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圧迫面接は面接手法の一つ

圧迫面接は面接手法の一つ

中尾 英明

クレスコ株式会社代表取締役。大手総合人材サービス会社、採用コンサルティング・アウトソーシング会社(3社)の取締役を経て2009年4月、クレスコ株式会社を設立、代表取締役に就任。

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圧迫面接とは、面接で面接者に対してあえて意地悪な質問や受験者の意見を否定するようなことを言って
それに対する対応を見る面接手法です。

アメリカ企業において実施された手法が、日本でも取り入れられるようになりました。
導入当初は特に問題などはありませんでしたが、バブル崩壊後の景気悪化で多くの企業が新卒採用を絞り込む必要に迫られ、
学生を落とすことを目的に圧泊面接を行う企業も出てきました。

それが就職ノウハウ本などでも取り上げるようになり、一部の学生の間では、圧迫面接を行う企業=ブラック企業という言い方に
なっているようです。

確かに圧迫面接を多用して学生をふるいにかけている企業もありますが、それはほんの一握りだと思います。

圧迫面接がNGだと言われるのはその使い方や聞き方に問題がある為、NGとなる訳で、圧迫面接そのものは面接手法の一つなのです。

そこで今回は圧迫面接の正しい活用の仕方を考えていきたいと思います。

圧迫面接はストレス耐性や論理的思考を判断する手段の一つ

圧迫面接は「圧迫」という文字面から良くない面接手法だと思われがちですが、面接者をあえて緊張状態や頭が真っ白な状態に
することで、ストレス耐性やそういった中でもいかにして論理的思考を保つことが出来るかを判断する手段の一つです。

就職ノウハウ本などで事前準備して教科書的な模範解答をする学生の本音を見るための手段であり、きちんと使えばとても有効な
面接手法だと思います。

仕事上、不特定多数のお客様や取引先と応対する営業職などはお客様の要望やクレームにある程度その場できちんと対処できる
素養があるかどうかを見る必要があります。
ちょっと否定的なことを言われて頭が真っ白で何も言えなくなったり、逆ギレしてしまったりでは困るからです。

圧迫面接は頭が真っ白になった状態からいかにリカバリーして自分の意見を述べられるかといったストレス耐性や論理的思考を見る為に
使われることが多いです。

多用すると学生、企業の双方にマイナス

よく面接はお見合いと同じだと言われます。お見合いで相手に興味を持ったら、いろいろと質問して相手を知ろうと思うのは当然のことです。
ただ、知りたいからといって闇雲に「なんで」「なんで」と畳みかけると相手も委縮してしまいます、それだけで圧迫面接と感じる学生もいます。

また、同じことを聞くにしても聞き方に一工夫あるべきだと思います。

教科書通りの受け答えばかりで面接官からすると正直、面白くないと感じた時に「君の話はつまらないね」と言ってしまえば、ここから先、
学生が話にくい雰囲気を作ってしまうことになります。
これも圧迫面接だと感じる学生もいることでしょう。
ので、そういう言い方ではなく、例えば「もう少し自分なりの表現や言葉で語ってください」と言えば、学生もこちらが求めているものが
ある程度わかるはずです。

就職ノウハウ本などでは「君がこの会社に入ることによって私たちにはどんな得があるのかなぁ?」も圧迫面接の1つだと言われています。
しかし、これは企業としては当然聞くべきこと、聞きたいことだと思います。

というよりも、就職活動は「私を採用していただければ貴社にも私にもメリットがあります」ということアピールしていく場です。
それが質問の仕方一つで圧迫面接と扱われるのです。

要は圧迫面接か否かは学生の受け取り方次第、という側面が大きく、同じことを聞くのでも聞き方を変えるだけでその印象が大きく変わります。

その辺をあまり深く考えずにただ圧迫面接を多用するのはSNS等、情報拡散のスピードが速い昨今、得策ではありません。

ちょっとした誤解から学生、企業の双方が不幸になってしまう可能性があります。

圧迫面接の効果的な活用法

面接官一人が次から次へと圧迫面接的な質問ばかりするのはあまり感心しませんが、1次面接、2次面接と面接を進めるたび毎に
圧迫面接をし続けるのも避けた方がいいと思います。

そのためには、面接官同士の中で、1次面接はコミュニケーション能力をしっかり判断する場、2次面接の最後でストレス耐性を見る場、といった具合に
面接で見るべきポイントやそれを見る為の質問内容を事前に共有しておくことがとても重要です。

で、その中に圧迫面接を取り入れる場合は圧迫面接で「何が聞きたいのか」「どういう聞き方をするのか」を事前に整理しておくことをお勧めします。

就職氷河期と言われた頃から、一部では「圧迫面接」は悪い面接の典型のような言われ方をされていますが、きちんとした判断基準と理由を持って、
適切に使うことで、学生の本音がわかり、結果、学生、企業の双方を良い結果へと導いていくものだと思います。

以上、何かのご参考になれば幸いです。

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