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どこまで許されるのか、試すようなことをしてはいけない

どこまで許されるのか、試すようなことをしてはいけない

島田 徹

株式会社プラムザ 代表取締役社長。システムコンサルタント。1998年に28歳で起業し、現在も現役のシステムエンジニア、コンサルトとして、ものづくりの第一線で活躍しつつ、開発現場のチームとそのリーダーのあり方を研究し続けている。

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何年か前に、ある仕事で、『仕事に効く格言集』みたいなのを読む機会があって、今も心に残っている言葉がある。

「どこまで許されるのか、限界を試すようなことをしてはいけない」

かなり胸にずしっときた。

つまりこういうことだ。

ある忠実な部下がいたとする。良く指示に従って、ホウレンソウをきちんとこなし、ベストに近い結果を残す。

とてもかわいい部下だが、彼に対して、

「じゃあ次はこんな課題を出してみよう」
「お、やるな」
「じゃあちょっと無茶だけど、こんな命令はどうだろう?」
「おー、やるじゃないか!」

、、、と、こんなことを繰り返す。

これは絶対やってはいけない。


また、逆もある。

ある包容力のある上司がいたとする。教えを乞えばなんでも丁寧に教えてくれるし、我儘な提案も聞きいれてくれる。

そこで、

「じゃあ、次はこんなことを言ってみよう」
「おお、さすが包容力がある」
「じゃあ、ちょっと言い過ぎかもしれないけど、ここまで言ってみよう」
「へえー、これも受け止めてくれるのか!」

これもよくない。

こういう試すようなことをしていると、最後に行き着くのは必ず

「いい加減にしてください!」または「いい加減にしろ!」

のどちらかだ。

実はそれはとてもよろしくない。

単にブチ切れてケンカになるから、という意味ではない。


忠実な部下、包容力のある上司というのは、意外と必死でその役を演じようと努力しているものだ。

「理想の部下はこうあるべき」「理想の上司はこうふるまうべき」

と努力して演じているところに、前述のような行動をとるということは、「すごいねー」「大ファンです」などと言いつつ、強引にズカズカ楽屋裏に踏み込んでしまっているようなものだ。

一度、楽屋裏を見られてしまうと、その部下や上司は二度と同じような演技が出来なくなってしまう。

大人の世界は実は、演じて演じられ、で成り立っている。

素晴らしい演技を目にしたときは、よいオーディエンスとして惜しまぬ拍手は送りつつも、演技者とは一定の距離を保つことが大事だ。

ちょっと踏み込み過ぎたなと思ったら、いったん要求するのをやめ、次の公演の準備が整うのを待つべきだ。

これ、忘れないようにしたい。


※ちなみに、これは私の周りの特定の誰かについて思っていることではない。私はそういう試されるようなことをされると、すぐこの話をするのでわかると思う。自戒の思いを込めて、の話。


追記
※ちなみに、これは『限界を試す』ところがまずいのであって、通常こなせるレベルの業務を次々言ったり、普通の相談事を次々するのは何も悪いことではない。

それで、『いい加減にしてください!(いい加減にしろ!)』は、キレる方がおかしい。