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「そろそろ田舎に帰ろう」と思えるかが、地方の未来

「そろそろ田舎に帰ろう」と思えるかが、地方の未来

丸尾 宜史

顧客を惹きよせるマーケティングコンサルタント。故郷(いなか)にこだわるマーケティングの研修、セミナー講師。

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地方と首都圏を往復していると、地方と都市部との格差が広がっていると強く感じます。私の会社は、岡山県の津山市(人口10万人規模の地方都市)に本社をおいています。大阪からは約200km、東京からは約700kmの距離にあります。

所在地.png

私は4年程前に東京から、地方に拠点を移しました。中心商店街のシャッター、駅前土地は空地、空ビルが目立ちます。

 

《夢を持たない経営者》

10万人規模の地方都市にある中小企業経営者の多くは、「景気の良かった時代の2代目、3代目」です。最近、話したある会社の2代目の言葉で印象に残った言葉です。

 「中途半端にもうけても税金が増えるだけ・・・。儲けないほうがよい。」

この会社(製造業)は、本業の製造工場はほぼ稼働しておらず、先代からの土地資産の賃貸で細々とやっておられるようです。こういった会社が増えていくと、おそらく今の子供達は、故郷にいることはできなくなるのではないかと思います。10万人規模の地方都市からは人の流出は止まりません。

田舎の人間は向上心が少ない。とよく言われますが、正確にいうと夢を持った人間が少ないのだと思います。たどり着きたいゴールがなければ、それに近づく動力も必要ないのでしょうか。結果的に、「昔は良かった」「政治が...」と外部環境に依存した思考停止に行き着きます。

  
《今地方に必要なこと》

今は、夢を持った人たちが、地方ほど必要になっているのです。私は、商談などで地方経営者を訪問した際に、必ず社長さんの夢を聞くようにしています。社長さんによっては、2時間も3時間も夢について話をしてくれます。(大体そういう社長は、創業者です。)そしてそのような経営者の周りには、楽しそうにはたらくスタッフ、共感するお客さんがたくさんいます。業績も伸びており、先日「良い人をたくさんリクルートしたい」と相談を受け、現在提案をさせて頂いています。地方の未来のために、今地方に必要なのは夢を持ったたくさんの人たちなのです。夢に向かい、進んでいくエネルギーが地方の未来そのものです。

10年後、20年後にたくさんの人が「そろそろ田舎に帰ってもいいかな」と思える地方をつくります。