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目先の動きに惑わされるな!

»2010年10月14日
日々是相場 -ブログ-

目先の動きに惑わされるな!

清水 洋介

証券会社で情報部長をしています。相場のことなら、マクロ、ミクロから市場の市場の噂まで精通しています。

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 米国株高やユーロ高などから買い先行となりました。昨日は米国株などの反応せず、円高を嫌気して上値が重くなったのですが本日は円高が進んだにも関わらず、大幅高となりました。為替動向や足元の業績動向などにはほとんど関係ないかのように輸出関連銘柄などにも買いが入り、先物にはまとまった買い戻しも見られて指数を押し上げる展開となりました。為替は15年半ぶりの円高となったのですが、特に売り急ぐ動きもなく大幅高水準での動きが続きました。

 毎年この10月、11月という時期はヘッジファンドなどのファンドの決算などに絡んで、株が大きく下落することが多いのですが円高進行となり、米国株式市場も上値が重くなったにも関わらずほぼ全面高となりました。足元の業績が決して悪いものではないことが確認されたから、などと言う見方もあったようですが、昨日に機械受注の上振れなどを受けて今日のような相場となったのであれば何となく納得が行くのですが、昨日も一昨日も、米国株などの外部要因とは関係のない動きとなっており、今週はファンドなどの持高調整に振らされているのではないかと思います。

 これだけ株価が大幅高となると、円売り介入もやり難いのか15年半ぶりの高値となっても介入もなく、円高容認ということなのでしょう。円高というよりはドル安ということなので動き難いという面もあるのかもしれません。ただ、逆にここから円高になる局面では米国の次の「金融緩和」を織り込んだ水準ということであり、実際に金融緩和となった時に出尽くし感から円が売られるということもあるのではないかと思います。

 円高水準を保つ必要があるのかどうかということもまた問題ですし、この為替水準が続いた時に日本の企業への影響がまた心配になって来るのでしょう。本日のような動きはアジア通貨高、と言うかドル安ということなので、対アジアへの輸出の採算悪化にはつながらず、米国輸出企業の「一人勝ち」ということになりそうです。そう考えると今回の円高も米国の対中国、米ドルの対人民元の問題に巻き込まれているということではないかと思います。