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事業場外(内)資源って何?

事業場外(内)資源って何?

大森 洋明

REBT心理士。うつ状態から回復した経験を経て、SEからカウンセラーへの転身を図りつつ、カウンセリングを世の中に浸透させようと奮闘中。座右の銘は、菅沼憲治先生に頂いた「生死一期」という言葉。

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 たまに聞く質問で、「事業場外資源って何ですか?」というものがあります。

 ザックリ答えてしまうと、事業場の外にあるものが事業場外資源、事業場の中にあれば事業場内資源です。
 わざわざ尋ねるまでもなく、字を見たままですね。

 資源の内外は、業種によって決まるものではありません。
 たとえば、企業内相談室などは事業場内資源、企業外に存在するカウンセリングルームを企業が利用する場合は事業場外資源です。

 事業場内資源と事業場外資源で、どのような違いがあるでしょう?
 カウンセラーの場合はざっくりと、以下のようになります。

■事業場内資源

  • 労働者は無料で利用できる
  • 事業場内における啓蒙が容易
  • 周りからも勧めやすく、躊躇する余裕もない近さにあるため、利用への第一歩目が軽い
  • 企業との連携が図り易い
  • 来談者の情報が企業側に漏れるのではないかという懸念を抱かれやすい
  • 利用しているのを他人に知られてしまう可能性(※参照


■事業場外資源

  • 守秘義務や、利用しているところを他人に知られることへの安心感
  • 相性が悪かった場合などにカウンセラーの変更が可能な場合がある
  • 緊急時の電話を受付に掛けることが出来るため、繋がり易い可能性
  • 費用が来談者の自己負担
  • 企業側が、丸投げですべてが完結していると思ってしまいやすい

 など・・・あくまで、ざっくりと。
(※事業場内外での対比であるため、一般にカウンセリングルームを利用するときには特に意味のない羅列です)

 このように(これだけではありませんが)有利不利があるので、そういった点も考慮しつつ、常設または随時など、適切に資源を利用出来るよう体制をつくっていくのが各企業の役割になってくるのではないでしょうか。

 ところで、この「事業場外資源」という言葉、厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に登場します。

メンタルヘルスケアは、「セルフケア」、「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」及び「事業場外資源によるケア」の「4つのケア」が継続的かつ計画的に行われることが重要である。

 ・・・という部分です。

 もし表題の質問を持ったのが事業者メンタルヘルス推進担当者であったなら、労働者の人生に関わることですので、これからしっかりと学習して対策にあたっていただきたいと思います。