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円安、株高は本当に良いことなのか?

円安、株高は本当に良いことなのか?

マイク 丹治

セールスジャパンという、中小企業・ベンチャー企業向けの営業代行・販路開拓の会社で会長を務める傍ら、いくつかの会社の顧問に就任しており、更に政策シンクタンク・構想日本で政策提言を行っています。

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日銀の追加金緩和策で、株価が急上昇し、すごい勢いで円安になった。どうもアベノミクスの効果がはっきりしない中で、閣僚の辞任なども続き、更に消費税の増税もあるので、この施策に賭けたという印象もある。

だが、そもそも株価が上昇したら資産効果があるというが、それは誰に対するプラスなのか?結局外人投資家や大株主である金融機関、大企業ではないか?円安で確かに輸出産業は助かるが、一方で資源などを海外からの輸入に頼らざるを得ないわが国は、更にコストアップになる。

そのコストは、結局最終物価に跳ね返り、国民の生活はより厳しくなるし、そもそも購買力が落ちるのだから、決して国家として喜んで良い話ではないと思う。輸出産業が伸びたところで、わが国産業に占める位置づけからすればその効果は少なく、逆にコスト増の逆効果の方が大きいのではないか?

どうも、一件欧米に対抗した施策のように見えるが、実は彼らの術中に嵌っているのではないか?こうして、益々わが国の国力が衰えることになるのは、どうやって防ぐのか?

この週はドバイに行っていたが、確かに資源もないところでこれだけの大規模な建設が進んだところはすごいと思うし、地下鉄などを含めてわが国の技術も様々に生かされているが、どうも違和感を感じた。

国としては、アブダビで石油も取れるので豊かであるのは分かるが、結果として金権主義に陥っているようで、イスラムの喜捨の精神などがどうなっているのか?何でも価格が高く、更にインターネットを含めて何でも有料という世界は、不便さしか感じない。

となりのクウェートの方が、最近は遅れをとっているようだが、まだ何となく落ち着きを感じた。成長することはもちろん素晴らしいことだが、中国で拝金主義が蔓延し続けているように、何となく欧米流のお金を中心にした仕組みが、儒教国家の中国や扶け合うことを旨とするイスラムの世界を侵食しているような気がしてならない。

翻って、わが国の経済政策も、やはり金融資本主義の罠にかかっているのではないか?経済政策と金融政策が一体化して、中央銀行の独立性が失われることの恐ろしさを、今一度良く考えてみる必要があると感じている。