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逆算から拡散の空間

»2011年12月18日
mushatter武士道ブログ

逆算から拡散の空間

武者 慶佑

1982年生まれ 宮城県仙台市出身 株式会社シェアコト / サブカルプランナー 一般企業のプロモーションとアニメを掛け合わせた企画を専門で作っています。 過去実施クライアント様 ドコモ様、ローソン様、マイクロソフト様、GMOインターネット様、など大手企業様の企画を中心に企画を実施。 アニメ活用マーケティングを数字とフレームワーク理解するNED(TEDのパクリ)なども実施。

当ブログ「mushatter武士道ブログ」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/mushatter/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


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僕はコーヒーが好きなので、毎週末家の近くの中野のスターバックスに行ってはチェックインしてコーヒーの写真などをソーシャル上にあげています。

不思議なもので、こんなたわいもない、いつも同じに見える茶色い飲み物の写真に対しても「いいね!」は発生します。その度にわずかながら中野のスターバックスの空間情報はソーシャル上で拡散されているわけです。


■各ソーシャルメディアによる友達の違い

ソーシャルメディア=話題の拡散
ソーシャルメディア=たくさんの人とのつながり
とばっくりと理解されがちですが、使うソーシャルメディアによって友達の質は全く異なります。

アメリカの例ですが、Pew Research Centerから発表された報告書「Social networking sites and our live」によると、Facebook上の「友達」の中で一度も会ったことのないのは僅か7%。一度しか会ったことがない友達も3%のみで、残り90%は2回以上会ったことのある人々であるという結果が出ています。Facebookはリアルの友達が多いソーシャルメディアということになります。
pew_socialmedia_research.jpg
 
一方でTwitterなどミニブログは、電通の「SNS100 友調」よると60%以上が会ったことない人、つまりバーチャルな関係の「トモダチ」が多いソーシャルメディアということになります。
Twitter会ったことない.jpg


■スマホで使われるソーシャルメディア

過去のブログ(空間とソーシャルをつなげる「3W」)でも書きましたが、現在、ソーシャルメディアへのログインはPCとスマートフォンが混同している状態ですが、スマートフォンの普及と共に、スマートフォンによる割合が増えてくるのは必至です。それに伴い位置情報系のサービスも増加してきます。

ちなみに日本のスマートフォンでのSNS利用率は「Twitter」、次いで「Facebook」となっています。(モバイルマーケティング・ジャパン「スマートフォンユーザーのSNS利用に関する調査」)
Baidu IME_2011-12-17_19-55-41.jpg

参考までに、米国のAndroid端末ユーザーのアプリ使用調査ではFacebookアプリが最も広く利用されています。(Nielsen調査)
Baidu IME_2011-12-17_19-59-17.jpg

この事例はアンドロイドアプリなので一概には言えませんが、日本でも、Facebookとスマートフォンの親和性は高まり、使用頻度が高くなってくるかもしれません。


■スターバックスの空間情報

話は戻りますが、僕がスターバックスでチェックイン情報を発信したとき、反応してくれる友達は、僕がコーヒー好き(ちなみに元スタバ社員です)だと知っているリアルな友人が多いです。今思えばFacebookのアプリやFoursquareなどでチェックインするわけですから、当前ですが・・・

スターバックスは空間の位置づけとしてサードプレイスという家庭でも職場でもない第三の場所というブランディングを行なっています。
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スターバックスでのエクスペリエンスは極めて日常的で、パーソナライズドされとてもくつろげるものです。故に、空間もパーソナライズド。発信される空間情報もパーソナルなのではないでしょうか。

実際私がソーシャル上に上げているスターバックスの空間情報の「What」はコーヒーの写真であったり、家の近くのスタバの位置情報です。これらの私のパーソナルな情報はFacebookというソーシャルメディアを通すことで、パーソナルなお付き合いをしてきたリアルな友人との親和性と合致し、伝播していきます。Facebook上で僕を「親しい友達」として登録してくれていた場合はエッジランクに関係なくお知らせ通知がされますので、伝播力も高まります。


■空間を伝播させるための2つの逆算

これまでのことから、スターバックスのパーソナライズドされた空間は、リアルな友達が多く介在するFacebookとの相性が良いと考えます。

空間の作り手は、空間情報がソーシャルメディア上で誰に伝播してほしいのかを予め考える必要があるのではないでしょうか。つまり、発信者の先の受信者を逆算する必要があるわけです。

逆算するヒントとなるものには、「ステージ」「伝播スタイル」という2つがあると考えます。

「ステージ」には"ノーマル"と"スペシャル"があり、前者はスターバックスや地元のお店、後者はテーマパークやイベントなどです。

「伝播スタイル」には「パーソナル型」と「拡散型」があり、前者はリアルな友達に向けた個人の色がわかる情報、後者は不特定多数に向けたニュース性や時事性に特化した情報です。

これらの要素から逆算し、発信されるべきソーシャルメディアの選定、空間に仕掛ける「What」を考えることで伝播力は高まり、空間とソーシャルの結びつきも強まるのではないでしょうか。