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「そっちの英語分からない」では済まされない――英語の訛りを考える
留学エージェントの視点
「そっちの英語分からない」では済まされない――英語の訛りを考える
1971年生まれ。海外の日系現地法人や商社、外資系企業の日本事務局代表等を経て、現在は留学エージェンシー Plan Bの代表を務める。英国立リバプール大学マネジメントスクール修了。
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留学カウンセリングの中で、英語の訛りの話になります。特にオーストラリア留学の話をしていると、その話は避けて通れません。オーストラリアに住んだことのある者として言うと、確かにそれはあるのです。
「じゃあやっぱりオーストラリアはやめておこう」とは、すぐに思わないでください。
もし、あなたが将来「外資系の会社に入って上司も同僚も外国人ばかりのグローバルな環境で働きたい」と考えるのであれば、オーストラリア人の上司や同僚、クライアントと仕事をする可能性は十分にあります。全くオーストラリア英語に「免疫」がないと、かなり苦労することになるでしょうし、場合によっては自分の評価を下げてしまいます。そして多くの部分でこのオーストラリア英語はイギリス英語とかぶります。例えば"Mate"と呼びかけることや、Centre、Colourなどの単語でアメリカ英語と違うこと、can'tを含めた単語の発音です。いわば英語の半分はそっちサイドなのです。
そんなとき、多国籍の企業で「そっちの英語は分からない」では済まされません。以前、私が所属していた企業はもともとイギリス発祥でしたが、オーストラリアのファンドに買収され、本社がシドニーに移りました。CEOもオーストラリア人に変わりました。なおさら来日したときに「あなたの英語は分からない」とは言えないですよね。その後はアメリカのファンドに買収されて......となりましたが、そんな風にコロコロ状況は変わっていくのです。ある意味では、アメリカやカナダの英語は慣れているのでイギリス/オーストラリア方面の英語をマスターすれば、更に英語に自信が持てるはずです。
それと、オーストラリアでも街中、特に学校ではそんなに極端に訛った英語はあまり聞きません。日本を想像すると分かりやすいのですが、九州や東北の田舎のおじいちゃんの訛りは東京で生まれ育った人にはかなり分かりにくいかもしれませんが、仙台や福岡の街中でビジネスマンが話す日本語はそんなに訛っていないはずです。それと同じです。
ネイティブに言わせると「日本人は結局日本語訛りが取れないから大丈夫、関係ないよ」というのもあります。実際、同僚が言っていたコメントですし私もいろいろな人を見て(聞いて)同意せざるを得ません。日本人に限ったわけではなく中国人は中国訛り、フランス人は結局フランス訛りなのです。中高生の場合はネイティブ並になれる可能性が高いので、気にすることもあるかもしれませんが、私のところに来る20歳半ばから後半、またはそれ以上の人にはあまり関係ありません。自分の経験でもありますが、むしろちょっとした訛りは「かわいい!」と言われて、興味を持ってもらったり会話が弾むことも多々あります。
今回はオーストラリアの話がメインになりましたが、ニュージーランドでもイギリスのスコットランドでもアイルランドでも、もっと言うならアメリカの南部でも同じようなことが言えます。ですので決してその英語の部分を中心に考えるのではなくて、本質的なプログラムの見極めをしてみてください。その上で、同じようなものが複数国にあればそこではじめてイメージや発音etcの好き嫌いで国や地域を選ぶべきかと私は考えています。
最後に、各国の特徴が現れている学校紹介の動画で、英語の違いを確認してみて下さい。Enjoy!
●オーストラリア英語
●イギリス英語
●アメリカ英語