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ごく普通のサラリーマンを辞め、起業し、年収を倍に

ごく普通のサラリーマンを辞め、起業し、年収を倍に

小林 利恵子

楽しい学びの場、ワクワクするコンテンツのプロデュースを提供する株式会社オプンラボの代表。 「考える」のではなく「感じる」気づきの場としてのセミナーや研修の企画・プロデュース。強烈な魅力のある個人のコンテンツ作りを得意とする。

当ブログ「学びの体験を創造する ~ セミナー事務局考」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/opnlab/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


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というと、何やらあやしい起業セミナーのようです。しかし、決して派手に「儲けた」という内容ではなく、地道に丁寧に仕事を続けて、一人事業主を成功させた方の話です。


先日、起業した人を対象とした
「収益安定化の道のり」
がテーマのセミナーを聴講しました。

スピーカーは、人事労務のコンサルティングの田代英治さん。
独立後の自らの経験やナレッジを共有しました。

田代さんは「雇わない、雇われない働き方」を提唱するインデペンデント・コントラクター(IC)協会の理事長で、自身も法人(株式会社)は設立しているものの、ピンで、つまり個人で活躍しています。セミナーはそのインデペンデント・コントラクター協会が主催。(私も8月から理事で関わります)

田代さんは、20年間のごくごく普通のサラリーマン生活を辞め、年収を倍にしました。

セミナーでは、いきなりスライドに

・独立前の年収
・設立してから全6期の右肩上がりの年商の変遷

を公開し、参加者は「おー」とどよめきます。

前職は「大手海運会社
辞める前の年収(詳しい数字は書けませんが)は、
「起業する」と言った際にご家族が、
強く反対するのも無理ないなぁ、と思う額。

でも、今のほうが年収が倍以上になり、仕事はずっと楽しいと言います。

特に、独立起業して良かったと思うことのひとつは、

財布のひもを自分に取り返したこと。
 会社に隷属して、
 家で財布を握られる、ということから解き放たれました(笑)」


ニッチでなさそうでニッチな分野を攻める

田代さんの専門は人事・労務分野。

勤めていた会社では、もともと営業を長年やっており、そこから人事に異動。最初は「なぜ人事に」と乗り気ではなかったそうですが、与えられた環境で最善を尽くそうと考え直し、社会保険労務士の資格を取得しました。次第に人事の仕事にのめり込み、今度は人事以外の部署に異動するくらいなら、その道を極めようと独立しました。

人事労務は業界を特定しない仕事であり、また景気が悪くなると真っ先に縮小されるコスト部門。最小人数でマネジメントしているので、人手不足だろうと仮説をたてます。

幅広く・(すごくではなく)ある程度深く知識をもち、「人事のことなら田代に聞け」と頼られるプロフェッショナルを目指したところ、様々な業界の人事労務の相談を受けるようになり、今では10社以上のクライアントと仕事をしています。

しかも、中小企業のニーズが高いと想定していたところ、結果的にはほとんどが大企業だという、うれしい誤算も。

座布団を確保

田代さんの安定収入、いわゆる座布団は、毎月数社から入る定額の顧問料。単発では仕事は受けず、長期のお付合いを前提としています。企業があまり負担に感じない程度の保険的な金額から、緊密に仕事をしているところからはしっかりと費用をいただくものまで、定期的に売上げが入ります。

また、売上げのシェアは高くないものの、極力受けるようにしているのは執筆講演。
ブランディングに効果的だからです。

きめ細かいと思うのが「その後」です。

請求書の封筒に、自分が寄稿した雑誌のコピーを入れ
クライアントさんへのさらなる信頼感につなげています。

「信頼」をキーワードにお客様との良い関係を継続する田代さん。
日常で特に意識しているのは、

「quick response」

大手海運会社の営業時代に、「お客様が最もイライラするのは待たせることだった」
という体験をもとに、何かあればすぐに返信する。すぐ回答できないことは、
いつまでに返信します、という反応をするように心がけているそうです。
確かに、田代さんのレスは早いのです。

仕事を獲得するチャネル

良好な関係で継続して仕事をしていても、様々な理由で離れるクライアントは必ずいます。このため、新たな案件獲得は必須。

立ち上げ当初、前職から仕事を受注できたのは、勤めた当時と比べて低くなったとしても、精神的に楽だったといいます。

円満退社は大切。

起業してすぐに書きはじめたブログは、クライアント獲得に大きく貢献。
しかもかなりのビッグクライアントから発注があったとか。

インデペンデント・コントラクター協会も重要な営業のチャネルになっています。
「インデペンデント・コントラクター協会の理事長だからそう言うのでは」
と思うかもしれませんが事実。

田代さんによると、インデペンデント・コントラクター協会の同業者や他業種の人と仕事を紹介しあったり、恊働するプロジェクトが生まれているけれども、他の会合ではほとんどないとのこと。実は、私もインデペンデント・コントラクター協会の人とセミナー・研修関係でコラボしています。

独立すると人のつながりがガラリと変わります。

インデペンデント・コントラクター協会に限らず、自分と相性が良い団体やメンバーのいるコミュニティと接点を持つ、あるいは立ち上げてしまう、というのは、起業して上手くいっている人のひとつの要因のように思います。

田代さんは最後に、話題になった「企業が65歳まで社員を雇わなくてはいけない法律」を紹介。今まで一生懸命に貢献して来た会社のお給料が、ある日から突然ガクッと下がった場合、例えば10万円台になった時、そこで誇りをもって働き続けられるだろうか、と疑問を投げかけます。

雇わない・雇われない働き方、自律した
インデペンデント・コントラクター(独立業務請負人)という働き方は、
自らにとっても社会にとっても幸せなことなのでは、と結びました。

(opnlab 小林利恵子)



■■■ IC協会のおまけ情報 ■■■
9月は、田代さんの前任者、伝説のIC協会初代理事長 秋山進さんが講演します。

 テーマ:「好きを究める協働型組織」
 開催:9月28日(金)18:30-  場所:青山

リクルートを経て起業し、カネボウの再建などにたずさわり、現在はプリンシプル・コンサルティング・グループ代表として活躍。講演・著書も多数あります。
聞くと前のめりで働きたくなる秋山風プレゼンも必見です!

インデペンデント・コントラクター協会に関する詳細
 会員の特典:長期休業補償の団体保険加入、定例セミナーの無料参加、 税務および法務の無料相談(毎月)、各種親睦会の参加、他。