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ドコモのAKB48キャンペーンが引き起こすソーシャルグラフの波
»2012年1月24日
mushatter武士道ブログ
ドコモのAKB48キャンペーンが引き起こすソーシャルグラフの波
1982年生まれ 宮城県仙台市出身 株式会社シェアコト / サブカルプランナー 一般企業のプロモーションとアニメを掛け合わせた企画を専門で作っています。 過去実施クライアント様 ドコモ様、ローソン様、マイクロソフト様、GMOインターネット様、など大手企業様の企画を中心に企画を実施。 アニメ活用マーケティングを数字とフレームワーク理解するNED(TEDのパクリ)なども実施。
当ブログ「mushatter武士道ブログ」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/mushatter/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
AKB48のドコモのキャンペーンをチェックしようと先ほどキャンペーンサイトを見たのですが、
今回は一見すると、直接ソーシャルを絡めたものはサイトのシェアボタンがあるだけでした。
サイト内では、いわゆるオリジナルAKB特典や、前回のブログでも書きましたが、
AKBをプロモーションで使う上での、数の必然性を活用し、推しメンがレコメンドする携帯をチェックすることができます。
(あと黒板に書かれた応援学割の詳細を見るとき、実はチョークが使えて、日直のとこに名前を書けます)
(あと黒板に書かれた応援学割の詳細を見るとき、実はチョークが使えて、日直のとこに名前を書けます)
しかし、僕はこのプロモーションが表面的な部分ではなく、裏に仕組まれた"話題の種"により、
副次的にソーシャルで多くの共有を生み出し、結果としてキャンペーンを知ることに繋がるのではないかと
感じましたので、オタク視点を覚悟でまとめたいと思います。
■リレーショングラフからキャンペーンを知る
キャンペーンを知るきっかけはキャンペーン自体が必ずしも直接話題にならなくてもよいと思います。
何かを通してキャンペーンを知ることができる。そんなキャンペーンを間接的に共有する切り口を
どれだけ作ることができるかが、これからのソーシャル時代には重要となってきます。
以下では、docomoのキャンペーンを取り巻き、間接的にキャンペーンを知ることができる、
「リレーショングラフ※」について、考察していきます。
「リレーショングラフ※」について、考察していきます。
※リレーショングラフとは主にソーシャル時代の音楽を自分ゴト化するまでの経路をフレームワーク化したもので、
ソーシャルグラフ、インタレストグラフ、ミュージックグラフと共に語られる1つの経路です。
4つのグラフをまとめあげつなぎ合わせるクワトログラフという考え方もあります。
ソーシャルグラフ、インタレストグラフ、ミュージックグラフと共に語られる1つの経路です。
4つのグラフをまとめあげつなぎ合わせるクワトログラフという考え方もあります。
■音楽からキャンペーンを知る
今回のドコモのCMで流れる楽曲、はAKB48の「GIVE ME FIVE!」は卒業をテーマにした曲です。
これからの卒業シーズンにakb48の曲はほぼ間違いなく話題となり、様々な卒業シーンで流れ、
多くのカラオケで歌われ、それを聞いた学生は、いつしか楽曲を自分ゴト化し、楽曲からCMを通して
今回のドコモのキャンペーンを知るという、リレーショングラフを形成できるのではないかと考えます。
これは学生の卒業シーズン、新しいことを始めようというインサイトに合致し、
新しい携帯に買い換えようという学生層の開拓へと繋がるとも考えられます。
■映画からキャンペーンを知る
また、ドコモのキャンペーンのCMにはもう一つのリレーションが仕組まれているものがあると思います。それは、1/27に公開される映画「DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on少女たちは傷つきながら、夢を見る」です。
この映画では光り輝くAKB48の表舞台と同時に、舞台裏に隠された影の部分にもスポットを当て、彼女たちの光と影をドキュメンタリー形式でまとめた映画です。
多くのAKBファンがこの映画を見に行くことでしょう。(僕も見ますよ)
docomoのキャンペーンのCMは前田敦子が6年前の(売れる前の)舞台裏で泣く自分を応援するという内容です。
このCMは舞台裏や影の部分にフォーカスすることで、前出の映画との関係を強く感じるのではないでしょうか。
映画を見た人が、このCMを見たとき、リレーションが構築され、キャンペーンを知るきっかけになるのではないかと
考えます。
■アニメから音楽を知り、キャンペーンを知る
僕が最も驚いたリレーショングラフはこれです。キャンペーンで使われている楽曲「GIVE ME FIVE!」は
実はAKB48のメンバーが楽器を演奏する曲なのです。
ちょっとアニメ好きの人なら嫌でも反応してしまいますよね。
そうです、「けいおん!」です。
コアなけいおん!ファンの方々は「パクるな!」と怒っててしまうかもしれません。
しかし、ライトなけいおん!ファンは、このAKB48バンド(BabyBlossomというバンド名らしいです)に対して
むしろ興味を持ってしまうのではないでしょうか。
正直、これは今を輝くAKB48だから使える荒業のリレーションとも言えます。
もし他のアイドルがバンドを急に組んだら、完全に便乗という軸でしか見られないかもしれません。
しかし、多忙を極め、すでに売れているAKB48がバンドを組むとなった場合、
それはエンターテインメントのシナジーを生み、肯定的に捉えられることもあるのではないでしょうか。
少なくともどんな演奏をするのか、それが良くても悪くても「けいおん!」と比較され、
アニメから音楽を知り、キャンペーンを知るリレーショングラフが形成されます。
■リレーションを計算する
リレーショングラフという間接的な話題の種はソーシャルメディア時代において、
様々な形で共有され、様々なコミュニティに波及し、多くのリーチを獲得します。
今後、AKB48のプロモーションに限らず、商材やタイアップコンテンツの周りに
どのようなリレーションがあるのかを把握し、これらをどれだけ巻き込むことができるかで、
ソーシャル上での波及力を高めたプロモーション、キャンペーンを作ることが求められるのではないでしょうか。