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それでもガソリンスタンドに並ぶ人たち

それでもガソリンスタンドに並ぶ人たち

島田 徹

株式会社プラムザ 代表取締役社長。システムコンサルタント。1998年に28歳で起業し、現在も現役のシステムエンジニア、コンサルトとして、ものづくりの第一線で活躍しつつ、開発現場のチームとそのリーダーのあり方を研究し続けている。

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海外のメディアでは、日本人は、こんな未曾有の災害時においてもパニックにならない、略奪も暴動も起きない。なぜなんだ?と驚かれているようです。

社会秩序、助け合いを称賛 復興に期待も、海外報道
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110313/amr11031322200004-n1.htm

(MSN産経ニュース 2011.3.13)

これは大変誇らしい話ですね。人間、切羽詰まった時こそ本性が出るものですが、その本性が「冷静沈着」「自助努力」の精神であるというのは、本当に世界に自慢していいところでしょう。

しかし、ニュース的にあまりインパクトがないので、おそらく海外には伝わっていないと思いますが、実は地味にパニックになっている部分もあります。

町で繰り広げられている買占め騒動です。

食料品の買占めは少し落ち着いたように思えます。

しかし、いまだおさまらないのが、ガソリンスタンドの前の長蛇の列です。新聞ではその数50台と報じられていましたが、私の住む多摩地域ではそれどころの騒ぎではありません。連日、平日の昼間から700~800mという列ができています。

この現象の直接的要因は何でしょうか?

  • 普段使っていない車に給油している。
  • まだ給油の必要がないのに、とりあえず満タンにしている。

このどちらかか、または複合でしょう。

では、多くの人がこのような行動を取るのはなぜでしょうか?

  • 福島第一原発で何かあったとき逃げる準備をしている

これがほとんどでしょう。準備というか、もうすぐにでも逃げるつもりなのでしょうか?すでに東京駅でも西に逃げる人々でごったがえしていると聞きます。

 

私は、そんな彼らにこう問いたい。

枝野官房長官が大丈夫だと言っているじゃないですか。

>はあ?政府発表など信じられるものか!?あんた情弱なの?

確かに、彼らには事実を隠ぺいしてパニックを起こさないようにする責務があり、動機としては十分です。しかしそれにしては、彼らも普通に東京で暮らしているのは何故でしょう?そんなに彼ら政治家は身を張った正義感あふれる人たちだったでしょうか?


それに、TVや新聞も大丈夫だと言っていますよ。

>何度だまされれば気が済むのか?大マスコミの信用は今や地に落ちた。奴らの去年くらいまでの民主党偏向報道を忘れたか?

確かに政治面での偏向報道はあったかも知れません。しかし、この事態にあって、偏向報道をする動機は何でしょう?私には、もし大マスコミが自らのプレゼンスをアピールするのであれば、むしろ政府の隠ぺいしている事実を暴き、国民に「本当はこうです」と伝えるべきだと思います。
少なくとも「最悪のシナリオはチェルノブイリです」と言ってもおかしくありません。が、それを言っていないところをみると、最悪でもそれはない、ということがかなりの信憑性で推察できます。


多くの物理学者や理系学生も大丈夫だと言ってます。

>どんな息のかかった学者かわかったものではない。素性の知れない人間など信じられるか!

確かに政府機関や原発関連の仕事をしている学者もいるでしょう。TVに呼ばれるのはそういう人たちかも知れません。ただ、マスコミで発言している学者だけでなく、ネット上の多くの学者、評論家、末端の理系学生までもが大丈夫だと言っています。

もし本当はやばいというのであれば、これまた自らの博識なところをアピールする絶好のチャンスですが、そのような記事はほとんど見受けられません。

だ か ら 大 丈 夫 で し ょ う。

と私は判断します。

私は、物理など大嫌いで、今回の核融合だなんだの話はさっぱりわかりませんが、とりあえず東京で仕事をしていても大丈夫だと判断しています。

何かの情報を得た時に、「ちょっと待てよ」と疑うのは非常に大事なことですが、排除すべき情報と信じるべき情報とは、はっきり区別しないといけません。それが出来ないのであれば、情報収集などしない方がマシまであります。

去年あたりから流行ってきたポジショントークというのは、まあ世の中には確かにあるでしょうが、「合理的に考えてそんなことをするわけないでしょう?」という局面においても、この「ポジショントーク」というレッテルを張って、決して信じようとしないのは愚かな話です。

「そう言っても専門的すぎて、自分では何が真実か判断がつかない」

というのはわかります。私だってそうです。

そういう場合は、「信じられそうな素性の人を複数人確保してその人の判断に従う」のがほぼ間違いないと思います。

たとえば、この誠ブログで執筆している永松 和洋氏。私は彼と直接話したことはありませんが、彼の一連の記事を見れば、どこかからの政治的影響もビジネス的偏向も存在しないことがわかります。

このような人を3人ばかり見つけて、その人たちの判断を仰ぐというのはもっとも有効な手段です。

情報強者とは出来る限り多くの情報を収集する人間のことではなく、少ない情報を利用して最短ルートで真実に近づける人間のことだと思います。

人が生きる上でやらなければいけないことは、情報収集ではないはずです。

Twitterに日がな一日かじりついて、渦巻く情報に溺れていないで、仕事するなり遊ぶなり寝るなりボランティアに参加するなりすべきです。

とりあえず、ガソリンスタンドに並ぶのは止めていただきたい。普段、保育園の送り迎えで車を使っている身としては切実です。

・・・あ、これがポジショントークというやつなのでしょうか?しまった。