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磨かないと尖らない。尖らないと刺さらない~書を捨てよ、現場へ出よう
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ぼくは、もうすぐ47歳になりますが、これは偶然にも寺山修司が死んだ歳だと、さきほどWikipediaに教えてもらいました。
なんで寺山修司かというと、今朝愛犬コジローの散歩に出かけたときに、Twitterでつぶやいていて、偶然「書を捨てよ、町へ出よう」という言葉を思い出したからです。
もうすぐ寺山が死んだ歳になるのに、100分の1の事跡もないことに一抹の寂しさを覚えるのは、自意識過剰――なんでしょうね(微苦笑)。
それはさておき、ぼくはなぜ「書を捨てよ、町へ出よう」なんて言葉を思い出したのでしょうか?
●真実はどこにあるのか?
民主党の失政が失笑を買っているようで、失政と言われる段階でダメだとも思うのですが、しかしながら普天間基地の問題だって、ぼくは何一つ発言するだけの材料を持っていないということに気がついて、ちょっと呆然としたのです。
たとえば、デモの映像がテレビに映ったとして、よく注意して見ていれば、ここに及んでも未だに連立政権から離脱しない某党なんかと主義主張を同じくする団体が中心になっているのがすぐに分かります。
しかし、だからと言って、沖縄県民の「民意」が基地反対でないかどうかは、実はまったく分からない。誰に聞けばいいのかも分からない。
テレビを見る限り、沖縄は騒然としていますが、実際現地にいけば、もっと落ち着いている気もする。いや、実はもっと怒っているのかもしれない。
まあ、歴史上の事件は、どれも騒いでいたのはごく一部の人だけです。今回の問題も一緒だと思って間違いない。間違いないけれど、でも真実は何なのかは気になる。
ちょっと取り上げた事件が大げさだったかもしれません。
ぼくが家で仕事をする時間が長いので、故ナンシー関のようにテレビを見ているからかもしれませんが、最近もっと小さな事件でもこのように感じることが多い。
ましてや海外の事件なんか、何が真実なのかさっぱり分かりません。
ネットで何でも分かると思っている人もいるようです。しかし、まったく逆。
情報が増えすぎて、ますます分からない。ノイズなのかチューン(音楽的な音)なのか、もはやさっぱり分かりません。
●昔の人の知のあり方に立ち返るしかない
要するに何も信じられない状態です。このようなときに重要なのが自分軸をもっともっと磨くことだと改めて思いました。
ぼくは、よく「尖れ!」ということを言います。
顧客セグメントを絞り込めずに営業に失敗している会社が多数あります。そういう会社は絞るのが怖いのですが、結果が出ていないときは、さらにさらに絞ることが必要です。
よく使う喩えですが、「すりごきでは刺さらないが、キリになるまで尖らせば刺さる」ということです。
見込み客の心に刺さらないと買ってもらえません。
そのためには、「誰に」を絞るのはもちろんです。
そして、「何を」も特化した専門性の高いもの、いわば日本一、世界一のものを提供すべきです。提供する価値を絞ればそれも可能です。
さらに、「なぜ」を深く深くする。ここまでやるのは、これだけの強い思いや深い理由があるからだということを示す。
以上が、自分軸を磨くということです。
どうすれば、このようなことが可能なのか?
ぼくは、昔の人の知のあり方に立ち返るしかないと思っています。
●現場にしか真実はない
昔の人は、人に会いました。そのための旅に出ました。
孔子も釈迦もアリストテレスも旅に出ました。
日本人もそうです。江戸時代のような極めて人の往来が制限されていた時代でもみな歩きまわって知識を得ました。
みなさんが好きな幕末の英雄もみなそうです。
特に危機の時代はそうでした。幕末などまさにそうだったから、有志の人はみな人に会いに行きました。
そして、実際にコトが起こっている現場(京都、横浜、江戸、長崎など)を実際に見に行きました。
いや。定住して動かない人でも事情は同じです。
子供のころからずっと山で暮らしている人や、海で育った人の知識は、本では得られないものです。いわんやネットでをや。
たとえば、釣りの本を何十冊読んでも、現地で漁師が教えてくれることはどこにも書いていません。
そう。昔の人は(そして、今でも心ある人は)、現場にしか真実がないことを知っていたのです。
●人と場が磨いてくれる
試行錯誤なくしては、自分軸は磨かれません。
試行錯誤というと味気なく聞こえますが、要するに現場に出かけていって、実際に人に会ってフィードバックをもらうということです。
うまくいっていない人は、机上で考えるのはやめて、もっと現場へ行きましょう。それが一番です。
自分軸は一度作れば、安泰というものではなく、うまくいくまで磨き続ける必要があります。
さらにそれだけではありません。
恐ろしいことに成功という名の錆がつくことがあるのです。
失敗しているときに磨くことはやぶさかではない人も、成功の錆を落とすのには躊躇することが多い。
成功したとたんに現場に行かなくなる経営者がいますが、先は短いのは、みなさんご存知の通りです。
そう。ブログなんか読んでいる場合ではないのです(笑)。
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