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「不動産業界の広告手法を変えたかった」コンテンツマーケティングに挑む急成長ベンチャー[キャッシュバック賃貸]遠藤彰二氏へインタビュー

「不動産業界の広告手法を変えたかった」コンテンツマーケティングに挑む急成長ベンチャー[キャッシュバック賃貸]遠藤彰二氏へインタビュー

吉岡 諒

慶應義塾大学在学中の2006年6月に株式会社ウィルゲートを設立。現在9期目を迎え、専務取締役として約110名の規模に拡大させる一方で、1400社のコンサルティング実績をもつWebソリューション事業部の最高責任者も務めています。

当ブログ「ウィルゲート吉岡の「Webマーケティング最前線」」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/yoshioka_ryo/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


今回は2015年のWebマーケティングにおける最重要トレンドである「コンテンツマーケティング」の事例をご紹介します。

 

私の専門領域はSEOですが、ここ数年でコンテンツとSEOは必ずと言っていいほどセットで語られる様になってきました。必然的に弊社でもコンテンツ関連のソリューションをご提供することも増えています。

 

コンテンツマーケティングとは何か?==============

コンテンツマーケティングとは、見込み顧客や既存顧客に対して有益なコンテンツを提供することによって、見込み顧客が自社の商品購入等(コンバージョン)に繋がる行動を起こし、最終的にロイヤルカスタマーとなることを目指すマーケティング手法です。

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今はコンテンツマーケティングという新しい言葉によって定義付けされたためにコンテンツに注目が集まっていますが、個人的には昔からあるマーケティングの本質的な考え方が再注目されているという印象です。

 

とはいえ実際にコンテンツマーケティングに本格的に取り組んでいる企業はまだまだ少数です。特に人員にも予算にも限りがある中小・ベンチャー企業にとって、中長期的に取り組んでいかなければならないコンテンツマーケティングを始めるのは少しハードルが高いかもしれません。

 

限られたリソースでコンテンツマーケティングを実践していくためには、外注を上手く活用することが必要不可欠になってきます。コンテンツマーケティングのどの部分をどんなソリューションで補っていくかが重要です。

 

以下でご紹介するのも弊社のクライアント様の事例です。インタビュー形式になっています。

弊社の「キジタス」を最大限活用して1つのメディアを運営していただいています。外部のソリューションを使いながらコンテンツマーケティングを実践している事例としてご覧いただければと思います。

このインタビューは「【キジタス100社導入記念インタビュー】コンテンツマーケティングに挑む急成長ベンチャー企業」を転載したものです。

事例紹介:不動産業界におけるコンテンツマーケティング事例「キャッシュバック賃貸」

 

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クライアント: 賃貸情報株式会社

対象サイト: キャッシュバック賃貸(http://cbchintai.com/)

ご担当者様: 取締役副社長兼COO 遠藤 彰二 様

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キャッシュバック賃貸   祝い金がもらえる賃貸情報サイト

祝い金がもらえる賃貸情報サイト/キャッシュバック賃貸(http://cbchintai.com/)

 

 

不動産業界の広告手法を変えたかった

 

─遠藤様はこれまで多くの事業を育ててこられたと思います。その中でなぜ「キャッシュバック賃貸(http://cbchintai.com/)」を立ち上げようと思われたのですか?

遠藤様(以下敬称略):エンドユーザーの立場になって考えたときに、自分が求めるような物件が圧倒的に少ないという印象を持ちました。それは、不動産会社が扱っている物件全部を賃貸ポータルサイトに掲載できないために起きている現象でした。その理由は、不動産業界における広告の仕組みにあって、既存の賃貸ポータルサイトの多くの広告は掲載時点、お問い合わせ時点に広告費用が発生して、不動産会社の一番の望みである契約に至らなくても広告課金が発生する状況でした。そのため、不動産会社は安心して広告を出すことができず、ユーザーが求めるような物件数が掲載されているポータルサイトが少なかったのです。

それに比べ、キャッシュバック賃貸は不動産会社にかかる費用は、物件が「成約」に至った時点。不動産会社にはリスクもなく、無料で物件を掲載していただけます。無料掲載のため不動産会社に掲載を依頼する営業コストもそれほどかかりません。その分、ユーザーには、本サイトを通じて成約に至った際は、高額のキャッシュバックという形で還元することができ、ユーザーから支持される理由にもつながっています。

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遠藤 彰二氏(えんどう しょうじ)/ 賃貸情報株式会社 取締役副社長兼COO 自身が立ち上げた就活カレッジをネオキャリアに売却後、リブセンスに取締役として参画。
その後も映画特化型共同購入サービス「ドリパス」を成長させ、Yahoo!JAPANに売却する等、
次々と事業を創造し、新たな市場を開拓し続けるシリアル・アントレプレナー。
運営サービスであるキャッシュバック賃貸を急成長させ、直近で資金調達を成し遂げるなど勢いに乗る。
(関連記事:「THE BRIDGE」 2015/2/4 http://thebridge.jp/2015/02/cash-back-chintai-raised-100m-yen-from-dentsu-and-smbc-vc

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コンテンツマーケティングのみでサービスを成長させる

─4マス広告に加え、PPC、SEO、バナーなどマーケティングには様々な手法が考えられます。そのようなマーケティング手法は考えられたのですか?

 

 遠藤:当サービスは、ほぼコンテンツマーケティングのみで育てています。4マス広告は勿論、いわゆるネット広告と言われるものもこれまではほとんど使っていません。サイトの改善による検索エンジンの上位表示は勿論目指していますが、当サービスにおいては、作為的な外部リンクなどは一切使っていません。

 

─なぜコンテンツを軸にしたマーケティングにフォーカスしているのですか?

 

 遠藤:競合企業がテレビCMを始めとするような広告に、多額の予算をかけ事業運営している業界なので、中途半端な広告費だと、獲得コストが高くなり利益がでない構造になってしまうということが前提としてあります。対して、コンテンツマーケティングという広告手法は、生涯に渡って集客に貢献してくれるので、フローではなくストックになるという考えが根本にあります。だからこそ長期的にみれば獲得コストが下がっていき、利益を生みやすいサービスの構造となります。

さらに、結局はユーザーが求めるコンテンツを作れば、ユーザーはサイトのファンになってくれます。そして人気のコンテンツは自然にSNSなどで拡散されます。その結果、検索エンジンからも評価されるようになりより多くのユーザーが見てくれるサイトに育っていきます。本質的な価値を提供しているので、Googleからペナルティを受けたりするリスクが少ないのも特徴のひとつです。

 

─ユーザーのためになるサイトが広がっていくのはもはや主流の考え方にもなりつつありますね。では具体的な取組みについて教えてください。

 

 遠藤:ここで全てをお話することはできませんが(笑)、 御社にお願いしている施策も含めて大きく2つご紹介します。1つは御社のサービスである「キジタス」にお願いして、サイト内に構築した「住まいの調査隊(http://cbchintai.com/research/)」というコンテンツになります。お部屋の検索から、内見、契約、引越しまで、引越しを考えているユーザーの方が気になる情報や不安な点等がアンケート形式で閲覧できます。引越しを考えるユーザーが知りたい情報は、通常の不動産サイトにあるような価格、広さ、敷金・礼金以外にもたくさんあるのです。

 もう一つ、「SINGLE HACK (http://cbchintai.com/singlehack/)」というコンテンツをキャッシュバック賃貸のドメイン内に設けています。いわゆるオウンドメディアとしての位置付けで、「一人暮らしを刺激するWebマガジン」というテーマのもと、引越しニーズが顕在化しているユーザーではなく、今後引越しを考えているような潜在ユーザーにアプローチができるようにしています。

 

住まいの調査隊   キャッシュバック賃貸

住まいの調査隊http://cbchintai.com/research/

弊社サービス「キジタス」により作成。みんなが気になる住まいのあれこれを徹底調査したコンテンツページ

SINGLE HACK  シングルハック    一人暮らしを刺激するウェブマガジン

SINGLE HACK (http://cbchintai.com/singlehack/)
一人暮らしを刺激するウェブマガジン。潜在層へアプローチすることを目的としたオウンドメディア

 

 

コンテンツマーケティングの成果は見えにくい?

─ユーザーの興味関心に合わせたコンテンツを用意していくことが成長の秘訣なのですね。ではもう少し踏み込んだ話なのですが、実際に上記のような取組みをされた結果、成果はいかがでしたか?

 

遠藤:詳しい数字はお伝えできませんが、御社のサービスにて作成していただいた、

「住まいの調査隊(http://cbchintai.com/research/)」から数百件のアシストコンバージョンがありました。コンテンツマーケティングの特性上、直接的なコンバージョンよりも、潜在的なユーザーへのアプローチが目的なので、アシストコンバージョンの増加という成果は期待通りです。数字自体は今後、御社とともに更に改善していきたいですね。

 

─今仰っていたように直接的なコンバージョンだけで測りにくいため、コンテンツマーケティングの成果は一般的に見えにくいと言われています。御社独自で定めている指標などは何かございますか?

 

遠藤:アドテク領域で言うアトリビューション(※)の概念をコンテンツマーケティングに用いています。目的が違えばコンテンツが違い、コンテンツが違えば当然コンバージョンレートが違うので、ラストクリックだけを見るのではなく、貢献度を数値化して割り振るということをやっています。更に、コンテンツを記事単位で、訪問数から始まり、回遊率、サイトへの再来訪率、本体への誘導率など、こと細かく数値を出して偏差値を付け、PDCAを回すということをやっています。こうすることで、コンテンツの価値を最大限に引き出すことが可能になるし、ある程度マニュアル化することも可能です。

 

※アトリビューションとは:従来は、 コンバージョン直前の接触履歴(ラストクリック)のみを広告に対する評価としていたのに対し、コンバージョンに至るまでの、顧客の接触履歴すべてにおける貢献度を評価するという考え方。

 

 

スピードと質を満たすサービスが「キジタス」

─コンテンツマーケティングを実施していくにあたり課題となっていた点はどこなのでしょうか?

 

 遠藤:コンテンツ制作にかかる時間や人件費です。当社はスタートアップですので、コンテンツ制作にかけられる時間や人が競合よりも圧倒的に少ないです。そのためコンテンツ制作は外部のパートナー会社と連携しながら作成しています。パートナー会社はコンテンツの種類に応じて、どこの会社に発注するかを使い分けています。

 

─インタビューも終盤ですが、非常に気になる部分ですね(笑)。多くのパートナー会社様もおられる中で弊社の「キジタス」に特に期待する部分を教えてください。

 

 遠藤:現在の「キジタス」に期待するのは「早さ」と「ユーザーの生きた声」です。担当の加藤さん、山崎さんからお伺いしていますが、それもクラウドソーシングサービス(編集部注※サグーワークスhttp://works.sagooo.com/)を利用しているからこそ実現できる価値だと思っています。「早さ」はスピード感をもってWebサービスを成長させていく上では欠かせません。また、住まい探しという重要なポイントにおいて一人の記者の主観だけではなく、アンケートという「ユーザーの生きた声」を見てもらえるのも重要な要素だと思っています。また良心的な価格も一つの魅力ですね。

 

─ありがとうございます。それでは最後に、「キジタス」やコンテンツマーケティング支援に今後期待することは何でしょうか?

 

 遠藤:「キジタス」に関しては、記事のバリエーションがもっと増えて色々なコンテンツを選べるようになってくるとより発注もしやすいですね。コンテンツマーケティング全体でいうといかに拡散を支援してくれるか。御社独自のメディアネットワークなどを使い、ユーザーにとって価値ある情報が拡散されていくことを期待しています。

 

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最後に

 

インタビューでも言われていた通り、コンテンツを制作していく体制を整えるのは普通の企業にとっては難しいはずです。コンテンツ企画、執筆やデザイン、編集は個別のスキルなので新しく人を採用したりする必要も出てきます。

 

キジタスはその企画の部分から編集を経て記事を仕上げるまでをご提供できるので、そういったコンテンツ制作体制がない方にもご利用いただけます。

 

インタビューでは①ユーザーのリアルな声をコンテンツにできる②記事納品のスピード③価格、の3点をキジタスの魅力として挙げていただきました。私としては、コンテンツにアクセスを安定的に獲得するために重要な「キーワード選定力」も魅力のひとつだと思っています。

 

ユーザーにとって有益なコンテンツを作ることに専念していると、検索エンジン経由でコンテンツを見つけてもらうことを前提としたタイトル作りや記事構成を忘れてしまいがちですが、私たちは最初にキーワード選定をすることでそれを防ぎます。

 

今コンテンツマーケティングが流行ってきていて新しいサービスやツールもどんどん生まれてくると思います。そしてコンテンツマーケティングを始める企業も増えてくるでしょう。色々なサービスがある中で、今回インタビューさせていただいた賃貸情報株式会社さんのように、自社の状況にあったものを選んで活用していけるといいですね。

 

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