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15新卒採用~内定辞退を防ぐ為にやるべきこと~

15新卒採用~内定辞退を防ぐ為にやるべきこと~

中尾 英明

クレスコ株式会社代表取締役。大手総合人材サービス会社、採用コンサルティング・アウトソーシング会社(3社)の取締役を経て2009年4月、クレスコ株式会社を設立、代表取締役に就任。

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多くの企業で内定出しも終わった頃かと思います。
中には残念なことに内定を辞退されて、追加募集しているといった企業もあるかもしれません。

人事担当者にとって内定辞退は頭の痛い問題です。
『内定辞退で「人事が罵倒」は実在する「お前なめてんのか」「謝りに来たら骨折させる」』
といった記事もありました。

これは極端な事例ですが、採用コンサルタントとして、採用活動中の採用担当者の苦労を知っているだけに、その気持ちは
わからないでもありません。

内定辞退を防ぐには内定者フォローが不可欠です。
そのあたりは以前、『意味のある内定者フォロー~4つのポイント~』
http://cresco-inc.com/blog/article/2013.04.07/90.html
でご紹介させていただきました。

そこで今回は、内定辞退を防ぐ為に更に具体的な施策についてお伝えしたいと思います。

1.学生が貴社に対するすべての疑問点をほぼクリアにした上で内定出しが出来ているか。

学生の多くは業界研究や企業研究をして、自分の中である程度志望順位を設けて、就活に臨みます。
しかし、個社毎の具体的な志望動機は就活をしていく中で形成されていきます。
「会社説明会が一方的な説明だけではなく、とてもわかりやすかった」
「説明会での多くの先輩の話を聞くことが出来て、仕事の具体的なイメージが湧いた」
といった企業に対しては、企業理解が深まり、必然的に志望の度合いが上がっていきます。
採用プロセスの中で、学生に企業や仕事内容を様々な工夫をして理解させ、内定出しの段階で
疑問などを限りなくゼロにするようにしていくことが重要だと思います。
内定辞退が多いという企業は、内定後フォローの徹底はもとより、会社説明会の内容や面接の仕方など、
採用プロセスの見直しをお勧めします。

2.内定者と関係が切れないようにする。

内定を出してから内定式、入社式までは時間が空きます。
その間、何も連絡等をしなければ内定者は不安を感じて逃げて行きます。
それを防ぐ為に定期的にメールや社内報を送るなど、関係が切れないようにすることです。
しかし、(何もしないよりはマシですが)ただ送ればいいというのではありません。
大切にしなければならないことは「いかにして会社を理解させるか」です。
社内報を送るのはその為ですし、その他、忘年会や新年会といった会社のイベント参加というのもあります。
また、内定者研修の一環として、会議同席や営業同行させるという方法もあります。
これは「仕事の理解促進」が目的です。

しかし、何よりも大事なのは「同期意識の醸成」です。
同期の間に理解や信頼が生まれることは内定学生の安心に繋がります。
内定者懇談会や内定者間・人事等のSNSやブログ等を通して、同期の信頼関係を構築していくのです。
同期同士で「会社」や「仕事」の話をすることで、更にその理解が進んでいきます。

3.内定者の不安を解消する。

これから社会に出ようとする学生が、不安な気持ちを抱くのは当たり前のことです。
内定者の不安をいかに解消できるかが、内定辞退防止につながると言っても過言ではありません。
ある学生は「2つの企業から内定をもらい悩んでいた時に人事担当者が自分の企業を勧めるのではなく、親身に相談に乗ってくれました。
これで不安な気持ちがスッと消え、この会社ならと思い、入社を決めました」と言っています。
もちろん色々なケースがありますが、なるべく不安感を減らし納得度を上げることが大切なのです。
そのためには、リクルーターと定期的に接触させてタイムリーに悩みを聞いたり、社員のよる寄せ書きを送付したりするなど、
内定者の気持ちに沿ったフォローがポイントになります。
内定者だけでなく、(ケースバイケースですが)その保護者向けの会社説明会を開いたり、親御さん向け、先生向けに挨拶状を
送付したりすることも効果があります。

内定辞退防止の本質は
「内定者フォローを通じて、会社に対する不安を無くし、納得度を上げる」
ことですが、実はそもそも採用プロセスの段階で限りなく御社を理解させた上で内定出しをしているかも重要です。
内定出しが企業側の自己満足に陥ってはいけないと思います。

学生の気持ちをしっかりと考えた採用活動&内定者フォローが、内定辞退防止の最良な施策だと思います。
ここまで過保護に内定者フォローをする必要があるのか、といったご意見があるのも承知していますし、
同じ経営者としてそれらのご意見に共感出来る部分も多々あるのですが、景況感の高まりと共に16新卒採用は企業側にとって
かなり厳しいものになることが予想されます。
一度、採用プロセス全体の再確認も含め、是非、貴社に合った「本質を抑えた内定辞退防止活動」に取り組んでみてください。

以上、何かのご参考になれば幸いです。