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29年ぶりの大改訂、やめてー

»2010年11月15日
別冊 誠Style

29年ぶりの大改訂、やめてー

岡田 大助

誠Styleの中の人。いまはちょっと遊軍記者、なのかな?


いま、ライターやエディター、校正者の世界で激震が走っている(ような気がする)。何故ならば、いままでの仕事のやり方を変えなければいけない(かもしれない)。

なーんて、今回は業界の人しか興味ないであろう「記者ハンドブック 新聞用字用語集 第12版」のお話です。11版との違いは、そのオビに書かれた「29年ぶりの大改訂! 新常用漢字に対応!」というアオリに尽きます。

アイティメディアの各記事もそうですが、新聞を読んでいて「何で、小学校で習うような漢字を、わざわざ平仮名で書いてるんだ。この記者はバカか?」とか、「普通に読める熟語にいちいちカッコがきでフリガナふってんじゃねーよ」とか、素朴な疑問を抱いたことはないですか?

この辺りの疑問は、記者ハンドブックが諸悪(笑)の原因なのです。

例えば、「私」。漢字で書いてもOKだったのは「わたくし」と読む場合で、「わたし」と読むのであれば平仮名で書かなければNGでした。「親戚」は「親せき」「親戚(しんせき)」と書くといった具合。

このほかにも、「その他」は「そのた」ならOK、「そのほか」だとNG。1つ前の文頭も「このほか」と書いてしまうクセが出ています。個人的には、「貼る」を使ってもOKになったのが嬉しいかも。これまでは常用外なので「張る」を使うとされていたのです。

用字用語を統一しないのは美しくないので、ルールは必要です。しかし、一般的な使い方とちょっと異なってたのも事実。その辺りが今回の改訂で変更になったのですが、まだまだ残されているのも多く、記者ハンドブック第12版モードに頭を切り替えるのに時間がかかるかもしれません。

ちなみに、「理解する」という意味の「わかる」を、「判る」でも「解る」でも「分る」でもなく、「分かる」と書く人がいたら、その人は記者ハンドブック準拠な人かもしれません。

記者ハンドブックは、一般書店で購入できます。用字用語だけでなく、記事の書き方そのもののハンドブックなので、ブログを書くのに参考になるかもしれません。