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そんな私はシェルモード
»2012年5月27日
そろそろ脳内ビジネスの話をしようか
そんな私はシェルモード
株式会社プラムザ 代表取締役社長。システムコンサルタント。1998年に28歳で起業し、現在も現役のシステムエンジニア、コンサルトとして、ものづくりの第一線で活躍しつつ、開発現場のチームとそのリーダーのあり方を研究し続けている。
当ブログ「そろそろ脳内ビジネスの話をしようか」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/noubiz/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
■根本的にルールが嫌い
昔からルールというのが好きじゃなくて、縛られるのも大嫌いで、わがまま放題生きてまいりました。
なんかルールがあると、その裏をかく方法がないかと思いをめぐらせるのが好きです。
先日も子供の運動会で、4人チームで騎馬戦をやってるのを見て、
「先頭が1人だから当たり負けするんだ。前を2人にして後ろを1人にして体当たりしたら勝てる。」
と考え、そのための騎馬の組み方から、攻撃方法、先生に「お前ら反則だ」と言われたときの反論までいろいろと脳内シミュレーションしてました。
さて、そんな私がトップをやっている弊社にも、いくつかルールがあります。
私がルールを作る理由はただ一つです。それは毎回同じことで悩むのはイヤだからです。
悩みとは、A案とB案のどちらの方法を採っても(メリット)-(デメリット)の値がさほど変わらないときに起こります。
A案とB案で、あきらかにどちらかの方がその値が大きいのであれば、ルールは不要です。小さい会社のくせに、そんな当たり前のルールが何十も作ってある会社がありますが、もう規範を維持するだけで大変だと思います。
無駄なことには一切力を注がないというのが私の主義です。
拮抗している2つの案が組織内に蔓延(はびこ)るとき、組織全体でのデメリットを大きくしてしまう一番のファクターは、メンバーが悩んでいる時間、あるいは不徹底による混乱です。こういう場合は、どちらでもいいから1つルールを決めて、二度と悩まないようにしておくことがもっともメリットが大きいといえるでしょう。
■集中したい時間のために作ったルール
たとえば、ソフトウェアの開発をやっていると、開発者は思い切り集中したい時間というのがあると思います。SEであればDB設計であったり、PGであれば複雑なアルゴリズムの実装だったり。
このような作業をしているとき、たとえば10分置きに誰かに話しかけられたり、電話がかかってきたりすると、集中が途切れ、いつまで経ってもまったく先に進みませんし、バグを量産しまくることにもつながります。
「○○君さー。昨日やって欲しいって言ってた作業、もう終わってる?」
→「あ、はい、終わってます」
(バグトラックシステム見ろよ!ちゃんと報告入れてあるからよ!)
「○○君さー。なんか最近俺のPC遅いんだよねー。なんだろ、メモリーかなー。」
→「へえー、メモリー今、何GB積んでるんでしたっけ?」
(こないだも8GBまで増設してたじゃねーか。VISTAとか使ってるからだよ!)
「○○君さー。今日はさー、えーと、平成何年だっけ?」
→「えー、えーっと...」
(※△●×■$...!!!)
このようなうるさい上司(=私)の質問等から合法的に逃れられるよう、弊社では5年くらい前に、一定時間、貝のように殻に閉じこもることができる「シェルモード」というルールを作りました。
要はこのモード中は、ヘッドフォンステレオを聞きながら仕事してよくて、その間は回りは話しかけるのを遠慮しろ、というものです。
詳しいルールはこうです。長いので適当に読み飛ばしていただいて結構です。
----------------------
★シェルモード ルール
[1.理念]
1-1.シェルモードは、エンジニアが自らのパフォーマンスを最大限発揮するための手段であり、自堕落、排他的、自分勝手な開発スタイルを推奨するものではない。
[2.意義]
2-1.シェルモードを宣言することにより、他者から自分へ向けて発せられるコミュニケーションの窓口を狭めることが許され、目の前の業務に専念することができる。なお、本ルールにおける「コミュニケーション」とは主に話しかけ、メッセンジャー、電話取り次ぎの3つを指す。
[3.シェルモードの種類]
3-1.青シェル
青シェルは、遠距離からの話しかけを妨げる行為である「音楽を聴く」という行為が許可されるモードである。ただし、この場合においても、近距離からの話しかけを妨げる音量で「音楽を聴く」ことは許されない。
3-2.赤シェル
赤シェルは、緊急でないコミュニケーションを排除できるモードである。
[4.ルール]
4-1.青シェル
4-1-1.制限時間:MAX60分(連続使用時は必ず5分のインターバルを挟むこと)
4-1-2.取得回数:無制限
4-1-3.宣言:yammerにて。書式は自由だが、何時までシェルなのか明確にする。
4-1-4.シェル中であっても、取るべき電話は取る。
4-1-5.シェル中は、周りの人は特に気にせず話しかけてよいが、いつでもいい話題であれば多少考慮する。
4-1-6.夜間(19時以降)は、時間制限なし、宣言不要。
5-1.赤シェル
5-1-1.制限時間:MAX60分(連続使用時は必ず5分のインターバルを挟むこと)
5-1-2.取得回数:MAX3回
5-1-3.宣言:yammerにて。書式は自由だが、何時までシェルなのか明確にする。同時に赤旗掲揚。
5-1-4.シェル中は、電話は取らなくてよい。
5-1-5.シェル中は、周りの人は緊急な用件以外話しかけない。メッセンジャーも控える。電話は席外しとする。
5-1-6.夜間(19時以降)は、人が少なくなるので取得不可。
5-1-7.赤シェルは、同時に2名までしか使用できない。ただし、社内に4名以下のときは使用しないこと。
[1.理念]
1-1.シェルモードは、エンジニアが自らのパフォーマンスを最大限発揮するための手段であり、自堕落、排他的、自分勝手な開発スタイルを推奨するものではない。
[2.意義]
2-1.シェルモードを宣言することにより、他者から自分へ向けて発せられるコミュニケーションの窓口を狭めることが許され、目の前の業務に専念することができる。なお、本ルールにおける「コミュニケーション」とは主に話しかけ、メッセンジャー、電話取り次ぎの3つを指す。
[3.シェルモードの種類]
3-1.青シェル
青シェルは、遠距離からの話しかけを妨げる行為である「音楽を聴く」という行為が許可されるモードである。ただし、この場合においても、近距離からの話しかけを妨げる音量で「音楽を聴く」ことは許されない。
3-2.赤シェル
赤シェルは、緊急でないコミュニケーションを排除できるモードである。
[4.ルール]
4-1.青シェル
4-1-1.制限時間:MAX60分(連続使用時は必ず5分のインターバルを挟むこと)
4-1-2.取得回数:無制限
4-1-3.宣言:yammerにて。書式は自由だが、何時までシェルなのか明確にする。
4-1-4.シェル中であっても、取るべき電話は取る。
4-1-5.シェル中は、周りの人は特に気にせず話しかけてよいが、いつでもいい話題であれば多少考慮する。
4-1-6.夜間(19時以降)は、時間制限なし、宣言不要。
5-1.赤シェル
5-1-1.制限時間:MAX60分(連続使用時は必ず5分のインターバルを挟むこと)
5-1-2.取得回数:MAX3回
5-1-3.宣言:yammerにて。書式は自由だが、何時までシェルなのか明確にする。同時に赤旗掲揚。
5-1-4.シェル中は、電話は取らなくてよい。
5-1-5.シェル中は、周りの人は緊急な用件以外話しかけない。メッセンジャーも控える。電話は席外しとする。
5-1-6.夜間(19時以降)は、人が少なくなるので取得不可。
5-1-7.赤シェルは、同時に2名までしか使用できない。ただし、社内に4名以下のときは使用しないこと。
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■開発会社が大事にしたいもの
よく読んでいただかなくてもいいのですが、条文がかなり微に入り細に入り定められているのがわかると思います。たかだか社内でのヘッドフォン使用のルールです。
なぜこんなに神経質なルールになっているかわかりますでしょうか?
これは我々開発会社のもっとも無くしてはいけない売り物が「チームでいること」だからです。
ヘッドフォンなどしていなければ、自分に関係ない人同士が話している内容が自然と耳に入ります。
「今度の案件、お客さんからの指定で、こ、こー?、、ああ、こーでぃぐねーたーっての使わなきゃいけないんだよ」
「こーでぃぐねーたーっすか?いや、聞いたことないですね」
「そうだよなー。スペルが分からなくて調べられないんだよ。なんか分からないけど、怖いから辞退しておくか...」
と、こんなのを聞いて、誰かが
「code igniterですよね。最近良く聞きますよ。確か××さんが前職でやってたんじゃないですかね。」
と口を挟み、
「ああー、それ前職で超やり倒してましたよ!私、やりましょうか?」
となる。
こういう会話が生まれるのが、一つ屋根の下で仕事をしている一番のミラクルなわけです。
ここで、みんながヘッドフォンステレオなんて聴いていたら、チームでやってる意味合いが大きく損なわれてしまいます。
だから今もてはやされているノマドなんてのも私は超懐疑的なのです。懐疑的というか、「敵性思考」くらいまであります。
それは置いておきまして、ただそうは言っても、「全員耳をよく澄ませて周りの話を聞いとけ!」とか言っていたら、先に述べたように、雑音が耳に入って集中すべき仕事ができません。
その葛藤を毎日毎日抱えて仕事していたら、それはそれで大きな無駄ですので、ルールは好きじゃないんですが、ここは一つルール化しようという話になったわけです。
達成すべき2つ目的があって、メリットを最大化し、デメリットを最低限になるようにチューニングしているために、ルールが複雑になっているのです。
それで、こういったルールは、弊社では3QC(3キューカンファレンス)という45分限定の会議で、ものすごい高速で採択されます。
3QCでは議題にかかわらず、試用期間中の社員でも誰でも参加可能です。保守の話だからといって、保守担当者全員が必ずしも参加する必要はありません。とにかく、効率的に、合理的に、です。
と、こんな感じがベストだと、今は思っていますが、みなさんの今の職場、かつての職場ではいかがでしょうか。
いろんなよい意見を最大限に取り入れて、よりよい会社にしていこうと思っています。
追記
唐突ですが、そういう訳でして、現在プラムザでは
システムエンジニア、募集してます!
今なら試用期間満了時に、mac book airなどお好きなウルトラノートがもらえるようですよ。
プラムザの開発ポリシーがわかる、アットマークアイティ自分戦略研究所の弊社インタビュー記事はこちら。
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