さて、前回のつづき。

 

動画のコメントのひとつに、『子育てをしながら正社員フルタイムで働くことは厳しい』、というのがあったが、それは、その通り。働き続けていくには、それなりの覚悟がいる。

 

産休一年でフルタイムの仕事に復帰した私。『ママー、行かないで～～（ギャオギャオギャオ～～～～～）』と泣き叫ぶ、２歳の息子に背を向けて走り去った朝。その時に感じた罪悪感と申し訳なさは、８年以上たった今でも強烈に覚えている。幸いなことに、子供を世話してくれたのがおおらかなタイプの人で、少々の熱なら気にせず預かってくれたので、本当に助かった。それでも、この動画のママのように、仕事を無理やり切り上げ、はやめのお迎えに向かったことは、二度や三度じゃない。

 

日本の働く女性たちよ。もっともっと、図々しくなってほしい。あなたのダンナとまったく同様、あなたも、責任を持って仕事をしているのだ。一番大切にすべきは、ほかの誰でもない、あなた自身だ。理解に欠ける女性上司、子育てなんて奥さんにまかせっきりで、まるでわかっていない男性上司、仕事を最優先にできる立場にある同僚達。１０年先、２０年先、彼らが老いた時、支えるのは、あなたの子供たちの世代ではないか。　

あなたは未来の希望を育てている。希望の原石が輝きを放つためには、長ーい年月と忍耐、汗(含冷や汗）と涙、そして100万回の『早くしなさい！』が、必要なのだ(笑）。あなたが、私が、日々取り組んでいることの価値を、いま一度自覚しよう。

 

そして、もし読者のなかに、子育て中の女性と仕事をしている人がいたら、ぜひ考えてほしい。仕事と育児を同時にうまくまわしていくためには、いろいろなスキルがいる。マネージメント能力、目標設定能力、計画能力、判断力、 などなど。働くママたちは、日々実践で、これらのスキルを養っているのだ。子供に一番手がかかる数年だけ待ってもらえれば、子育てを通じて身に着けたこれらのスキルは、かならずしや、仕事にも発揮されるようになるであろう。そんなふうに、彼女たちを温かい目で見守っていただけたらと、願わずにはいられない。

 

動画のママは自問する。

私は大丈夫だろうか。

きちんとお仕事ができているだろうか。

ちゃんと君（子供）を愛せているだろうか。

そして、自分を愛せているだろうか。

 

大丈夫。あなたは十分頑張っている。そんなふうに自問する、ということこそが、子供に、そして、仕事に対する、あなたの真摯さを如実に物語っている。いい加減に生きている人は内省なんてしない。

 

ただ一つだけ。自分を愛せているか、だけがちょっと気になる。　と、いうことで、次回は『自分を愛する』について。

 

それでは皆様、ごきげんよう。