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女性の見る目は !?  ~ 出川哲朗 vs. 福山雅治 ~

女性の見る目は !?  ~ 出川哲朗 vs. 福山雅治 ~

永松 和洋

ポスドク&非常勤講師生活を経て、私立大学の教育・研究職に従事する一方でポスドク時代に不動産投資を開始。職場の行き帰りの生活だけでは極めて危ういことを知るに至り、現在は会社・社会・国に過度に依存しない生き方を少しずつ実践中。

当ブログ「理系博士研究者の一人が考えるビジネスマインドと実践例」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/nagamatsu/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


女性の見る目は !?  ~ 出川哲朗 vs. 福山雅治 ~

・森永卓郎さんの興味深いお話

何ヶ月か前のことです。著名な経済学者の皆さん数名で構成される講演会に出かけました。その中に、森永卓郎さんの講演もありまして、このようなお話をされていました。

以前に、「究極の選択」が流行っていたと思いますが、そんな内容に近いと思われる方もいるかもしれません。ネットで調べると、今回の内容もいくつか出ているようですので、ご存知の方もいらっしゃるかと思います。

 森永さんが、獨協大学で、学生に質問したそうです。

年収1200万円の出川哲郎 と 年収120万円の福山雅治
どっちと結婚したい?」

もちろん、女子学生に対してですが、さて、どちらを選ぶ学生さんが多かったか?
結果はブログの最後に(笑)。

・学生と社会人の急激な価値観の変化

学校を卒業して、社会人になると、急激な価値観の変化に襲われたように思います。
学校にいる間は、成績が優秀な人、スポーツが得な人、足の速い人、なんかが目立っていて、とりあえず、学校なので、試験の点数という指標に価値を見出していたように思います。

ところが、社会に出ると、とたんに、銭儲けの話になってしまいますね。大学の友人に久々にあったりして、飲みにいくと、給料の話がでないことはまずないように思います。特に、今のご時世だと、ボーナスが出たとか出ないという話でついつい盛り上がってしまいそうです。

・給料格差

修士より上に進学(博士後期課程)した場合、大学の研究室の一歩外に出ると、同級生は無論ほとんどが社会人なわけです。博士後期課程3年(D3)にもなれば、学部卒ですぐに社会人になった同級生は、もう、社会に出てから5年も経ちます。
30歳でポスドクをやっていたりすると、学部卒の同級生は、社会人バリバリで、かなりの高給取りも珍しくはなく、給料格差は、何倍(2倍や3倍に収まらない場合も)になっていることもよくあります。

ポスドクという職業はそれ単体では成立しませんね。

例えば、パン屋さん、八百屋さん、魚屋さん、みんな、単体で商売として成立しています。ですが、ポスドク屋さんって、何売るの?って感じです。
どこかに所属してその中での「未来への投資」と言う形で組織にぶら下がる形でしか存在しえません。なので、たとえ薄給であっても、もらえるだけでもありがたい という考え方も成り立ちます。

私の場合も実際に、某証券会社に就職した学生時代の友人は、30歳前後で、大台を越えたと言っていました。正直、自分は一体、何をやっているんだという気になったとしても何の不思議もありませんね。

・社会全体がポスドク制度に収束?

ポスドクという立場にいると、価値観に限らず、学生と社会人との不連続性に気がつきやすいようにも思います。中々就職口が新卒でも見つかりにくい今、この不連続性にいち早く気がつき、学生のうちからも何かできることをやってみるのがよいようにも思えてしまいます。

以前に、
初任給から始まる不幸 ~サラリーマンに会社の本質は見えにくい~
というタイトルのブログをかかせていただきました。

近い将来(というか今も既に?)、一般の社会人にも、このポスドク制度のような、一種の見習い期間(給料をもらえるとは限らない。むしろ、払う?)が慣習化するかもしれません。すでに、正社員になる前に、肩書きが異なっている場合(正社員ではない)も多いと思いますが、その後の待遇は、ポスドクほどシビアではないように感じます。

ところが、徐々に、ポスドク寄りに収束することも予想されます。というか、今までが、むしろおかしくて、徐々に正常化に向かっているとも言えるでしょう。

・森永さんの質問に対する学生の反応

ようやく、森永さんの学生への問いかけの結果に移りたいと思います。

出川哲郎さんを選んだ学生さんが6割で、福山雅治さんを選んだのが4割だったそうです。ただ、年収の額にも依存するようにも思います。

森永さんが 「そんな若い頃から夢がないようではダメじゃないか!」 と言うと、
学生さんの方から、「先生! そんな爪に火をともすような生活を長い間つづけられるわけないでしょ!」 と反撃を食らったそうです。
背に腹はかえられない ということでしょうか。

・安定した職業なんてあるの?

就職口としての会社の来性も、結婚相手としても異性の将来性も、中々見極めるのは難しいということですね。なので、現時点での状況で判断してしまいがちです。

テレビ等での報道で、結婚相手に求めること、として、上位?に入る項目に、「職業(収入)の安定性」 があると思います。ただ、今の時代、安定した職業なんて、ないんですよ、きっと。

なので、安定は、誰か(会社)から与えてもらうのでなくて、
自分で作るしかないのだと思います。