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自分の働きにどれだけの価値があるのか

自分の働きにどれだけの価値があるのか

島田 徹

株式会社プラムザ 代表取締役社長。システムコンサルタント。1998年に28歳で起業し、現在も現役のシステムエンジニア、コンサルトとして、ものづくりの第一線で活躍しつつ、開発現場のチームとそのリーダーのあり方を研究し続けている。

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年が変わったからと言って基本的に目標とか立てない私ではありますが、あまちゃん総集編の録画などを細切れに見ながらフツフツと内なる闘志が湧いてきたりします。

そういえば一昨年、人に社長をやらせようと思って会社を作ったものの、周囲の期待通りしっかり頓挫してしまった事業を、今年は自らやってみたいと思うのですが、さすがに開発案件を3件とか抱えていると手も足も出すことが出来ない状態です。

それでしかたなくエクセル上で計画を立てては、「おお、やっぱこれいけるよ!」なんてニヤニヤしつつ、でも「じゃあいつやるのか!?夏かなあ...」とか思っている口だけ野郎というわけです。


会社を作ろうと思うと、初期段階で必ず考えるのは「事業の採算性分析」あるいは「損益分岐点分析」であり、もう少し分かりやすく言うと「これやると俺の年収いくら増えるのよ?」ということです

これを一般に『捕らぬ狸の皮算用』と言ったりしますが、モチベーションというのはとても大事ですからね。

まず、起業した時点では売上が0円なわけですから、報酬も0円です。

どんなに寝ずに働いても完全なタダ働きです。ここで「おう、0円上等だよ」と思えない人は起業に向いてないですね。

ただもちろん儲かり始めたら後で返してもらうので、役員報酬は月額10万円とか設定しておくのですが、現実には脳内で支給されてタイムラグ0秒で全額会社に貸し付けるので、タダ働きなのは変わりなく、その上源泉所得税だけはきっちり払わないといけないので、あまり高額に設定すると毎月多額のお金が出ていき、喜ぶのは税務署だけです。

事業が頓挫すれば、それまでに架空で受けとったことになっている報酬分だけ所得税を多く支払って「何やってんだオレ」という虚しい結末が待ってます。

ただ、もし間違って、、、いや当然あるべくして売上が立ち始めたら、そこから外部に流出する費用を差し引いて、余ったお金が自分の取り分になるわけです。これまで会社にプールしてあったお金(事業主借入)も返してもらいます。

逆から計算すると、年収300万を稼ごうと思ったら、ミニマムで年商(年の売上)300万円は必要ですが、社屋も車もPCもスマホもなく年商300万はなかなか難しいので、そういった経費をすべて差し引いた営業利益で300万以上を出さなくてはならないので、なかなか大変です。

今回私がやろうとしているのは、プログラムのお仕事ではないですが、もし開発系の仕事で年収300万取ろうと思ったら、500万~600万くらいの売上が必要でしょうかね。(会社経営者の受け取る報酬というのは、完全に奥さんに渡すことはできなくて、いつまた会社に貸し出さなくなるかわからないので、会社から支給された報酬額=年収とも言い難いところはありますが。。)

ただ、こんな感じで、会社をゼロから作ることを考えると、自分の働きにどれだけの価値があるのか、自分がもらうべき給料っていくらなのかを計算するのはとてもシンプルです。

自分のこれまでのキャリアとか学歴とか年齢とか性別とか日本人の平均年収とか最低賃金とかまったく関係なく、売りが立てばそれに比例して収入が増えるという話です。

本当はサラリーマンの給与額もこれがベースに決められるのがシンプルで分かりやすいのですが、ある程度の規模の会社になると仕事の分業化が進んでいて、誰のおかげでいくらの売上が立っているのかわからないので難しいですね。

起業にはマルチな能力が求められますが、サラリーマンは一芸に秀でていればよかったりしますし。

あと日本の雇用制度は、社会保障制度と税金の安定徴収の制度がごちゃごちゃにされていて、より当事者に分かりにくくしてあるんですよね。

というわけでこれはいったい誰の役に立つ話なのかわかりません。

本年もよろしくお願いいたします。