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037.【自分の事】競馬事件発生!!

037.【自分の事】競馬事件発生!!

佐藤 洋之

1967年生まれ、神奈川県横浜市在住。ひょんな事からIT業界に努めて四半世紀、嫁と子供2人、あとメス猫一匹を抱えて、日々奮闘しているエンジニア(??)です。趣味はバイクと読書。IT業界の事、仕事の事、趣味や日々の雑感などについて、これから書いていきたいと思います。

当ブログ「IT雑貨屋、日々のつづり」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/satou55_makoto/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


 こんにちは。

 この記事は会社の帰り道の途中、喫茶店に寄り道をして書いています。家に帰れば試験勉強をしなければならず、どこかで少しゆっくりとしながら、ブログの記事を書きたいと思っていたので、のんびりと喫茶店に寄り道です。

 佐藤@IT雑貨屋です。ご無沙汰しています。

 今の職場、節電対策(になっているのかな??)のために、サマータイム制が導入され、1時間前倒しの勤務時間となっています。だから8時30分までに出勤しなければならず、朝は6時40分頃に家を出て、ひたすら2時間近くの通勤をしています。1時間前倒しの勤務は、それはそれで快適な面(例えば早く家に帰れる)もあるのですが、やはり何気に疲れも溜まってしまいます。ただ以前にシステム開発をしていた頃と比べると雲泥の差で、メリハリのつく生活ができる分だけ良いリズムだと思いますが。

 さて今回は前回の続きです。
 客先作業の後、私は自社パッケージを新たなOSへ移植するプロジェクトに組み込まれました。このプロジェクトのリーダーは、協力会社のEさんという方で、当時、私の会社に常駐で仕事をしていた人でした。

 このEさんという人、なかなか面白い人で趣味でカーレース。だからでしょうか、たまに会社まで愛車のホンダシビックSiに乗ってきて、休み時間にはその車に同乗させてくれ、「ヒール&トゥ」のやり方とか、車の特性を熱く語ってくれるなど、とてもユニークな性格でした。冬には一緒にスキー板を買いに付き合ってもくれる事もあったりと、気さくな面も持ち合わせた人だったんですね。

 私が配属されたプロジェクトは、この人を中心に7人ほどのプロジェクトでした。移植の対象は「OS/2 プレゼンテーションマネージャー」という、いわばウィンドウズの先駆けのもので、やはりマニュアル類も乏しく手探りで仕事を進めるという状況は、以前のOS/2の時とほぼ同じ、またウィンドウズというイベント中心のアプリケーションを構築するというノウハウもそれ程なく、皆で悩みながら日々開発に取り組んでいました。
 その為に年末年始には29日まで仕事をして、年明け3日からは出勤となり、それ以外でも休日出勤当たり前、平日でもほぼ毎日終電で帰宅するというかなりハードなスケジュールでした。

 そんな中、ある日曜日の事ですがプロジェクト全員休日出勤し、ヘルプで課長も出勤してきた時がありました。

「今日確か競馬のレースがあったよね」

 リーダーのE氏が言うと、出勤していたメンバーの一人が競馬新聞を取り出して、小型携帯TVも持参していたようでTVを机の上に置いてみ始めました。私はそもそもギャンブルには興味が無かったので、自席のパソコンの前で作業をしながら、TV周囲に集まるメンバーの話に聞き耳をたてつつプログラム作成に勤しんでました。まあ、みんな年末年始もほとんど休まず、土日も仕事、平日は毎日終電帰りの生活をしていたので、多少の娯楽も必要なんだろうなぁーと、特になにも考えずに盛り上がっている状況をわき目にみながらプログラムを組んでいました。

しかしその時。。。
「がちゃ・・・」っと音がしたので、入り口のドアを見ると、そこには社長が立っていました。

「お前等!何やってんだ?」

 一瞬室内が凍り付き、携帯TVの周りに集まっていたメンバーはコソコソと自席に戻っていきます。課長はというと、先ほどまでTVの周りで一緒に盛り上がっていたのですが、その時は自席に戻っていました。
 静まりかえる事務所内、高らかに流れる競馬の実況中継、そしてそのTVの前で開き直ったのかふんぞり返ってTVを見つめる同僚。

「仕事中に競馬を見ているなんて・・弛んでんじゃないぞ!お前等!」

 部屋の中に社長の怒声が響いていました。でも今日は日曜日、少しの遊び位は良いのではないのかな。。。当時の私の感想です。

 その後、社長は数分間、事務所の中を歩き回り、一人ひとりの状況を確認すると、事務所を出て帰って行きました。

「ちょっとヤバかったかなー」。リーダーのE氏。

 でも皆の中では「しょうがないじゃん」という雰囲気で、その日も終電間近まで、全員が仕事をして帰宅しました。

 そして翌日の月曜日、朝9時の全体朝礼。
 社長が苦虫を噛み潰した顔をして立っていて、朝礼の挨拶の時に話し出したのです。

「昨日は由々しき事態が発生した!」。かなり怒気を含んだ声。

「事もあろうに仕事中に、ギャンブルにうつつを抜かす社員がいて、私は非常にガッカリした。その処遇について一晩考えたので、皆の前で発表する!」

 この人は一体何を言っているのか?当時の私は理解出来ませんでした。

「リーダーのEさん、出勤停止5日間!」

 え!?何を言っているの?と思っていると、矢継ぎ早に他のメンバーの名前を読み上げ「それぞれの人も同罪なので、同じく出勤停止5日間!」と怒気を押さえながら言葉を続けて言いました。

「あと課長のN!管理が成っていない!その責任を取って1ヶ月の減俸処分とする!」

 社長は訓辞の様に処分を言い渡すと、さっさと役員室に引き上げていきました。処分の中に私の名前が無かったのは、私自身、競馬に興味もなく、社長が来た時には自席に座っていたからでしょう。でもこの処分はかなりキツいものだと思いました。

 当時、プロジェクトの納期は2ヶ月後に迫っていました。だから休日も返上し、年末年始も極力出勤して仕事を進めてきたのに、、ここで大半のメンバーが出勤停止5日間になったら、はたしてどうなってしまうのか?

 朝礼が終わり、自席に戻るとリーダーは腕を組んで黙り込み、他のメンバーはふてくされた態度ありありで自席に座り込んでいました。そして課長は社長に呼び出されて役員室へ。

 私は以前に一緒に仕事をした他のプロジェクトのリーダーに話をしました。
「この処分は唐突で、あまりに極端すぎませんか?社長に撤回とか軽減とかお願いできないでしょうか?」

 しかしその人も苦笑いしながら、首を縦に振りませんでした。
「社長は言い出したら聞かない人だからなぁ・・・」

 ふと周りを見ると、処分を言い渡されたメンバーは帰り支度をはじめてます。
「出勤停止じゃ、いてもしょうがないから俺らは帰るわ」。その顔を見ると、怒りというか憔悴というか、みな青白い顔をしています。リーダーはというと、同じく帰り支度を始めてました。

「ふざけんなよ・・・」

 この言葉を残して、私以外のメンバーは事務所を出て行ってしまいました。
 課長が役員室から戻ると、そこにはプロジェクトメンバーとして私一人だけ残っている状況、そんな私もプロジェクトの先行きに大きな不安を感じていましたので、今後の事を課長に聞きました。

「しょうがないか・・・佐藤君は出来る範囲の事をやってくれるか」

 そういうと課長は自席に座り、天を仰いだまま動かなくなってしまいました。

 納期が近い状況の中、プロジェクトリーダーも不在、メンバーも不在でこの先どうすれば良いのか、私自身も韜晦して自席に座りこんでしまったのです。

 本日の話はここまでとします。
 この後、さらに騒動は広がっていくのですが、それは次回に。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。
 これからもIT雑貨屋をよろしくお願いします。

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【余談】
確かこの形式のCIVICだったと記憶しています。
当時、私は日産のスカイライン(角目ジャパン)に乗っていたのですが、このシビックのきびきび感がうらやましかったです。(*^_^*)