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サイフの間仕切が教えてくれた、当たり前の事が「画期的」である理由

サイフの間仕切が教えてくれた、当たり前の事が「画期的」である理由

波多野 謙介

コラボリズム株式会社 代表取締役で文系プログラマー。超朝型へのスイッチで、仕事と家庭の両立を目指す二児の父。

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最近、些細なことなのに僕の生活を変える「気づき」がありました。

「気づき」とか言うと、何だかかっこいい発見をしたみたいですが、僕が気づいた事は「財布の小銭入れにある仕切りの意味」です。

wallet rescue
wallet rescue / me and the sysop

財布の小銭入れ部分は大抵の場合間仕切りがあって、2つとか3つに分かれています。

僕はおおざっぱな性格なので、間仕切りの存在は知っていても一度も気にした事は無く、お釣りを貰ったら気が向いた側にバサーッっと流し込んで暮らしてきたのですが、ある日突然のように「あれ?ここって小銭を分類して入れるべき?」という事に気づいた訳です。

それからは左側に1円と5円、右側にその他といった感じで小銭を分類して生活するようにしてみたところ、これがもう素晴らしい発見で、僕のレジ前での効率はこの発見によって革命的に改善されたのです。

例えばコンビニのレジ前で「418円ですー。」とか言われた場合、以前であれば迷子になった1円玉3枚と5円玉を探してサイフをほじくり返し、小銭入れに二本指を突っ込んで小銭をつまみ出すようなぶさいくな真似をしていました。

しかし小銭を分けるようになってからは1円や5円を捜す必要がなくなったため、レジ前のスタイルが(多分)かっこ良くなりましたし、小銭が効率的に消化されていくので、そもそも小銭が増えにくいという想定外のメリットまで得る事ができたのです。

自分には当たり前な事も人によっては発見である事

僕の場合は30を超えてから「小銭をちゃんと分類して財布に入れる」という事を知って人生が改善されたわけですが、物心ついた時からそんな事は当たり前にやってるという人も多いと思います。

これは僕がおおざっぱな性格である事が原因ではありますが、もう1つ言える事は「何をもって気づきとなるかは人によって大きく異なる」という事です。

ある人にとっては当たり前の事でも、他の人にしてみれば、立派な「気づき」である事は多々あります。それはサイフの間仕切りのようなつまらない事から、仕事の進め方、資料の書き方、上司との触れ合い方に至るまで、あらゆる状況に当てはまる事。

そのような違いが起こる事は、その人の能力というよりも、その人が向いている方向に関係している事な訳ですから、仕方のない事、必ず起こることなのです。

Face Found by Me
Face Found by Me / trawin

ゆるいコミュニケーションの重要性

しかし、会社全体の効率を上げるためにはお互いの「つまらない」気づきを共有する必要がある事も事実。

本来、感じ方の共有は仕事としての硬い会話の中から解消できるものでは無く、昼休みの会話、喫煙ルームの会話、飲み会といったゆるいコミュニケーションで明らかになるもの。失敗談や笑い話の中に気づきが隠されているのではないかと思います。

ですが、飲み会を毎日するわけにもいかないですし、支店間など物理的に離れている人が毎日会ってコミュニケーションをとるのも難しい。その代わりとして使われるのがセールスフォースの「Chatter」や「Yammer」のようないわゆる「社内SNS」=「ゆるいミュニケーションツール」なのかも知れません。

僕はこれまで、「ゆるい」コミュニケーションのみを主体とした社内SNSについては有効性がいまいちわからなかったのですが、財布の間仕切りのおかげで、何となくわかってきたような気がしました。

個人的にはGoogle+の進化を待ちたいところですが、それまでの試しとして、YammerやChatterを使ってみるというのも面白いかも知れませんね。