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放射線被曝(ひばく)のリスクについて(報道で得られる原発の情報を元に)

放射線被曝(ひばく)のリスクについて(報道で得られる原発の情報を元に)

永松 和洋

ポスドク&非常勤講師生活を経て、私立大学の教育・研究職に従事する一方でポスドク時代に不動産投資を開始。職場の行き帰りの生活だけでは極めて危ういことを知るに至り、現在は会社・社会・国に過度に依存しない生き方を少しずつ実践中。

当ブログ「理系博士研究者の一人が考えるビジネスマインドと実践例」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/nagamatsu/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。



NHK等の報道で出てくる数字が、発電所の敷地境界で1015 μSv/h(マイクロ・シーベルト)という測定データです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110312-00000147-jij-soci

全身被曝の場合、 1015 μSv/h を仮に10時間被曝しても、がんで死ぬ確率は、0.1%程度です。 広島・長崎のデータが元になっています。
例えば、http://www.rerf.or.jp/radefx/late/cancrisk.html などに関連情報がでております。

これはあくまで、オーダー(ケタ)で、数字は年齢と性別に依存します。
但し、自然に生きていてもガンになります。ガンで死ぬ確率は30%くらいあります。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai07/toukei6.html
サイトによっては、50%という数字もあるようですが、いずれにしても、この30%という数字に0.1%が付加されるだけです。

テレビ等での情報によると、上記の1015という数字は小さくなっているようですし、その場にいるわけではなく、遠く離れたところにいるわけですから、うんと小さくなるでしょう。

更に、直ちにガンになって死ぬわけではないので、リスクはより小さいということです。

例えば、こんな数字と比較してみます。

交通事故の死者数が最近のデータでは、5000人/年 程度なので、
http://www.stat.go.jp/data/nihon/g6126.htm

仮に、人生80年とすれば、40万人となり、1億人で割り算すると、交通事故で死ぬ確率は、0.4%で、上のケースの放射線被曝よりも高い数字が出てきます。

つまり、この場合上記の放射線被曝で死ぬ確率より、交通事故で死ぬ確率の方が高いということです。
被曝線量が増えれば、勿論、事情は変わってきます。

安全か?危険か?という単純な議論で説明できる事象は極めて少ないです。必ず数字を使って、定量的に評価することが肝要です。正しく怖がるということです。

以前に書かせていただいたブログの通りです。
http://blogs.bizmakoto.jp/nagamatsu/entry/1280.html

例えば、航空機の事故、放射線の事故というのは、1度の規模が大きく目立つので、必要以上に危険!というイメージが付きやすいのは事実です。

ただ我々は、それらから多くの恩恵を受けているのも事実です。要はそのバランスなのです。自動車も危険と言えば危険です。ですが、その恩恵から危険な要素があるとしても完全廃止とはならないわけです。但し、今後、原発について対策が議論される必要は勿論あると思います。

現状において、今後、注視すべき点は、放射線被曝線量のレベルが増えないかという点です。また、放射性物質が空気中に飛散したのであれば、それも心配です。そのための手段が、前のブログで書かせていただいたことです。
http://blogs.bizmakoto.jp/nagamatsu/entry/2124.html