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恥ずかしい横並び
マイク丹治の「グローバル・アイ」
恥ずかしい横並び
セールスジャパンという、中小企業・ベンチャー企業向けの営業代行・販路開拓の会社で会長を務める傍ら、いくつかの会社の顧問に就任しており、更に政策シンクタンク・構想日本で政策提言を行っています。
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先週の食材虚偽表示に続いて、今度は大手銀行の反社会勢力向け融資。何とも恥ずかしい限りだ。これで「おもてなし」とか、「ルールを守る日本人」などと平気で言っている意味が分からない。
虚偽表示にしても、一社が出たら、その後恐らく同業他社は、あわてて調査をして、今発表すれば紛れて大事にならないと踏んで公表したのだろう。銀行にしても同じで、これだけの時間で分かるということは、ある意味簡単に分かることであって、それをきちんと審査していなかった、或いは社内の検査システムが機能していなかったということだろう。
要は、食材についても、まあそんなに違うものを出しているわけではないので、分からなければ良いだろうし、安い食材で高級感を出せて、それなりの値段をつけられるのであれば儲けもの、という発想だったのではないか?
反社会勢力向け融資にしても、実際に分からずに貸した例もあるのかもしれないが、分かった後で返済を求めるのは大変だし、全体の中ではほんの一部で、いちいち公表することで問題視されるなら、頬かむりしておこうということだったのかもしれない。
巨額の融資であれば、法律や会計の専門家、場合によっては金融の出身者などのプロの手を借りて、分からないようにしてということもあり得るかもしれないが、昨今はマネーロンダリングの関係で厳しい対応が求められているし、最初の銀行の例を見ればさほどの金額ではないので、単純な案件で分かりにくいということもなかったのではという気がする。
いずれにしても、最大の問題は、この横並び意識。誰かに問題が生じるとあわてて同業が追随する、つまり自分でその事業の価値を高めることを考えられないということだ。高級品を扱う百貨店であれば、本当に高級な良いものを、多少値が張っても出すのが顧客の満足につながるのではないか?これは一流ホテルも同じだろう。
金融機関も、大事な預金者の資金を、安全な先に貸し付けることが求められている。ましてや、マネーロンダリングや、わが国において関係方面が長い年月をかけて尽力してきた反社会勢力への資金ルートの遮断などを勘案すれば、大手銀行としては、誰かがやっているからではなく、自らその社会的使命を念頭に施策を進めるべきだ。
こんな事実が次々と出ていくわが国に、どうして「おもてなし」を期待できるだろう?もちろん多くの企業や国民の皆さんが一生懸命生きているのは事実だが、だからこそそれぞれの企業が、それぞれの本気の使命感に基づいて、少しでも社会のためになるような業務運営を、自ら真剣に考えてほしいと思う。