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ガララーガほどではないにしろ~ネガティブな反応を自己成長に変える方法

ガララーガほどではないにしろ~ネガティブな反応を自己成長に変える方法

森川 滋之

ITブレークスルー代表、ビジネスライター

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すでに多くの方がマスコミやネットで見聞し、感動したのではないかと思うMLBタイガースのガララーガ投手のエピソード。

ガララーガ投手が完全試合まであと一人。「最後」のバッターを内野ゴロで討ち取り、偉業達成。と思ったら、一塁塁審のジョイス審判がセーフの判定。タイガース側は当然の猛抗議。

判定は覆りませんでしたが、ジョイス審判はその後ビデオを何回も見直し、自分の誤審を確信し、タイガースベンチに謝りにいきます。まず、この勇気と潔さにぼくは感動しました。

そして、もっと立派だったのが、ガララーガ投手。なにしろMLB全体でまだ20人しか達成していない完全試合です。それを誤審でふいにされたのだから、激怒しても当然の場面でした。

ところが、ガララーガ投手は、ジョイス審判をハグして、「人間は完璧でないさ」と答えたとのこと。

いやあ、もう、すみません、ちょっと涙ぐんでしまいました。

その後も両軍監督の粋なはからいもあり、今話題の美談となっています。

一部つまらない騒ぎ方をしている人たちもいるのが残念とは言えますが、当事者たちは本当に立派だなあと思います。

この話で、完全試合を達成した20人以上に、ガララーガ投手の名前は語り継がれるのではないでしょうか。

さて、ぼくもガララーガ投手にはまだ遠く及びませんが、ネガティブな事象に対して、対応の仕方が変わってきたなと思っています。

●自分軸ができても、動揺はする

自分軸(「誰に」「何を」「なぜ」提供しているか?)ができて以来、セルフイメージが高まったからでしょう。ほとんどのことに腹が立たなくなってきましたし、自分より成功している人への妬みや対抗心も、まだゼロとは言えませんが昔よりはずっと少なくなりました。

しかしながら、ネガティブな反応に関しては、どうしても動揺します。動悸がするなど身体的な反応を完全に制御することは、やはり難しい

なので以前は、心理学的な用語で言えば防衛機制の一つの形態になるのでしょうか、合理化することにしていました。

アンケート等でネガティブな反応があったら、

  • この人はまだ成長過程なので、いつかは分かってくださるだろう
  • このような概念が理解できないとは気の毒に・・・なにかできることがあればいいのだが
  • ほとんどの人はポジティブに反応してくれているから、この人はたぶん職場で浮いているのだろう・・・気にしないことにしよう
  • この人は、たぶん依存的な人で、過度な期待をするタイプなのだろう。ご自分が変わられるしかないな

などと考えるようにしていました。

「上から目線」を取ることによって、ネガティブな反応をした相手を相対的に貶めて、自分の優位を保つという戦略です。 

しかし、今はまったく違います

ポジティブな反応は励みにさせていただき、ネガティブな反応には本当に感謝するようになりました。

●こういう風に反応すれば、成長できる

たとえば、昨日のことですが、あるIT企業の50名ほどの参加者の前で、講演させていただきました。

5%ルールというのがありまして、出講依頼を受けると、必ず5%ほどの方が、とてもネガティブな答えをアンケートに書いてくださるのです。

なので、昨日でいえば、2、3人の方が、かなり痛烈なことを書くだろうなと覚悟していました。

で、実際に1人がかなり辛辣、もう1人が時間のムダだったようなことを書いておられました。

先ほども書いたように、読んだ瞬間は動揺します。胃が痛くなったり、胸騒ぎがしたりするのはとめられません。

しかし、深呼吸して、じっと見ていると、そのようなネガティブな回答がいろいろなことを教えてくれていることに気づきます。

昨日の例でいえば、資料の作り方が悪いという辛辣なご指摘がありました。

実は、敢えてそのような構成にしていたこともあったのです。だから、一瞬「わかってないな」という気持ちも浮んできました。

しかし、そのように考えて自分が成長できることはまずありません

ぼくは、では今日の資料は本当にベストを尽くしたのか?もっと分かりやすい構成が取れたのではないか?と反省してみました。

そうすると、まだまだ工夫できることに気づきました。

また、構成だけでなく、コンテンツのほうでも、今まで前提としていたことを見直したほうがより分かりやすくなるぞ、ということにも気づきました。

全員がポジティブな反応だったら、そのような反省はなく、ぼくは成長の機会を逃していたことになります。

なので、成長の機会を与えてくださったネガティブな回答に心から感謝しています(※)。

※これを皮肉と受け取る方は、残念ながら少し心が歪んでいると思います。

だからと言って、ポジティブに反応してくれるなということではありません。ネガティブな人が5%だからいいのです(笑)。

●自分軸があるから、一瞬の動揺ですむ

自分軸があっても動揺はとめられないと書きました。

これを裏返すと、自分軸があるからこそ一瞬の動揺ですむとも言えます。

なぜでしょうか?

ぼくは、下図を使って説明しています。

 

2010060801.gif

▲自分軸のイメージ

 

これはコマの絵です。「軸を安定させるこだわり」とは「なぜ」のことです。

自分軸ができている状態は、このように自立している状態です。

「誰に」「何を」だけでは、立つことができません。それに「なぜ」が加わり、試行錯誤という回転を与えることで、安定して自立し続けることができます。

なお、こだわりは大きすぎると、今度は地面にあたって倒れてしまいます。

さて、この絵で言えば、ネガティブな反応は、軽く指で弾かれたようなものだと説明できます。

安定して回っていれば、一瞬ぐらつくでしょうが、すぐに元に戻ります。

これが、自分軸があれば、ネガティブな反応に対して一瞬の動揺ですむ理由です。

 

ネガティブな反応は、教えの宝庫です。

天か神かは分かりませんが、そのような存在がその人の口あるいはペンを借りて、言ってくださったとしか思えないときさえあります。曇りのない目で見ると、信じられないどんぴしゃのタイミングでそのような反応をもらうことがあるからです。

ただ、このように捉えられるようになるには、自分軸を強固にしていく積み重ねが必要なのです。

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