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私が「広告業界」に新規参入する理由
当ブログ「ビジネスライターという仕事」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/toppakoh/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
このたび、G9M(グッド・ナイン・メソッド;呼称「ジークエム」)というサービスを引っさげて、広告業界に新規参入することにいたしました。
とはいっても、既存のプレイヤーの方々には何ら脅威にならないはずのニッチなビジネスですので、関係者各位はご安心いただいたうえ、生暖かい態度で接していただければと切にお願いいたします。ライターとしてのお取引先も何社かございますが、変わらぬご愛顧をいただければと存じます。また記事を読んで、その辺り確かに我が社には足りないという会社様とは是非コラボレーションしたいと思っていますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
さて、私がG9Mの提供を始めた理由について書きたいと思います。これは2つあります。
お話しする前に、まずは「広告戦略」とは何かということをおさらいしましょう。
●広告戦略には2種類ある
「広告戦略」については、コトバンクに「グロービスのMBA経営辞書」からの引用がありました。とても分かりやすい定義なので参考にさせていただきます。
これによれば、広告戦略には大きく2種類あることが分かります。クリエイティブ戦略とメディア戦略です。
下図にまとめてみました。
詳しくは、先のリンクを見てください。後の説明には、この図を頭に入れておいていただければ十分かと思います。
●理由1:ポジションが空いていた
さて、私がG9Mという広告戦略策定サービスを始めた理由です。
私のような個人がビジネスをするからには、ニッチなポジションを狙う必要があります。
この数年の実務経験で、広告に対して一家言持てるようになりました。しかしながら、私がいまさら広告代理店や制作会社を始めても成功する確率は恐ろしく低いでしょう。クリエイターでの成功も難しい(ライターはやっていますが)。どちらもとにかく競争相手が多いからです。
とはいえ、昨年ぐらいから広告関連の仕事を頼まれることが多くなりました。PRライターとしてだけでなく、コンサルタントとしてもです。ということは、どこか空いている領域があるに違いない。
ようやく見つけ出したポジションが下図です。
広告業界にいたことがないので、多少想像も混じっています。ただ、少なくとも私がこれまでお付き合いしてきた会社や個人事業主に関しては、「G9M」のロゴのある位置が、どうもスポッリ空いているようなのです(なお、この図からお分かりのように、G9Mはクリエティブ戦略専門の方法論です)。
広告代理店にある程度丸投げできる規模の企業なら、G9Mはまったく必要のないものかもしれません。しかし、自社でDMもチラシもHPも作っている(デザイン等は外注するにしても)ような中小企業や、大企業でもBtoB専門の企業ならG9Mは極めて価値が高いと思うのです。
なぜなら、方法論もなく自作しても費用対効果が出ませんし、外注してもピンとくる成果物が出てこないからです。
なお、既存のプレイヤーには方法論がないという風に見えますが、決して貶めているわけではないのです。というのは、広告にはかなりアートに近い部分があり、この図は私にはそのようなセンスが(もちろん勘も経験も)ないと言っている面もあるからです。
ないけれども、ビジネス上必要だから自分で方法論を作ったんですね。それが意外と、私と同様な企業のお役に立っているということです。
既存のプレイヤーが全力で作ったものには対抗できないでしょう。しかし、世の中広告を自力で作らないといけない会社が多いのです。そのような会社が一定レベル以上の費用対効果が出せるようなお手伝いをするのがG9Mを提供する目的なのです。
●理由2:驚いている顔や喜んでいる顔が見たい
ビジネスとして成り立つか、要するに食べていけるかが第一の理由ですが、しかし、それだけではやる気になれません。
私もすでに50歳となり、新しく仕事を始めるのもそろそろ最後にしたい。それならば、残りの人生を賭けられるような充実感や達成感のある仕事がしたい。
充実感・達成感はどこから出てくるでしょうか?
これは自己満足では無理です。お客様が驚いてくれたり、喜んでくれたりしないと湧いてくるものではありません。「驚いた顔や喜んでいる顔が見たい」と言っても、キレイゴトではないのです。
そのためには、最も得意なことをやることです。
私は、長い間企業向けのシステム開発に携わってきました。この業界は結構いいかげんです。
私が業界に入る前には、理系出身の職人的なエンジニアが多数いました。それがバブルの直前ぐらいから、私のような文系出身者も大量に採用するようになりました。
基礎的な訓練を受けていない人間を、新人研修で促成栽培して、いきなりプロとして売り出すわけです。当然、実力という意味ではピンからキリまで大差があります。
とはいえ、「キリ」のほうの人材でも、最低限のプロの仕事をしてもらわないといけません。そのために、勘・経験・センスに頼らなくても、システムを構築できるような方法論が発達してきました。
私は、このような業界で、ずっと標準を作ってきた側の人間です。元々「できない」エンジニアだったので、適役だったのだと思います。
広告についても同じような歩みをしてきました。独立しても広告代理店に依頼する資金がありません。そこで、いろいろな人に教わりながら、先ほども書いたように、自分なりの方法論を作ってきました。それが下図です。
つまり、方法論を作って、誰にでも可能なところにまで落としこむのが得意なのです。
まず提案の段階で、方法論があること自体にお客様は驚いてくださいます。
ワークショップの「軸」を作るという過程だけでも、驚きと喜びがあるようです。最初は、どこの馬の骨が来たのかと怪訝な顔をしていた参加者も、終わる頃には笑顔になり、やる気が出てきたよとおっしゃいます。
そして、結果も出ます。以前の10倍の成約率というケースさえありました(事例はこちらに)。当然、喜んでくださいます。
本格的に始める理由としては、こちらのほうが大きい。
ようやく天職が見つかったように思います。
この記事を読んでくださったあなたと、あなたのオフィスでお会いできたらと願っております。
※この記事は、G9MオフィシャルHPのブログ記事「G9Mを始めた理由」を誠ブログ用に再構成したものです。