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八千草薫さんの自己アピールが、美しく素晴らしい件
そろそろ脳内ビジネスの話をしようか
八千草薫さんの自己アピールが、美しく素晴らしい件
株式会社プラムザ 代表取締役社長。システムコンサルタント。1998年に28歳で起業し、現在も現役のシステムエンジニア、コンサルトとして、ものづくりの第一線で活躍しつつ、開発現場のチームとそのリーダーのあり方を研究し続けている。
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昨日、なにげなくテレビを見ていたら、仲代達矢さんが八千草薫さんに「鮭団子鍋」を作ってあげるという番組をやっていまして、大変ほほえましく見させていただいたのですが、その中で八千草さんのちょっと注目に値する発言がありましたので、ご紹介します。
この番組ですね。
それは番組の中で、仲代さんが、こんな質問をしたときのことでした。
『八千草さんって...、怒ることってあるんですか...?』
ここで多くの視聴者が、『そりゃ、あるでしょう』と思ったに違い有りません。
私も、当然そう思い、
「でもTV的には『ない』って言うのかな?」
「『ない』って言ったところで、まあ実際はわからないな」
と思いつつ聞いていたところ、彼女の答えはこうでした。
「私ねえ、、。前に映画の撮影の時に、怒らなきゃいけないシーンがあったんですけど...。そこでね、監督さんに言われたんです。『あなた、それで怒ってるの?』って(笑)」
(↑記憶に頼っていますので言い回しは多少違うかも知れません)
この嫌みのない、それでいて完璧な自己アピールを、みなさんはできるでしょうか?
当然私もここまで上手にはできないと思うのですが、本当にすばらしい!と思ってしまいました。
このテクニックは、就職面接でももちろん使えます。というか、主に自己アピールをする場である就職面接では、これが極意に近いと思っています。
私も就職面接などで、「PHP(プログラム言語の一つ)とかできますか?」と質問したりしまして、そうすると、いろいろな自己アピールが返ってくるのですが、
- 「大学の頃から遊びで書いてましたから経験は8年になります。」
- 「前職では、メインがPHPだから大丈夫です。」
- 「自分で所属するサークルのお知らせのCMSとか作ってましたから、一通りできます。」
この手のアピールは、ほとんど胸に刺さりません。それだけであれば、私は「経験なし(か不明)」と捉えます。
しかし、こんなアピールに続けて、
- 「だから友人がみんな私のところに、プログラムを頼んでくるようになっちゃって、困りました」
- 「前職では、後輩のプログラムの指導役をさせられていまして、忙しい時は辛かったです」
- 「卒業後は、メンテできる人がいなくなっちゃって、しょうがないから今でも私が直しているんです」
と、こう言われれば、「ほう...」と身を乗り出します。
もちろん続きの質問をして、具体的にどれくらいのことをやっていた(いる)のか確認しますが、それで一通り破綻無く説明できれば「経験有り」という前提の質問に入っていきます。
まあ、多くの就活支援のサイトなどでも書いてあると思いますが、要は、自分で自分を絶対評価してはダメなのです。
客観的事実によって、相手に「そうだと思わせる」ということが重要です。「私が言っているのではなく、皆が言っている」ということですね。
これも本人が言っているだけですので、まあ信憑性がどれだけ増すかといえば、大差はないのですが、嫌らしい言い方をすれば、謙虚で上品な自己アピールなわけです。
こういうことを言うと、「なんか日本的な面倒くさいテクニックだ」と思われそうですが、面接官は「日本的な常識が通じるかどうか」も見ているのです。
日本市場でサービスを売ろうというのですから、当然そのニーズに合わせた売り方をしないといけませんよね。
一方、私がその手の就活支援サイトを見ていて驚くのが、面接官から「あなたは周りからどんな人だと言われますか?」という質問があるかも知れないので答えを考えておくべき、というアドバイスです。
回答を用意するのがいけないというのではなく、面接官はそんな質問して、いったい何を聞き出そうというのか?がわからないです。
私も就職面接が専門ではないので、何か崇高な狙いがあるのかもしれませんが、そこで、「明るい人」、「知的な人」、「行動力のある人」...。どんなことを言ったところで、もうそれは、謙虚さも何もないではないですか?もはや自分で言ってるだけです。
なら「あなたがどんな人か、自由に自己紹介をお願いします」でいいと思うんですけどね。
いやはや不思議な質問です。
話がずれましたが、八千草薫さんの自己アピールが、美しく素晴らしいというお話でした。嫌みじゃないですよ。