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怖いリーダー

怖いリーダー

島田 徹

株式会社プラムザ 代表取締役社長。システムコンサルタント。1998年に28歳で起業し、現在も現役のシステムエンジニア、コンサルトとして、ものづくりの第一線で活躍しつつ、開発現場のチームとそのリーダーのあり方を研究し続けている。

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組織では、基本的に、トップダウンでの命令伝達がスムーズに、かつ一定の強制力を持って行われなければならないので、チームのリーダーは、いきおい厳しい口調になりがちですが、あまり厳しすぎると、上手く回らなくなってしまいます。

厳しすぎるリーダーの下についた部下は、多くの場合、命令を出来る限り言葉通りに、精確にこなそうとし、木偶の坊的マシンとなりがちです。
そうなると、リーダーは「確かにこうやれって言ったけど、こういう時はこうだろうがっ」とさらに怒ることになり、部下はますます萎縮し、頭は真っ白、何も判断できなくなってしまいます。

一方、普段から自分の頭で考えるクセがついているような有能な部下であれば、どうなるでしょうか。

彼は、「このシチュエーションではこういうことをした方がいいのだろうが、あの怖い上司はなんと言うだろうか?上司が怒らない行動はどういうものだろうか?」とあれこれ思いを巡らします。

そして、時間をかけた上で何とも中途半端な行動を取りがちです。その行動は、自分の純粋な理論から導き出した結論ではないので、それが成功しても失敗しても経験値は0。彼の血肉にはなりません。

これは本人、チーム、および会社にとって大きな損失です。

その怖い上司も、「彼はもっと出来るはずなのに、この程度なのか...?」と落胆したりします。

 

私は、リーダーは時に部下に厳しく言わなければならないシチュエーションはあると思いますが、決して人間が生物的に萎縮するようなレベルまで叱ってはいけないと思います。愛があってもなくても、です。

私たちの業界では、あまり頭ごなしにガーガー怒るタイプの人間は少ないですが、しかし、たとえば、開発チームのリーダーが、部下の書いたプログラムの明らかな不備を突き、「これはどうしてこうなってるんですか?」と、静かに、しかしネチネチ説明させるという時にも同じことが起きます。

目標は、部下を教育して出来るようにすることですので、決して萎縮させてはいけません。