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アスリートは、Win-Loseの闘いをしているだけではない(#134)
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今の時代にあった競争をしよう。
●解説
先日、あるブログから張られていたリンクが目を惹いたので、クリックしました。
そこには、競争を避けていてはビジネスでは勝てない、ライバル企業を叩き潰して、シェアを拡大する方法を教える、というようなことが書いてありました。
私は、目を疑いました。1980年代までならまだしも、いまどきこんなことを声高に主張する経営コンサルタントがいるんだ。で、たぶんクライアントもいるんだ。ちょっとめまいがしました。
※このように書いた後、ある本を読んでいたら、こういうことって小泉構造改革時代には、あたりまえだと思われていたことなんですね。そう言えばそうでした。ただ、私の感覚ではバブルがはじけた後に急速に協業というスキームが増えていったように思います。
たしかに、ビジネスの局面では、ライバルを叩きつぶさないといけないケースもあります。提案コンペなどです。
とはいえ、私がいたIT業界などでもジョイントビジネスは普通でして、先日のコンペでは敵同士だった会社と、今回のコンペでは共同提案をすることなど茶飯事です。
提案コンペに負けても、この部分は御社のほうが得意そうだから、プロジェクトに入ってもらえないか、というような打診を受けることも珍しくありません。
競争するよりも、協力してパイを拡げていこう(談合など利益操作をするものはダメでしょうが)という選択肢をまず探す。
Win-Loseの競争はもはや流行らず、Win-Winをまず探ろうということです。
企業同士の競争も、以前は広告宣伝と営業ローリングで、他社のシェアを奪い、自社の繁栄のみを追いかけるWin-Loseなものでした。
今は、どの会社がお客様に一番喜ばれるかという切磋琢磨をしているように思います。
切磋琢磨を続けるうちに、業界全体のイノベーション頻度が高まり、企業とお客様のWin-Winが実現してきています。
その切磋琢磨に耐えられなくなった会社が自然淘汰されていくというのが今のビジネスなのではないでしょうか。
真善美を目指して実現できている会社が生き残っており、そうでない会社はなくなっていく。相手を蹴落とすことに時間を使っている暇などないのです。
●裏解説
アスリートの闘いも、勝者が全てを獲り、敗者には何も残らないWin-Loseなものと捉えられがちです。
確かにそのような一面もありますが、頂点に近づくほど、違う一面も見えてきます。
闘いが始まったときは、憎いライバルを叩きつぶしてやるという気持ちが大きいかもしれません。
しかし、疲れてくると、普段どれだけの鍛錬をしているかの競い合いに変わってきます。
体力の限界になると、憎しみのような感情は消え去り、どちらの気持ちが強いかの闘いになっていきます。
その経過を見て、観客は興奮し、感動します。
闘っているアスリート同士と観客全員が、その場を共有できたという究極のWin-Winが実現します。
場合によっては、勝者と敗者の両方どころか敗者だけが記憶に残っている闘いもあります。これこそアスリートの闘いがWin-Loseだけではないという証明ではないでしょうか?
昨日の、石川・薗田の対決なんか、Win-Winと見ました。
もちろん、Win-Loseの残酷さはあったのですが、薗田が得たものの大きさと今後期待できる活躍をイメージすると、Loseだけではないと思うのです。
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