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なぜ「コクハン(告知義務違反)」はバレるのか ~その1~

»2011年7月31日
生保のトリセツ

なぜ「コクハン(告知義務違反)」はバレるのか ~その1~

しごとにん

10年余り生命保険業に所属し、一社専属の大手国内生保から乗合い代理店、保険ショップ運営を経験。現在は業界から距離を置き、俯瞰できる立場で個別相談や執筆活動を行っております。

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以前に保険ショップに勤務していたときのことですが、先日保険をお勧めしたお客様から声
をかけられました。

「このあいだ勧めてくれた保険に入ることにするよ」

保険募集人としてこれほどうれしいことはありませんが、確かお話したときに、そのお客様
には何か病気の疑いがあり"クロ"であればまともに加入するのは難しいことを思い出しま
した。

詳しく伺うと、
「いやね、医者からは入院して手術するのが一番いいと言われたんだけど、痛みがなければしばらく様子見てからでもいい、とも言われたんで、入院手術に備えて保険に入ろうと思って」とのことでした。

確かにこのケースでは治療は受けていない状態ですが、検査に入院・手術を勧められていますので入院保険加入は不可です。

死亡保障に関しては、加入不可であるか条件が付きます。
条件とは、その病気に関しての死亡した場合の保険金額の削減や不担保がはじめの2~5年あるか保険料の割り増しなどです。

このお客様の意識としては
「薬ももらってないし治療もしていないから保険に入れるだろう」だと思われます。

仮にですが、このお客様が何食わぬ顔で別の保険ショップで相談に行って、生命保険に加入したとします。

そして万一、入院を勧められた病気で入院して手術をすることになった場合、どうなってし
まうのでしょうか。

ここで重要なのは「診断書」です。
保険金などの請求には診断書が必要となり、それをもとに保険会社は保険金などの支払について判断します。

このケースで大きなポイントとなるのは、病気が発覚した、または自覚症状が出た時期です。
生命保険については「責任開始日」が明確にありますので、その日付が「責任開始日」より後であれば問題ありませんが、その前だと保険金・給付金は支払われません。

さて、ここまで読んでいただいてクレバーな方は「病院を変えればいいんじゃないか」と考えるかもしれません。

診断書に書かれた病気が発覚した時期がポイントであれば、保険加入後にはじめに行った病院以外で診察を受けて(自覚症状が出た時期も保険加入後と申告する)入院や手術をすれば、診断書は誤魔化せるかもしれませんね。

これは立派な「コクハン(告知義務違反)」になります。
診断書だけで保険会社が判断するのであれば、このパターンの「コクハン」はバレないと思われるかもしれません。

しかし、当然ですが、絶対にこんなことはお勧めしません。
お医者さんに正しい告知をしないことにより、適切な処置が受けられない可能性が生じてしまうことと、こんな小細工はバレてしまう可能性が高いからです。

次回、なぜ「コクハン」はバレるのか、核心に迫ります。