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6月2日 自己認識と対比意識~自分や競合の実力の把握どころかそれ以前でみんな苦しんでいる(#375)
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今回、松下幸之助さんが言っているのは要するに、自分の実力と競争相手の実力をきちっと把握し、その中で何をするのがベストか、何をやってはいけないかをよくよく考えろ、ということです。
そして、そもそも自分の実力の認識がまずできていないと言っています。
私は、それ以前だと思っています。
自分の失敗をあえて公表すると、会社を作って最初の半年間は、自分の実力はおろか、自分が何をしているのかさえよくわかっていませんでした。
出版・連載⇒セミナー集客⇒コンサル案件獲得⇒出版・連載へのフィードバックという、スパイラルに上昇していくサイクルを作るというのが起業したときの私の戦略だったのですが、それぞれのテーマがまったくずれていました。
出版・連載ではSE向けのもの、セミナーはSE向けと営業向けの二本立て、コンサルの経験はユーザー企業向けのITコンサルと、完全にちぐはぐでした。これでは、顧客獲得はありえないし、実際起業して1年間はむなしくセミナー開催を繰り返すだけでした。
いま、こうして解説していると、なんて愚か者だったのかと思います。読者のあなたも、きっとそう思っていることでしょう。
しかしながら、渦中の人間には自分のちぐはぐさが良く分かりません。私もそうでしたし、またうまくいっていない人を見ていると、同じようにちぐはぐなことをしています。そして、ご本人はまったく気づいていないものなのです。
気づかないどころか、こんなにがんばっているのに、と愚痴をもらしている人がほとんど。ちぐはぐだなんて、こちらから指摘しようものなら、怒り出すかもしれないので、言わないようにしています。
人のために何かを言って怒られるなんて愚の骨頂ですし(とはいえ、以前はよくやっていましたし、今もときどきやってしまいます・・・)、人間いつかは自分で気づくものですから。
今日の一言)うまくいっていないときは、戦略を立て直す前に、自分がちぐはぐなことをしていないかをまず見直そう。
「アドバイス」に関しては、本文では軽く書きましたが、私なりに考えもあります。
実を言うと、私も故水口健次先生に、「おまえ、ちぐはぐやな。これでは食えんで」とおっしゃっていただいて、目が覚めたという経緯があります。
これが、たぶん当時親しい人に言われていたら、反発しただろうと思うのです(いまは、素直に聞けると思うのですが・・・)。
アドバイスというのは面白いもので、しているほうは、もちろん相手のためもあるでしょうが、多くはこんな素晴らしいアドバイスができる自分を認めてほしいという気持ちがどこかにある。
されるほうとしては、受け入れることで相手より劣ることを認めることになるので、よっぽど尊敬する先生からされたのでもない限り、どこかに「おまえごときに言われたくない」という気持ちがある。
世の中のアドバイスのほとんどが、人間関係を壊す方向に働くのは、このような背景があるからです。
まあ、この辺は素直に世の中を見ている方であれば納得していただけるでしょう。
であれば、どうしたらいいのか?
基本的に、アドバイスはしない。自分を認めて欲しくてやることの結果として、おまえごときと侮られるぐらいばかばかしいことはありません。
アドバイスをするなら、自分を認めて欲しいという気持ちは捨てる。ただ、これができる人はほとんどいないでしょう。私も、アドバイスをして「しまった」と思ったときは、必ずこの気持ちが裏にありました。
それでもアドバイスをしたいという人は、がんばって早く尊敬される先生になるか、アドバイスをして結果として侮られることを受け入れるかどちらかだと思います。
あるいは・・・
ブログなどに一般論を書くことで、アドバイスしたい気持ちを昇華するという手もあります。
まあ、それでもついついいらぬおせっかいをするのが、人間というものかもしれません。
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本年の一日一言は、『松下幸之助 成功の金言365』を毎日1ページずつ読んで、自問自答するという趣向です。
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