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娘をもつことが男女の給与格差是正の鍵に

娘をもつことが男女の給与格差是正の鍵に

クレイア・コンサルティング

人事・組織領域を専門とする経営コンサルティングファーム、クレイア・コンサルティングの広報・マーケティングチームです。

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クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。


アメリカのビジネス誌、Fast Companyにおいて、STRONG FEMALE LEADという特集が6月上旬から組まれています。その中でも特に人気のあった以下の記事をご紹介。


WHY MEN WITH DAUGHTERS MAY BE THE KEY TO CLOSING THE GENDER WAGE GAP
http://www.fastcompany.com/3032432/strong-female-lead/why-men-with-daughters-may-be-the-key-to-closing-the-gender-wage-gap


「なぜ娘を持つ男性が性差による給与格差を近づける鍵となりうるのか」というタイトルですが、ここでは2つの調査結果が引用されています。



裁判所のケース


1つめは裁判所でのケースです。アメリカの最高裁判事を調査したところ、


Supreme Court judges with at least one daughter were more likely to vote in favor of women's rights than judges who had no children at all or who had only sons.

少なくとも1人の娘をもつ最高裁判事は、子供を持たないか息子しか持たない判事と比べて、女性の権利に関する評決について賛成する傾向にあった

とのこと。公平な判断を下すことこそが判事に求められる資質であるものの、その差が16%もあることを考えると、研究者たちは、子供をもつことによって女性であることがどういうことだかを学んでいくのではないか、と語っています。


Judges are more sensitive to these issues as they see their daughters come against gender barriers they themselves have never faced.

判事たちは、彼ら自身が経験したことのないような性差によるバリアに、これから自分の娘たちがぶつかっていくことに思いをはせ、これらの課題についてより敏感に反応するようになっているのだ。


オランダ企業のケース


2つめはオランダでの企業調査のケースです。6,000社超、70万人以上の従業員に対する調査によると、


a short time after male CEOs had daughters, women's wages rose relative to men's. The birth of a son, however, had no effect on the wage gap.

男性のCEOが娘をもってからの短い期間に、男性と比べて女性の給与の上昇幅が高かった。一方で、息子の誕生は給与格差に対して何ら影響を及ぼさなかった。

とのこと。当然ながら、50人以上の小規模な企業のCEOのほうが、社員の給与に与える権限が大きいため、よりその傾向が顕著に出たのだそう。また、より教育を受けた女性社員ほどその影響は高かったようです。


The researchers concluded male CEOs were more likely to envision these educated female employees as though they were their own daughters, who would most likely have more formal education.

研究者たちは、男性のCEOにおいて、教育をうけた女性従業員をあたかもよりちゃんとした教育を受けさせていく自分たちの娘に重ね合わせる傾向が強い、と結論づけている。



専門家からのコメント


先のオランダのケースの別のコメントでは、最初の娘が生まれることによって「スイッチが入る」という表現がなされていました。


Having a daughter, Nadler says, has helped him to develop his empathetic muscle.

娘をもつことは、相手を思いやる筋肉を開発するのに役立った、とNadler氏は語った。

Relly Nadler氏はEmotional Intelligence、いわゆるEQ(心の知能指数)の専門家です。また、経営心理学者のGail Golden氏は、


"It's not just abstract statistics about salaries of women versus men, it's about his daughter not being paid fairly for the work she's doing."

これは女性と男性の給料比較に関する理論上の統計というだけではなく、自分の娘がその仕事に対する対価を公平に支払われていないという重要な問題だ」

と語っています。


女性の活用については2014年7月現在の安倍政権においても政策的な主眼の一つになっていますが、ちょうど自社が次期社長を選ぶタイミングに差し掛かっている場合、娘さんをお持ちの候補者を選ぶことで、より企業での女性活用が進んでいく、かもしませんね(笑)。


お読みいただきありがとうございました。



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