誠ブログは2015年4月6日に「オルタナティブ・ブログ」になりました。
各ブロガーの新規エントリーは「オルタナティブ・ブログ」でご覧ください。

手段と目的の狭間で

手段と目的の狭間で

島田 徹

株式会社プラムザ 代表取締役社長。システムコンサルタント。1998年に28歳で起業し、現在も現役のシステムエンジニア、コンサルトとして、ものづくりの第一線で活躍しつつ、開発現場のチームとそのリーダーのあり方を研究し続けている。

当ブログ「そろそろ脳内ビジネスの話をしようか」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/noubiz/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。



手段と目的を履き違えるな、という人はとても多いです。

私もそれを常に意識していて、たとえばITは、何かの定形連続作業を高速化したり、伝達の不合理や遅延を解決するため、過去データの誤謬無き参照のために採用されるべきものであって、もしITを使わなくてもそれが解決できるのであれば、それでもよい、ということになります。

私はよくお客さんに「それって変にシステム化するより、運用に任せた方がよくないですか?」と言ったりします。

手段をごり押しするのは、作る側にとってのメリットしか生まず、メリットが偏るとお客さんとのよい関係が長続きしない、というのを長年の経験で分かっているからです。

ただ、どうもその判断方法では乗り越えられない壁というのがある、ということを最近懇意にさせてもらっているベンチャー企業の社長さんから教えていただきました。

いや、別に言葉で教えていただいたのではなく、傍で見ていてそう思ったのですが。

私自身、まだ迷いのあるところですので、うまく説明できるかどうか。。


たとえば、あなたが今大学進学を目指す偏差値60の高校生だったとして、今からもうちょっと頑張って早慶に入れるくらい学力をつけるのか、はたまた、まあ入れる相応のところでいいじゃないかと思うか、よくある人生の分岐点に居るとします。

このとき、「手段と目的を履き違えるな」という思考回路を働かせると、それは得てして自分を楽な方に導くことがあります。

大学進学が人生の目的というわけではない。とりあえず無理せず入れるところに入って、そこから何か資格を取ってもいいし、海外に留学してもいい。ここからがむしゃらにやってこの青春の大事な時間を失う方がデメリットが大きいのではないか?それで結局失敗したら目も当てられないぞ。

みたいな。

この発想は、一見正しく、合理的判断をする人でもやりがちなのですが、ただこれを続けていると「今できることしかできない」という状況になりがちです。

いい大学に入ることは確かに人生の目的たり得ないかも知れませんが、直感で、いい大学に入っている方がいい人生が歩めそう、と思えば、それを目的に据え置いてもいいのではないでしょうか?

直感じゃなくファクトによるべきという人もいるでしょうが、現実社会は大学受験と違って、先人が居ないことが多く、よくわからないのです。

誰も2つの人生を歩いてみて、その比較をすることはできませんからね。


システムの開発屋というのは、基本的にチキンな生き物です。ミッションクリティカルなシステムほど悲観主義で設計すべきです。

私ももともと業務システムばかりやってきましたので、経営もずっとチキンで、悲観主義でやって来ましたが、それだと超えられない壁があるということ、もっと大胆に行動すると比較的簡単に超えられる壁があることを、30代の社長に教えてもらいました。

もちろん、人間生まれながらにしての性格というものがあるので、突然真似してもうまくいかないことがあります。

ただ、意識として、今持っているものを足がかりにして安全に次のステップを踏むという考え方から、少し離れてみたいと考えるようになりました。

つまり、少なくとも、今用意できる手段で、目的を設定するような癖はよろしくない、ということです。


いや、いろいろ考え中です。にんともかんとも。

追記

◎◎余談ですが、現在プラムザではシステムエンジニア募集しています◎◎