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野球というスポーツは「微分積分」そのもの ~内野手編~
理系博士研究者の一人が考えるビジネスマインドと実践例
野球というスポーツは「微分積分」そのもの ~内野手編~
ポスドク&非常勤講師生活を経て、私立大学の教育・研究職に従事する一方でポスドク時代に不動産投資を開始。職場の行き帰りの生活だけでは極めて危ういことを知るに至り、現在は会社・社会・国に過度に依存しない生き方を少しずつ実践中。
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微分積分も色々と書きすぎているかもしれませんが、
これでもか、これでもか というくらい書きたいと思います(笑)。
というのも、前にも書きましたけれど、数学や科学というものは、
とかく、専門家や一部の興味のある人だけのもの?
という認識が多いのではと常々感じております。
実際はそうではないので、それを示すためにも、
できるだけ身近な例を多く書ければと思っております。
少し前に、ピッチャーの投げる球についての話をさせていただきました。
【ぽんち絵 & 事例で知る】・野球で体感する微分積分 ~変化球はなぜ打ちにくいか?~
その際に、球筋を読むのには、二階微分とご指摘くださった方がいらっしゃいました。
ありがとうございます。まさしく、そう思います。
ただ、微分積分思考法という意味では、ちょっと難しくなりすぎるかと思い、自重しておりました。
それと、プロの選手であれば、そこまでできるでしょうが、
カーブを見たこともないアマチュアであれば、
最初に体が浮き上がってしまう時点で勝負ありですね。
さて今回は、内野手編です。
例えば、バッターが、ショートゴロを打った場面を想定しましょう。
ショートの守備についている選手(遊撃手)は、
球を取って、一塁へ送球し、
ランナーが一塁を駆け抜けるよりも先に、一塁手が球を取れば、
アウトになりますよね。
平凡なショートゴロなら、バッターランナーがイチロー選手であったとしても、
アウトにすることができるでしょう。
ところが、打球がぼてぼてだったり、三遊間の深いところに打球が飛んだ場合は
どうでしょうか?
打球を取ってから、一塁へ投げたところで、間に合わないかもしれません。
もしくは、明らかに間に合わないようであれば、最初から、一塁へ投げることすら
あきらめてしまってもいい というわけです。
実は、このあきらめが結構大切で、捕球した位置、態勢を考え、更に切迫した状況であることを考慮すると、通常より、悪送球になる可能性が高くなります。
エラーって、捕球ミスが大半かと思われるかもしれませんが、
実は、送球のミスというのも実に多いのです。
ここでは、ランナーの微分積分と 守備の微分積分の 2つが登場します。
争うのは、
「ランナーが一塁を駆け抜ける時刻」 と
「一塁手が遊撃手からの送球を受け取る時刻」
の どちらが早いか です。
つまり、ランナーが一塁に到達するのにかかる時間は、
ランナーの走る速度(微分) と 本塁から一塁までの距離(積分)で、決まります。
一方、守備の方は、まず、打球が飛んできて、捕球するまでにかかる時間 が
初めに加算されます。 この点が、ランナーよりも不利です。
この時点で、既に、バッターランナーは、本塁と一塁の間の途中にいるはずです。
これが、微分積分の用語で出てくる「初期値」に相当します。
この「初期値」が、守備側に重く伸し掛かってきます(つづく)