今日は、短いので全文掲載させていただきます。PHPさま、お許しください。

　世の中というのはよくしたもので、濡れ手で粟といったことは、実際にはないし、許されないことなんです。ぼろい話というものには大きな反動があって、往々にしてせっかく得たものまで失ってしまうということになりやすい。

　一人だけ先に進もうとか、自分だけうまくやろうとすると、落ち着きを失ってしまう。そこに人を疑うといった心も起こってきて、間違いが生じてくる。（『松下幸之助 成功の金言365』）

この「落ち着きを失ってしまう」という表現を味わっていただきたく、全文掲載の挙に踏み切りました。

落ち着きを失う――いい表現です。実感がある。

私も濡れ手で粟などという経験はなかったと思うのですが、会社員時代に飛ぶ鳥を落とすような勢いだったことぐらいはあります。

新規のグループを立ち上げたときに、受注を増やせば人も増やすという約束だったので、神経症のリハビリも終わって、これから挽回だと思っていた私は提案6連勝で、あっという間に3人だったメンバーを12人まで増やしたのでした。

こうなると、まさに「落ち着きを失う」ものなのですね。

さらに人を増やそうと、さらに仕事を獲り、マネジメントが追いつかなくなりました。

1年後、得たものをすべて失い、私は別の部門に異動となりました。

今日の一言）好調なときこそ、落ち着きを取り戻そう。