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023.【業界話】システムエンジニアの旬な年齢

023.【業界話】システムエンジニアの旬な年齢

佐藤 洋之

1967年生まれ、神奈川県横浜市在住。ひょんな事からIT業界に努めて四半世紀、嫁と子供2人、あとメス猫一匹を抱えて、日々奮闘しているエンジニア(??)です。趣味はバイクと読書。IT業界の事、仕事の事、趣味や日々の雑感などについて、これから書いていきたいと思います。

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「暑さ寒さも彼岸まで」

 昔の人はこういう言葉を残していますが、本当にそうなんですね。今日(20日)は結構のどかな陽気で、午前中には子供の遊びに付き合い近所の公園にいました。
 公園にある桜の木を見てみると、枝の先にある蕾なんかは、少し膨らんでいる感じが見て取られ、まもなく桜の咲く時期であるという事を感じました。

 佐藤@IT雑貨屋です。

 さて、システムエンジニアの旬な年齢というのは、幾つ位なんでしょうか?
 そんな事をふと考えてしまうのが、最近の私の習性でして・・・子供と遊びながらそんな事を考えていました。

 私がこの業界に入った1980年代後半、「プログラマ」や「システムエンジニア」というのは結構人気のある仕事だったのですが、最近では「3K」とか「7K」という言葉で揶揄されている始末。まあこの言葉もけして「的外れ」なものではなく、実情を良く現しているなぁ(苦笑)と思う事もありますが・・・

 私はいま、サービス企画開発という仕事をしていますので、「開発」という名前がついていてもシステム開発とは取り組んでいる業務の内容も異なっています。

 3年ほど前にシステム開発のプロジェクトのリーダーをしていた時には、退社時間が23時というのは「今日は早く帰れるぞ」という感じでしたし、終電を逃してタクシーで帰宅した事もありました。また事前に設定していた休日(有給休暇ではないですよ、普通の休日です)で、うっかり携帯電話を自宅に置いたまま数時間、家族と出かけていたのですが、その間に緊急連絡が入っていて、会社や関連会社から「指名手配扱い」になっていて、えらい大騒ぎになっていた事もありました。

 こんな感じなので、やはりシステムエンジニアというのは精神的にもタフさが要求され、同じく体力的にもタフさが要求されると思っています。だから正直、40歳代以上にはキツイ仕事と感じる事も多くありますし、そういう事からエンジニアとして「旬」な年齢もあると思うのです。

 かくいう私自身も20歳から30歳の半ばまでは、深夜作業は当たり前で、土日にも会社に出勤して実装作業やデバッグ作業などに忙殺されていました。だから今の年齢で同じ事をやろうとしても、たぶん体力的には持たないでしょう。(家族もいますしね・・・)

 新しい技術の習得や、体力任せの作業という面については、やはり40歳代というのは難しいという事も感じますが、その一方で、永年の間、仕事に取り組んできた中で得てきた経験や勘所、物事への対処という面では、ここ数年で長じてきたという事も実感したり、それが今の仕事の生きているという事もあります。

 そう考えると「システムエンジニアの旬な年齢」というものは、けして20~30歳代だと言い切れない気もするのですが、業界の構造という面を考えてみると、やはり20~30歳代に限定されてしまっているという事はあるかもしれませんね。

 何を良いたいかと言えば、実際にシステム開発の現場において、プロジェクトリーダーとかプロジェクトマネージャーと言われる立場の人間は、だいたい30歳代の中から後半の年齢が多く、そこでは40歳代のシステムエンジニアというのは敬遠される事が多くあります。

「扱いずらい」
「部下が年上で経験豊富な場合、マネージャクラスのエンジニアが指示しずらい」

 でもこれは現場のリーダーやマネージャーだけの問題ではなく、やはり40歳代のエンジニア側にも問題がある場合もありますので、「これだ!」という単純な問題ではないのも事実です。

 私が思うにシステムエンジニアの旬な年齢を決めているのは、以下の要因があると思っています。

1)エンジニア自身の年齢的な問題
 (気力・体力、そして経験から醸成される個人的な資質まで含む)

2)システム開発現場のマネジメント能力の問題
 年上は扱いずらいという様な意見が出てきている状況

3)システム開発に掛けられる予算の問題
 年齢が高いエンジニアはやはり単価が高くなる

 この3つの要因から、今の業界を考えていくと、やはり「旬な年齢」というのは20歳半ばから30歳半ばの十年間という事になってしまうのでしょうか。

 でもこれはもったいない事ですね。
 例えば製造業などではエンジニアとして一番頼りにされる年代が40歳代だと思いますが、ことIT業界に関して言えばその年代では「旬な年齢」ではなく、システム開発の現場からはずされてしまう事が多いという事です。

 これが20年以上にわたりIT業界に勤めている私としての、率直な感想です。
 今日の記事、特に結論などはありませんが、この業界で仕事をしている一人のエンジニアとしての実感と、業界の現状の話として読んで頂ければ幸いです。

 ここまで読んで頂き、ありがとうございました。