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夢のある世界を!
マイク丹治の「グローバル・アイ」
夢のある世界を!
セールスジャパンという、中小企業・ベンチャー企業向けの営業代行・販路開拓の会社で会長を務める傍ら、いくつかの会社の顧問に就任しており、更に政策シンクタンク・構想日本で政策提言を行っています。
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ちょうどワールドカップサッカーで盛り上がっている。日本代表はちょっと苦戦を強いられているが、ともかくも最後まで頑張ってほしい。
このサッカーの試合を見ていて改めて感じたのだが、アメリカという国の選手たちの国歌や国旗に対する態度が他国に比してもちょっと目立つ。ある意味で国粋的な気もするし、昨今の諜報活動などの報道や、第二次大戦へ突入するときの戦術、そして原爆、更には力の政治などに鑑みると、決して手放しで称賛されるべき国ではないが、しかし国民は国を信じているし大事にしているという印象だ。
これはやはりアメリカンドリームというものが、未だに存在感を持っている、つまり国として国民に夢を与えることが出来るということなのだろう。確かに、考えてみればカソリックとの対立の中で新天地を目指し、険しい自然と闘いながら国を創り上げたという意味で、短いが意義深いその歴史に国民は感銘を覚えるのだろうと感じる。
そして、本国から独立し、奴隷制度などを原因とした南北対立から統一を果たし、更にまだKKKは一部に存在するようだが、人種差別も相応に克服し、開拓の歴史の中で蹂躙されたネイティブアメリカンの人々にも、現在は治外法権による恩典を与えているなど、確かにアメリカは自国民に、そしてその地を目指してくる人々に夢を与えてきた。
開拓時代の記憶から銃社会が残っているのも事実だし、中南米からの移民に伴って麻薬が混入してくるという社会の歪みも指摘されるが、それでも国民は夢を持ち、アメリカンドリームを信じ、そしてその礎であるアメリカ合衆国を信じ大事に思っているのだろう。
翻って考えてみると、先日もどこかの調査結果が報道されていたが、わが国国民は将来に対する夢があまりに乏しい。確かに、バブルの影響が未だに残り、経済力・技術力は下降の一途をたどり、財政は破綻し、少子高齢化が進む。
でも、今わが国国民は世界の中でも極めて高いレベルの生活を送ることが出来ているのであり、それを支える経済も一朝一夕に滅び去るものではない。そして、わが国には世界でもまれなほどの風光明美な国土があり、他国ではまねのできない素晴らしい食文化もある。
それに、確かに劣化していることは事実だが、わが国には控えめだが人の気持ちを考えるという優しい精神が宿っている。更には、平和を大事にするという国民の合意もあるではないか?これらを大事にして、優しさや平和というわが国の持つソフトな力で世界に少しでも貢献し、世界中の紛争を少しでも少なくし、世界中が仲良くなることは、わが国こそが皆の力を結集して挑戦できる夢ではないか?
少なくとも、将来を悲観し夢のない毎日を送ることは避けたい。どの世界にも、必ず様々な課題がある。問題点だけを念頭におけば、それぞれの問題が大きければ大きいほど、自らの力だけでは解決できないので、夢につながらない。でも、課題だけがすべてではないことに気づき、自分たちの良いところを思い切り伸ばしていくという気持ちも大事ではないか?
そして、せめて政府にしても企業にしても、そのような前向きの試みに対して、もう少しポジティブで寛容な精神で接して欲しい。ついこの間ある不動産開発の関係の方とお話しした際に、やはり米国の新たな開発が先進性が高いのです、とおっしゃっていたのが印象的だ。わが国ももっと夢のある社会にしていこう!