新たなビジネスモデルをひっさげて登場した際にも、アキアなど一部メーカーが出てはくるものの、大きな勢力になるまでもなく消滅してしまった。

これにはさまざまな要因があるかもしれないが、結果的にはこれまでの勢力図はさほど変化することなく、その前と同じように、NEC、東芝、ソニーなどが似たようなビジネスモデルを採用しながら変化していく。

今回の電子書籍化に関しても、アマゾン、Apple、Googleが出版業界に新しい仕組みをひっさげて登場したのに対し、日本では、またしても旧勢力の大手同士がタッグを組む形となった。

書籍マーケットであることを考えれば、ソニーとKDDIが入っていることで十分イノベーティブだということなのかもしれないが、結局は既成のパワーバランスはあまり変わらないのだろう。

とはいえ、これで大手各社の狙いがほぼ見えたわけで、これまで大きなパワーバランスの中で身動きが取りづらかった中小各社は、プレイヤーとしてのポジションを目指しながら動くことになる。

そしてこれだけの業態変化が2兆円規模の業界の中で起こるのだから、このうねりの中にビジネスチャンスが埋まっているのは間違いない。

ここは気合入れてがんばりましょう!