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前回の<がん治療を受けて「死ぬほど苦しんで死ぬ」なんて誰だって嫌ですよね ~書評:『「余命3カ月」のウソ』~http://blogs.bizmakoto.jp/shigotonin/entry/16228.html>の続きです。
がんの治療は苦痛や体力の消耗を伴い、余命を縮めるケースもあることを考えれば、がん治療に備える「がん保険」は必要ないかもしれません。
もちろん、がんも病気ですから検査や最低限の処置は必要ですから、全く不要であるとは言い切れないかもしれませんが、がんにおける(がん以外には適用されない)手術や、がん特有の抗がん剤治療などにしか給付がない「がん保険」の意義はかなり薄れると思います。
早々と結論を出せば・・・
①加入している「がん保険」は即刻解約
②「がん保険」に加入していなければ、今後も加入することはない
ということで終わりです。
しかし、これで終わってしまうために「連投」しているわけではありません。
「それでもがんになったら心配」「せっかく加入しているのに勿体無い」という方が少数いらっしゃるかもしない、と信じて「連投」させていただきます。
少々切り替えて、「がん保険」に加入していたことを前向きに考えてみますと、「がん保険」特有の「診断給付金」は結構使えると思います。
ご存知のようにこの「診断給付金」は、がんと診断されると100万円などの一時金が給付されます。
この診断給付金のいいところは、使途を問わないところです。
例えば一般的な医療(入院)保険などでは、入院日数や手術の種類に対してその内容によって給付金額が決まりますので、その都度、医師のによる診断書でその内容を確認しなければ給付金が出ません。
つまり、使途が約款に沿った入院なのか、手術などの治療なのか確定して初めて給付金が出るわけです。
がんの「診断給付金」については、がんと診断されれば一時金が出るので、それを治療費に使うのはもちろん、飲食費や交通費に使おうが貯金しようが自由です。
ということであれば、がんになって「診断給付金」をもらっても、大掛かりな治療はしないとなると使途自由な一時金が手元に残ることになります。
残念ながら「本物のがん」であったなら余命数年となってしまうと想定されますが、それならば身体の自由が許す限り旅行をしたり、その他やりたことに使うなど考えられます。
「がんもどき」であったなら、それこそプラスに考えて貯金するもよし、臨時収入として合理的に使途を考えればいいと思います。
さて、ここで保険商品としての留意点です。
近年発売された「がん保険」には、治療目的を限定して給付するものがあります。
アフラックの「DAYS」や東京海上日動あんしん生命の「がん治療保険」などです。
これらは、特約などで放射線治療や抗がん剤の治療をすると給付が出る設定になっており、治療をしない選択をした場合は「無駄がけ」の部分が多くなってしまいます。
またアフラックについては、所謂初期がんと言われる「上皮内がん」の給付は、通常のがんの10%しかなく、メットライフアリコについては50%という設定になっています。
「がんもどき」であっても保険会社の判定で「通常のがん」となる可能性があるのですが、皮肉なことに早期発見されてしまうと「上皮内がん」と判定されてしまうケースがあり得ますので注意して下さい。
がんにおける入院や手術などの治療についてではなく、「診断給付金」のみ受け取れるのが、ここで考える「がん保険」の理想ですが、それに適合するのがひとつだけあります。
AIG富士生命の「がんベストゴールド」という商品です。
主契約ががんの診断給付金のみとなっており、オプションで入院や手術を付加できますが、つけなくても契約できます。
(通常の「がん保険」は<診断給付金、入院、手術までが主契約>となるケースが多いです)
その分保険料は安くなっており、上皮内がんでも100%給付で、2年以上経過後の再発も「診断給付金」が出て、おまけにがんと診断されるとそれ以後の保険料が免除されます。
もうひとつの選択肢としては、入院保険にがんの「診断給付金」の特約を付加することです。
これであれば、入院や手術の部分がダブることなく、廉価でがんの「診断給付金」のみ付加できます。
これについてはオリックス生命の「CURE(キュア)」がお勧めで、上皮内がん100%、2年経過異常の再発OKと最低限の条件は揃っています。
いろいろ書きましたが、本筋としては今まで「がん保険」は必要であると考えていたとしても、前回ご紹介した『「余命3ヶ月」のウソ』の内容から「がんは治療しない」と判断すれば、「がん保険」は不要で通常の入院保険だけで事足りる、ということです。
それでも「がん保険」を利用するとしたら、上記にご紹介したような商品を参考にして下さい。