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何が言いたかったのかというと

何が言いたかったのかというと

大森 洋明

REBT心理士。うつ状態から回復した経験を経て、SEからカウンセラーへの転身を図りつつ、カウンセリングを世の中に浸透させようと奮闘中。座右の銘は、菅沼憲治先生に頂いた「生死一期」という言葉。

当ブログ「あなたが持つカウンセリングのイメージは間違っている!! …可能性が高いですよ」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/t2k/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


 ・・・の前に、1つ重要なことを書いておこうと思います。

 あまりに基本的なこと過ぎて、今まで書くのを忘れていたのですが(というか、書く必要があると思っていなかったのですが)、タイミング的にいい気がするので書くことにしました。

 文章の読み方についてです。

 もちろんこのブログのみに限った話ではなく、専門書を読むときには必須のことですし、それ以外の本や文章、会話などでも覚えておくと役に立つでしょう。 よくある勘違いなので、みなさんの中にもこの間違いをしている人がいるかもしれません。
 どのくらいよくあるかというと、私も過去にある専門書の冒頭にこれが書いてあるのを読むまで間違っていました。

 それは一体、何かというと・・・

 文章中の言葉の解釈は、文章中の定義に従う

 ・・・ということです。
 どういうことか説明しましょう。

 分かりやすく、心臓が宇宙に存在すると信じている人がいたとします(そうそういないと思いますが、分かりやすく)
 その人が医学書を読んだと考えてください。

 そして心臓の手術のページを読んだ時に、こう言って笑うのです。

「馬鹿だなぁ、心臓ってのは宇宙にあるんだぜ? この専門書は、宇宙にメスを入れるつもりかい? はっはっは」

 なぜこのようなことが起きたのでしょう?

 医学書を読めば、心臓の位置も事細かに書いてあったはずです。
 にもかかわらず手術の内容をしっかりと読みとることができなかったばかりか、笑い飛ばす始末・・・これでは医学書に書かれていた内容が、正しく理解できません

 この例では文章を読んでいる最中であるにもかかわらず、言葉の解釈として医学書中に説明してある心臓の位置ではなく、自分が信じる誤った心臓の位置を当てはめてしまったことに原因があります。 つまりこの医学書を正しく理解するためには、自分が心臓の位置をどう考えていようと、医学書内で説明している心臓の位置を正しい位置として文章全体を理解する必要があったのです。

 そもそも書き手は、読み手の個人的な言葉の定義についてを超能力的に理解して、一人一人に合った文章を作るようなことはできません。 よって文章を理解するには、文章に書かれている定義に従って解釈する必要があるのです。
 その後、文章に対してどういった感想を持つのかは個人の自由ですが、感想を持つ前の文章を間違って読み取っていては何の意味もありません。

 私の書いた記事でも同様です。
 前々回の文章を例にしましょう。

"先に試した強いネガティブな感情を、「ネガティブでエスカレートした感情」と言います。"

 この文章は、ロールプレイで実際に感じた強いネガティブな感情が「ネガティブでエスカレートした感情」と表現されるものであることを示すとともに、この文章内でその強いネガティブな感情を「ネガティブでエスカレートした感情」と定義していることを表します。

 恐らく多くの人は普段、自分が感じる怒りを、自分がエスカレートしているなどとは感じないかもしれません。
 その感情や行為を、ごく当たり前のことだと思っているかもしれません。

 しかし、読者がエスカレートという言葉の範囲をどう考えていようと、この文章内ではそれを「ネガティブでエスカレートした感情」と定義しているのです。

 この「ネガティブでエスカレートした感情」と定義された感情に対応していくのが、約60年間も検証され、批判に耐え続けているREBTという心理療法であり、REBTを用いて「ネガティブでエスカレートした感情」に対処する(感情を落ち着け、自然にストレスを減らす)ことで、その先・・・より仕事に集中したり、より良いオフィスにしていったり、家に帰ればより子供にやさしく接することができる・・・そういったことにつながっていく。
 だから、その予兆である「ネガティブでエスカレートした感情」をきちんと理解して、気づくことができるようになって欲しいと思いながら文章を書いているわけです。

 この、気づくことができるというのが非常に重要です。
 なぜなら通常、自分が間違っているとはなかなか思わないからです。

 恐らく今は、何も書かれていない地面を縦横無尽に走っている状態でしょう。
 しかし、ここ数回で書いてきた一般意味論を身につけることで、様々なことに気づくことができる基礎ができると思います。
 地面に白線を引くことができたあなたは、なんとなく白線通りに走ろうと思うだけで白線に沿うことができ、白線から大きく逸れることがあれば、それに気づくことができるようになっているはずです。

 ということで、文章の読み方を間違えていた方は、もう一度「言葉と身体反応、その1」から読み直してみてください。
 そして、様々なことに自分で気づくことができるようになってほしいと願っています。


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