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そろそろ寿命のPCのその後
仕事と生活と私――ITエンジニアの人生
そろそろ寿命のPCのその後
グローバル ナレッジ ネットワーク株式会社で、Windows ServerなどのIT技術者向けトレーニングを担当。Windows Serverのすべてのバージョンを経験。趣味は写真(猫とライブ)。
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前に「そろそろ寿命のPCをどうすればいいのだろう」という記事を書いたが、消費税率が上がる前にやっと新しいPCを買った。
何かの参考になるかもしれないので、すべて実際の型番を記載するが、特別なポリシーがあるわけではなく、たまたまそうなっただけである。たまたま安かったとか、在庫があったとか、そんなものである。
最近まで使っていたのはDELLのPCで、2007年3月に購入したWindows Vistaマシンである。今回購入したのはもちろんWindows 8.1マシンで、64ビット版にした。
最近まで、DELLのPCはWindows 8.1が選択可能なモデルはほとんどなく、特に法人向けには皆無だった。Windows 7はメインストリームサポートが終了に近付いており、新規に導入することは考えられない。ようやくWindows 8.1が簡単に選べるようになって良かった。
OSの移行にあたって、アプリケーションはほとんど問題とならなかったが、デバイスの移行が難しいと予想していた。
- キヤノンイメージングシステムズ製プリントサーバーNet Hawk WP-100 (プリンターはキャノンMP-830)
- ミノルタ製フィルムスキャナDiMAGE Scan Elite 5400
補足説明しよう。
プリントサーバーWP100のツールはWindows 7移行でセットアップができない上、製品のサポート期間が過ぎており、新しいドライバは出ない。仮想USBポートを作成するため、インストーラーに手を加えたとしても、64ビット版OSで動作しない可能性が高い。
フィルムスキャナDiMAGE Scanの発売元だったミノルタはコニカと合併し、その後カメラ事業から撤退した。デジタルカメラ部門はソニーに引き継がれたが、フィルムカメラ関連の一部はケンコーに譲渡されている。ケンコーからはドライバーなどは配布されているがアップデートはない。
いろいろ調べたら、「Windows7でコニミノのフィルムスキャナを使う!(Update#2)」という記事が見つかった。DiMAGE SCANのドライバーは、実はOS標準のスキャナドライバを使っているようで、デバイスドライバの構成ファイルをテキストエディタで書き換えれば64ビット版Windows 7でも動作した(Windows 8は未確認)。
ただ、フィルムスキャンを行ったのはここ数年で数回しかないので、なくてもいいかと思っている。どうしても必要ならWindows 8.1 ProのHyper-Vに搭載された「USBリダイレクト」機能を使えばよいはずだ。
というわけで、問題はプリントサーバーに限られた。
●プリントサーバーの選定
「キャノン製複合機用」と銘打った製品が、サイレックス・テクノロジーから出ていたが、Windows 8.1は未対応だった。Windows 8.1ではWindows 7以前のOSとの互換性が少し下がっているという話もあり、Windows 8で動作したからといって8.1で動作するとは限らない。
汎用プリントサーバーは8.1用ドライバーが用意されているが、ベンダーサポートによるとキャノン複合機での実績はないという。
プリントサーバーWP-100は無線LANアクセスポイント機能を持つが、事情があってバッファローの無線LANアクセスポイントWZR-900DHP を購入しており、これにもプリントサーバー機能がついている。ただし、「スキャナーなどの複合機機能には対応しない」と明記してあった(後述するとおり、これは間違いだった)。
とりあえずプリンターだけ共有しようとセットアップを始めたところで、管理ツールに記載されている項目に気付いた。
- プリントサーバー…使用する
- プリンター複合機を使用する…使用する
どうも、複合機の使用は考慮されているようである。
そこで、以下の手順でセットアップをしてみた。
- PCにMP-830プリンタードライバーのインストール
- PCにMP-830をUSB接続
- PCでMP-830を構成
続いて、複合機の構成ツールをセットアップした。
その結果、以下のことが分かった。
- プリンターについては、自動接続と印刷後の自動切断が可能
- スキャナーについては、手動接続と手動切断が必要
接続していないPCからの強制切断はできないようなので、多少不便かもしれないが、実用上は問題ないだろう。
これで、追加の出費なしにプリンターもスキャナーも使えるようになった。
あとで調べると、ファームウェアの新しいバージョンから複合機をサポートしているようであるが、おそらく動作チェックをしていないのだろう。プリンターは毎年新機種が出るので、何年も前の機種のチェックは省略されても仕方がない。「非対応」ではなく「未確認」として欲しかったところではあるが、そこはドキュメントの更新が追いついていないのかもしれない。
というわけで、以前の環境を全面的に移行することができた。
●カラーマッチング
予想に反して正常に動作していないのが、カラーマッチング機能である。EIZOのディスプレイCG242Wに、カラーマッチング用センサーi1(アイワン)をつないで、色設定を行っているが、これが動作しない。調整中、明らかに違う色になってしまうのだ。
仕方ないので、暫定的に手動で調整したが、若干色がおかしい。最後にセンサーを使ったのはずいぶん前なので、センサーの故障という可能性もある。時間を見て確認してみたい。
●ユーザープロファイルの移行
実は、意外に手間取ったのがユーザープロファイル(ユーザーの環境設定)の移行である。オフィスのPCは結構頻繁に入れ替えがあるので、最近は「Windows移行ツール」を使っている。
ところが、Windows 8.1の移行ツールはWindows Vistaをサポートしなかった。
Windows XPからの移行ツールが期間限定で公開されているというのに、それより新しいWindows Vistaからの移行をサポートしないのは腑に落ちない。
仕方がないので、アプリケーションごとに手作業で移行を行った。
●終わりに
いろいろ不都合はあったが、それでも全体としてWindowsの互換性には満足している。特にアプリケーションの互換性についてはほぼ完璧だった。
ドライバーの問題は、周辺機器ベンダーの問題なので、マイクロソフトの責任はそれほど大きくない。利用者ができる予防策はあまりないので、これから事業撤退のないことを祈るばかりである。
品川にある、日本マイクロソフトのビル前にある桜。
ちなみに、米マイクロソフト本社のあるレドモンドやベルビューには多くの八重桜がある。