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福島原発の政府対応から学ぶ経営者の心構えとは?

福島原発の政府対応から学ぶ経営者の心構えとは?

藤 優之

福岡県出身、1977年生まれ。横浜国立大学卒業後、上場会社の経営企画室長を経てトーマツコンサルティング(現デロイトトーマツコンサルティング)に勤務。幅広い業界に対し、新規事業立案・実行支援、事業再建、M&A等多数のプロジェクトを経験。Facebook http://www.facebook.com/MasayukiTou twitterID:@MasayukiTou

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震災発生から1ヶ月が経過した。

いまだ余震は続き、福島原発も解決していない。


そんな中、福島原発事故の評価をこれまでのレベル5から「レベル7」に引き上げたと政府が発表した。

選挙後に発表というのも何か意図があるのではないか、と勘ぐってしまうぐらいに政府の発表に軽い不信感を持ってしまう自分がいる。

政府のこれまでの原発発表の仕方に問題があったからだろう。
判断根拠を示さず、大丈夫、大丈夫といってきた。これでは、信じろというほうが無理だというものだ。

国民だけではなく、海外からも不信感を持たれてしまっている。

これでは、首相は、国を預かるトップとして失格だと言われても仕方がないのかもしれない。


振り返って、企業の場合は、どうだろう。

5月に入ると、決算発表シーズンを迎える。
その際、多くの企業では、今期の損害を見積もり、来期の経営状況を見積もったものを発表しなければならない。

決算シーズンを迎えるにあたって、経営者が持っておく心構えは何か。

 1 損失が判明したら金額が確定する前であってもすぐに公表する
 2 損失への対応策も同時に発表する
 3 誤解を招かないよう、損失の範囲を別紙にして配る

今回の政府発表では、原発被害の状況報告が遅れ、対応策も一貫性がなく右往左往している感が否めない。
また、現在、日本全体が原発被害を受けているという誤解が世界中で蔓延してしまっている。

単にチェルノブイリと同じ事故レベルの「レベル7」になったというだけではなく、明確に日本の一部というように分かりやすく発表しなければいけなかった。

企業の場合も同様に、損失の範囲を別紙にして配り、変な風評被害が広がらないようにしなければならない。

どこの会社でも決算集計作業に向けて忙しくなってくる時期ではあるが、今一度気を引き締める必要があるだろう。