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~経営者に向けて~新卒採用成功のための面接 3つのポイント

~経営者に向けて~新卒採用成功のための面接 3つのポイント

中尾 英明

クレスコ株式会社代表取締役。大手総合人材サービス会社、採用コンサルティング・アウトソーシング会社(3社)の取締役を経て2009年4月、クレスコ株式会社を設立、代表取締役に就任。

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面接をいかに効果的に正しく行えるか、ということが、課題になっている会社が大変多いのが実情です。
私は会社を経営する傍ら、これまで採用の"現場"を見て、様々なアドバイスを行ってきました。アドバイスだけではなく、
自らも採用実務者として多くの企業を支えてきました。
また、学生のビジネススクールの運営にも関わっており、最近の学生の生の声にもたくさん触れています。
そういった経験も踏まえ、前回の「こうすれば成功する会社説明会」に続き、今回は面接をいかに効果的に行うかについて
「~経営者に向けて~新卒採用成功のための面接 3つのポイント」をテーマに述べさせていただきます。

1.面接官によってバラバラな評価

面接とは通常「求める人材」を定義し、学生がその素養を持っているかを知っていくことが目的になります。
例えば、「主体性があり、リーダーシップのとれる人材」ということでしたら、過去の経験をいくつか聞きながら、
その経験の「規模」、「どう思いながらやっていたのか=思考」、「どこを重要視していたのか=視点」、
「会社に入っても発揮出来るか=再現性」、などを見ていくという方法です。
当然、上辺だけの話ではなく、本音や具体性を聞き出すことが必要ですから、いかにそれを上手く引き出せるかが重要です。

上記はあくまで一例ですが、その他いくつかの見るべき項目を複数の選考ステップを通して、自社の求める人材を探していく訳です。
通常、面接官は様々な視点が必要ですから、人事部だけでなく、他部署の社員、部長や役員といった、通常、人事に関わっていない方にも
面接に関わってもらうケースが出てきます。

多くの社員に関わってもらった際に問題になるのが、面接が持つ本来の趣旨からはずれた形で評価が行われてしまうことです。
例えば、営業部長に面接をお願いしたものの、時間内に必要な情報があまり得られず、雰囲気で評価されてしまうケースがあります。

また学生が話をするより、面接官自身の話を多くしてしまい、学生はしっかり聞いてくれたからといって、評価を高くしてしまうといったケースもあります。

もちろん人事部からは一定の説明があるものの、実際には我流で行ってしまうケースが大半、というのが現状ではないでしょうか。

その結果、面接官によって評価にバラツキがあり、結果、正しい評価ができないということに繋がります。
これは多くの会社が抱える問題で、その結果、求める人材の不採用、求めない人材の採用という結果にも繋っていく訳です。

2.経営陣を巻き込んだ面接官トレーニングを

ではどのようにこの問題に取り組んでいくべきでしょうか。
私からはこれまでの経験をもとに3つのポイントを挙げさせて頂きます。

まず1点目は人事部のほうで面接官が聞く質問の項目までしっかりと用意するということです。
評価する項目を用意される会社はほとんどだと思いますが、質問も合わせて用意した方が経験上、バラツキが少なくなります。
その際、各質問が求める人材の中でどれを見る為の質問であるかを面接官に対して、明確にし、そのポイントをきちんと引き出せているかを
事前練習含めて、しっかりと準備する必要があります。

2点目は面接官トレーニングです。
かつトレーニングは経営陣を巻き込んだ形をお勧めします。なぜ経営陣を巻き込むかと言いますと、上記であげた営業部長の例のように、実は面接を
我流で行う方の多くは仕事歴が長い方に多い傾向である為です。

ですから、そのような方にも面接の意義を再度理解して頂き、しっかり取り組んで頂くには経営陣から巻き込んでいくことがポイントになります。
具体的な内容としては1点目であげた評価や質問の意図を理解してもらうことはもちろんですが、(もちろん、全員ではありませんが)年配の方に
見られる学生に対するやや横柄な態度なども改善していくことも重要です。
面接後の学生に第3者としての立場でその会社の印象を聞くと、表向きは当たり障りの無い印象をあげようとしますが、
実は「役員の方の態度が自分に合わなかった」というケースが意外に多く見られます。
今後は見る側と同時に見られている側の意識を強く持ち、企業、学生が共にフラットであるという認識がより重要だと思います。
面接は経験がものを言うことは言うまでもありませんから、上記をスタートとし、経験を積んでいただき、より良い精度の高い面接を目指して頂きたいと思います。

3.面接のもう1つの大きな役割

3点目のポイントは、面接時の『刷り込み』です。刷り込みというと悪い言葉だと思われてしまうかもしれませんが、新卒採用の場合、
特に学生は業界・企業に対する情報をほとんど持ち合わせていませんので、業界や会社の成長性や魅力、働いているメンバー、働くことの意義など、
様々な情報を会社説明会だけではなく、面接時にこちらより伝えていくことが非常に重要になります。
面接時、私は4割は刷り込みの時間に使い、6割は情報を引き出すことを目安にしていますが、皆さんはいかがでしょうか。
まずは刷り込みの必要性をご理解いただき、どの選考ステップでどのような情報発信をしていくべきか、まとめて頂き、情報共有をなさるべきだと思います。

4.採用戦略を実行する為に必要な採用担当者のマネジメント

またこれは日々私が感じていることですが、面接のアクションを始め、採用成功に向けた準備を実行していく上で、経営から人事部自体のマネジメントを
これまで以上にしっかりとやっていくことが必要だと思います。
上記で述べさせていただいた点は皆さん、総論としてはご理解頂けると思いますが、では、実際に出来ているかと言うと多くの企業ではなかなか出来ていないのが、
現状ではないでしょうか。

特に中小企業では、経営者が採用担当者をつけて、任せっぱなし、というケースも多く見られます。
また人事に優秀な人材を配置できていないケースも多く見られ、言い方は良くないのですが、営業で成果があがらない人材を採用担当者に
回してしまったりしているケースも散見されます。
そういった環境の中で、成果を出すのは非常に困難と言わざるを得ません。

ですから、経営層の方は採用に自らも向き合い、採用担当者と一緒に試行錯誤しながら、作り上げていくという意識が非常に重要です。
その意識を持って、やるべきことをしっかりとマネジメントしていくことが、採用活動を成功させるために大変重要です。

以上、何かのご参考になれば、幸いです。