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IoTによって行動が偏向化する -例えばChromecastで傾斜する志向について-

IoTによって行動が偏向化する -例えばChromecastで傾斜する志向について-

正林 俊介

中小IT企業を法歴し、SI営業、事業企画、M&Aディール、マーケティングなど様々な職務を経験し現在に至る。

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>>「Chromecast」がやって来た!!!

もう1か月ほど経つけれど、オモシレイ!って「Chromecast」。なかなか気に入っている今日この頃。

まぁ、僕の主たるITガジェットであるスマホはiPhoneだし、PCはWindowsってなことが理由の一つだと思うけれど、この「Chromecast」に対応したアプリが少ないのでモッパラ「YouTube」が主たる利用コンテンツな訳だけど。

いまさら説明の必要はないとは思うけど、「Chromecast」はGoogle社が2014年5月28日に発売した「テレビでPC、スマホの画像や動画を楽しめる、ストリーミング端末」だ。

Wi-Fiの環境下でテレビのHDMI端子に接続すると、写真や動画がテレビの画面で見れちゃうというお手軽でシンプルなモノ。

PCをテレビに繋ぐのは着脱がメンドクセイ訳ですが、それを手元にあるタブレットやらスマホからホイッてな感じで使える簡単ツール。ストリーミングのデータを送るだけの端末なので本格派には、物足りないかもしれない。けれどYouTubeに限らず、スマホで撮ったピクチャをテレビの大画面で見れるというのは中々に気分が良い。

これも「IoT」(Internet of Things)発展の賜モノ。ワーイワーイ。

>>「Chromecast」によって感じた変化

で、僕の生活パターンとその利用シーンと言えば、

  • 仕事を終えて帰宅

     ↓

  • とりあえずテレビをつける

    ↓

  • なんとなくザッピングしながら見たい番組をさがす

    ↓

  • 観たい番組なんてそうそうないのでYouTubeで好きな動画をキャストして視聴

てな感じ。

でもね、思ったんですよ。「Chromecast」がやってきて以来、僕は自分の好きな情報にしか触れていないということを。

これがテレビであれば、ユーザーにとっては受動的なメディアだから、自分の嗜好に合わない情報も耳にすることになる。すなわち、そこで放送されるニュース原稿を僕らは選べない。

これは新聞などの媒体にも当てはまると思う。新聞というメディアは自分の嗜好・志向に関わらず、能動的に多様な情報を収集する。

けれどインターネットであれば、例えニュースサイトであってもニュースのヘッダーを見て興味のある記事に目を通す、するとその記事のページには関連するニュース記事や情報が表示され、嗜好にあった情報に誘導される。つまり、自分の興味関心のある意見や知識に偏った情報ばかりが「蓄積する知識」となっていくのだ。

もちろん、テレビ・新聞もメディアによってある程度の「色」の違いはあるけれど、インターネットのように嗜好にあった情報への能動的な偏りは発生しない。

>>志向は誘導される

で「Chromecast」。視聴するコンテンツは自分の嗜好・志向の域を出ることは、あり得ない。だから取得する情報は、自らが欲する志向に傾斜していくのだ。

「Chromecast」を批判するつもりはないので、こればかりを例に挙げて恐縮至極なのだけど、自分の志向に合う情報ばかりに触れる理由は「テレビ」という家電が「IoT」(Internet of Things)のツールとなった点だと感じている。

例えばYouTubeの画像を長時間鑑賞するには、PCなどの前に鎮座していなければならない。けれどこれがテレビというヤツを介することで、つけっぱなしでいろんな諸事をすませる、ということを可能にしてしまうのだ。つまり、YouTubeをキャストしながら調理する、飯を食う、Yシャツにアイロンをかける、離れて暮らす親に想いを馳せる、など「ながら」鑑賞が出来るようになったということ。

本来、能動的に情報に触れるインターネット上のコンテンツを、受動的に垂れ流しでそれに触れ続けることになるのだ。

「IoT」(Internet of Things)それは、クラウドコンピューティングの普及・発展を背景に、インターネットと様々なデバイスが接続され、今までにない膨大な情報を収集し、またそれをビッグデータとして活用することが可能になった。それは、快適性と共に、僕らが気が付かないところで、傾斜した志向に誘導されていくと想像する。

インプットされる情報が偏っていけば、当然ながら、その行動は偏向化するだろう。

だから僕らは努力して、積極的に多様な情報を得なければならないんだろうと思うんだ。なぜなら自分の志向に埋没することは、排他的であることと近似していると考えるから。

(正林 俊介)