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PDCAサイクルと不動産投資、失敗という成功・成功という挫折

PDCAサイクルと不動産投資、失敗という成功・成功という挫折

永松 和洋

ポスドク&非常勤講師生活を経て、私立大学の教育・研究職に従事する一方でポスドク時代に不動産投資を開始。職場の行き帰りの生活だけでは極めて危ういことを知るに至り、現在は会社・社会・国に過度に依存しない生き方を少しずつ実践中。

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PDCAサイクルと不動産投資、失敗という成功・成功という挫折

1ヶ月ほど前、『今年のトレンドは「誠ブログ」、を拡大解釈すると』というタイトルのブログを書きました。

その中で、PDCAサイクル(文末参照)の話を最後の方で少し書かせていただきましたが、どうもPが最初というのはしっくりこないのではと思っておりました。

何か新しいことを始めようとする時には、リスクがもれなく付いてきますので、Pが最初に来て、リスクの大きさが見えてきてしまったり、既存の知識、誰かから植え付けられた知恵ばかりが先行してしまうと、中々Dのプロセスに移行しにくくなるのではと思っているからです。

【赤ん坊はDが最初】

なので、リスクを取れる範囲でとりあえず、Dから始めるというのが手っ取り早いという考えから、DCAPの方が合っているではと考えています。

考えてみれば、人間としての最初がPであるはずがありません。赤ん坊が生まれて、いきなり、Pを何か持っていて、それに基づいて行動するわけでは決してありません。Dが最初です。ご両親にPがあったかどうかもあやしいですね(笑)。

おいしそうなキノコが森の中に生えていたとして、毒キノコかどうか全くわかりません。とりあえず食べてみて、痛い目に遭った方がいるからこそ、毒キノコかどうかがわかるのです。これもDが最初です。

研究の世界も大型の実験装置を想定していたとしても、最初はプロトタイプを作って、こぢんまりと実験してみて、失敗を重ね、うまくいくことがわかれば、より大きいものを作るという過程を経ます。これもDが先行です。

Pがあったとしても、pは小文字で、pDCAくらいがいいところです。しかも、Pというは、ある意味結果がわかっていればこそ持つことのできるものであり、Pはそんな簡単なものではないと考えています。

何年か前に、不動産投資のセミナーに行った時のことです。自分の後ろの席からこんな声が聞こえてきました。

【どれを信じたらいいのかわからないよねー】

不動産投資も色々とやり方があります。例えば、

  • 区分か一棟ものか
  • 一棟ものなら、木造かS造(鉄骨)かRC(鉄筋コンクリート)か
  • 集合住宅よりも戸建か?
上記のタイトルは、最初にどれに手を出したらいいのかがわからないという声でした。つまり、Pが先行してしまうと、Dに中々移行できないという事態に陥りやすいと思っています。
なので、とりあえずやってみるという姿勢が大事なのではと思っております。

先日もブログで取り上げましたように、リスクを取る姿勢が大切で、リスクを取ろうとしている以上、どれほどのリスクかなんていうことはある程度想定はできても、実際のところはやってみなくてはわからないことが多いわけです。

そうすると失敗も沢山することになりますので、これからの時代は以前に書いたブログのように『「失敗が悪」から「失敗しないが悪?」』という流れが加速していくという、非常に良い時代の到来といえるのではないでしょうか。

【失敗からは学べるが、成功からは学べない?】

逆に、何か新しいことをしていて、なまじうまくいっていると非常に気味が悪いです。何か見落としていることがあるのではないかと。たまたまうまくいってしまい、規模を大きくしてから失敗すると、そっちの方が問題です。なので、とにかくDが先行でPは後から付いてくるくらいで丁度よいかもしれません。PDCAと同じような言葉でトライ&エラーという言葉もありますが、この言葉の中身には、DCAが含まれていますが、Pはあまり見えてきません。

最初からPを追い求めると、そのPに縛られてしまい、可能性の目を積んでしまうこともありえます。むしろ、可能性という意味では、そっちの確率の方がはるかに大きい気もします。

卯年にちなんで、まずは、(何も考えずに?)ピョンと跳ねてみて、そこからわかることを学んだ方がよさそうです。

【結局のところ、PDCAサイクルの適用範囲】

ただ、そもそもがPDCAサイクルというのは、ウィキペディアで調べてみると、「事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の1つ」と書かれていますので、「新しいこと」に対しては適用範囲外というだけの話かもしれません。

(脚注)
簡単なおさらいですが、ネットの至るところに落ちているものを引用すると、PDCAサイクルというのは、

  1. P(Plan):計画
  2. D(Do):実行・実践
  3. C(Check):評価
  4. A(Act):改善
の4つを回すというものです。