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「中国ビジネスのここだけの話Vol.3」-日本の中小企業さんは0.037%の富裕層を狙うより23%の中間層を狙え!

「中国ビジネスのここだけの話Vol.3」-日本の中小企業さんは0.037%の富裕層を狙うより23%の中間層を狙え!

林 剛

中国出身。来日13年。株式会社ジェーピービジョン代表取締役。日本の中小企業に向けて中国調達・中国進出事業をサポートしています。

当ブログ「一葉落、知天下秋 - 中国人在東京」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/t-hayashi/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


 中国で「ニューリッチ」と呼ばれる富裕層の定義は、年収200万元(約2600万円)以上かつ出資可能な資産総額が1000万元(約1億3000万円)以上を持つ人達だと言われている。

 2010年度、中国富裕層の人口は48万人に達し、アメリカ、日本、英国に次ぐ世界四位となった。

 これは大変だと。世間もマスコミも大騒ぎ。

 「富裕層」というターゲットを絞れば中国ビジネスは必ずうまくいけると。専門家、コンサルタント達さらにマスコミまで力説してくれる。

 そうしたら日本の企業も惑わされて中国ビジネスを始まる際、必ず「中国富裕層を狙って色々な商品、サービスを出す」と宣言する。

 正直に言わせてもらうと、当たりも若干あったかもしれないが、うまくいかないほうが多いのは現実である。

 中国ビジネスと言っても、資源、人材、財力の三拍子がすべて揃っている大手企業には断然有利である。膨大なネットワーク、高い知名度を武器にして中国でシェアを奪っていく。

 日本の大企業はお金掛けても時間かけても結果出るまで待つことが出来るが、小さな会社はそうがいかない。

 お金、人材、商品ブランド力などいろいろな制限があるので、間違ったターゲット、間違った戦場で戦っても所詮勝ち目がない。商売はうまく行かずに消耗戦になると、中小企業にとって死活の問題になるだろう。

 日本の中小企業は「中国富裕層」から目を離してもよいのでは。

 48万人の富裕層人口数は、一見多く見えるが、中国13億人口の母数を考えると、わずか総人口の0.037%しかない!

 しかもこの48万人の購買意欲はやはり世界有名ブランドや高級な贅沢品に集中しているようだ。一般的な消費財にはなかなか目を向けてくれない。日本製品だから、高くても買ってくれるという安易なシナリオを日本の経営者が一旦捨てて欲しい。

 だから、日本の中小企業に富裕層ばかり狙うより、もっと堅実な中間層に狙ったほうが成功率は高いとお勧めしたい。

 中間層とは「安定した収入があり、自宅やマイカーを持ち、旅行や教育に振り向ける資金のある者」と定義される。中国における中間層は人口の約23%を占めると報道されている。

 中国のマスコミによって、中間層急増の原因を主に三つ挙げられた:

 一つ目にはハイレベルの職業に就く人が増えてきた。農業、林業、牧畜業などに就く割合が減少する一方、専門技術者、サービス業従事者など増えてきた。

 二つ目には経済発展に伴い、高所得者が増えてきた。

 三つ目には株や不動産投資(投機)などの資産運用でリターンを得た者が増えてきた。

 最近、マスコミにも目に留まるのは、来日中国人観光客層の変化である。観光客の主力はすでに富裕層から中間層に変わり始めた。しかも彼らの消費傾向を分析すると、もっと理性的、堅実になりつつある。 

 日本の中小企業にとって、この23%の中国中間層消費者の心を掴めば、日本市場の3倍規模のマーケットが自然にできてくるから、これこそ、中国ビジネスを進める時に、一番考えないといけないキーワードではないかと思う。


追記
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ChaiMaga 中国ニュース情報サイト:http://chaimaga.com/